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クマをかぶるプログラマーに訊く頭でっかちじゃない未来の作り方

クマをかぶるプログラマーに訊く頭でっかちじゃない未来の作り方

インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:豊島望
2015/03/19

2014年12月末の発売時において日本初のFirefox OS内蔵の携帯端末としてデビューしたFx0。吉岡徳仁デザインの中身が透けて見えるクリアボディーは、未来のクリエイティブのオープン性を予感させる。では、実際にこれで何ができるのか? と問われると、専門家でない私たちにはちょっと手に余る。Fx0が見せてくれる未来とはいかなるものか? そこで、今回話を聞きに訪ねたのはdot by dot inc.のファウンダーであり、プログラマーのSaqoosha(さくーしゃ)さん。上野の森美術館で大きな話題を呼んだ『進撃の巨人』展で、Oculus Rift(バーチャルリアリティーに特化したヘッドマウントディスプレイ)を使って40人が同時体験可能な3Dシアターを制作し、テクノロジーとエンターテイメントの新たな融合を見せた彼ならば、Fx0の魅力を引き出してくれるに違いない(実は取材日に先んじて、彼にはFx0実機を送っておいたのだ!)。クマをかぶったプログラマーはどんな未来像を見せてくれるだろうか。胸を高鳴らせて、dot by dotの扉を開く……!

Windows95がリリースされたときに、プログラミングの他に画像的なものが求められるようになって、インターネットがますます楽しくなりました。

―今回のSaqooshaさんインタビューを皮切りに、3名のクリエイターにFx0について聞く連載が始まります。ただ、いきなり「Firefox OS」や「HTML5」と言われても、プログラミングに詳しくない人からすると「?」という感じもある。そこで最初にうかがいたいのですが、SaqooshaさんはFx0をどんな携帯端末だと感じましたか?

Saqoosha:実機を触ってみましたが、面白かったです。ハードウェアをコントロールする部分においてもJavaScriptのAPIがそろっている。たいがいのことはこの中で、ウェブコンテンツを作る感覚で作れると思います。

―えっと……。

Saqoosha:これで「何ができるか?」というと、ウェブの技術を使ってアプリを簡単に作れるんですよね。アプリを作る技術と、ウェブコンテンツを作る技術はまったく違うので、これまでアプリ開発のハードルは高かった。でもFx0を使ってみると、本当に簡単に作ることができたんです。

―初心者まるだしなのですが、そもそもウェブコンテンツとアプリの制作環境は違うんですね……!

Saqoosha:実はそうなんですよ(笑)。それで実際にこんなの作ってみたんです。dot by dot inc.(Saqooshaらが設立した会社)のウェブサイトで使っているデザインを、Fx0のロックスクリーンに移植してみました。

Fx0を取り出し、自作のロックスクリーンを披露するSaqoosha
Fx0を取り出し、自作のロックスクリーンを披露するSaqoosha

―おお! ドット模様がアニメーションしてる!

Saqoosha:アプリの作り方は2つあって、端末に内蔵されたアプリに機能が全部入っているものと、外のウェブに接続して機能するものがあって、これは後者ですね。もともとウェブサイトのために使っていたコードを、ほとんど変えずに持ってきました。

―こういうのが見たかったんです!

Saqoosha:(笑)。ロックスクリーンにURLを指定できる機能があるので、すごく簡単にできますよ。

―アルゴリズムで色とかたちのパターンが変わるんですね。あ、1つだけクマ耳のついたドットが!

よく見ると、ドット模様の1つが「クマ」になっている
よく見ると、ドット模様の1つが「クマ」になっている

Saqoosha:そこは自己主張を入れてみました(笑)。

―Fx0の開発環境などについては後半でまたうかがうとして、ちょっとSaqooshaさんの活動についても聞かせてください。プログラミングやコンピュータに興味を持ったのはいつ頃ですか?

Saqoosha:一番最初にPCに触れたのは中学生の頃ですね。ちょうど3DCGがテレビ番組やCMに使われ始めて、PCで絵が作れるところに興味を持って触りだしたんです。

―Saqooshaさんは何年生まれですか?

Saqoosha:1978年ですね。

―じゃあフジテレビでやっていた『ウゴウゴルーガ』直撃世代ですね。メディアアーティストの岩井俊雄さんが関わった、かなりシュールな子ども番組でした。途中でPCがフリーズして、キャラクターが動かなくなったりしていましたよね。

Saqoosha:懐かしいですねー! ただ、当時CGを作るためにはすごくハイスペックなマシンが必要で、一画面作るために何時間もかかって大変だったんですよ。それで、CGは一旦置いておいて、プログラミングを始めたんです。そこでゲームを作ったりして。

―『BASICマガジン』(1982年から2003年まで電波新聞社が刊行していたPC関連雑誌)にゲームのプログラムが載ったりしてましたね。

Saqoosha:ああ、読んでました。何よりもPCに触ること自体が面白かったので、MIDIで曲を打ち込んだりもしていましたよ。それで部活も行かなくなって、引きこもりがちな中学生生活に突入(笑)。大きな転機になったのは、やっぱり1995年にWindows95がリリースされて、インターネットが一気に普及し始めたこと。プログラミングの他に画像的なものが求められるようになって、ますます楽しくなりました。その楽しさが今の仕事につながっている感じですね。

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製品情報

Firefox OS スマートフォン「Fx0」
Firefox OS スマートフォン「Fx0」

発売中
価格:オープン価格

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プロフィール

Saqoosha(さくーしゃ)

クマをかぶったプログラマー。Flash, JavaScript, openFrameworks, Unity などのフロントエンドのプログラミング技術を中心に、さまざまなソフトウェア・ハードウェア技術を巧みに用いて、クライアントやクリエティブディレクターたちの無理難題を解決する仕事に携わっている。2014 年 4 月、富永勇亮と、より幅広い分野の才能とのコラボレーションを求めて dot by dot inc. を設立。

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