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「苦労するために生きろ」曽我部恵一がキース・リチャーズに学ぶ

「苦労するために生きろ」曽我部恵一がキース・リチャーズに学ぶ

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也
2015/10/01

偉大なるロックンロールのレジェンドであり、今年71歳にして23年ぶりのソロアルバム『Crosseyed Heart』を発表したThe Rolling Stonesのキース・リチャーズ。そのレコーディング風景を追いながら、ストーンズの活動を振り返ったドキュメンタリー『キース・リチャーズ:アンダー・ザ・インフルエンス』が、日本でのサービスを開始した世界最大級のオンラインストリーミング「Netflix」で独占配信されている。キースと言えば、一般的にはロックンロールの不良性を体現する存在というイメージがあるが、ここでは純粋なる音楽ファンとしての素顔が垣間見え、ブルースやカントリーの先人たちとの交流を経て、ひさびさのソロアルバムを完成させた現在地が描かれている。そこで今回はこのドキュメンタリーを曽我部恵一に見てもらい、彼ならではの視点でキースについて語ってもらった。キースおよびストーンズの音楽的達成、時代の変化に伴うミュージシャンのあり方、そして人生観に至るまで、話題は実に多岐に及ぶものとなった。

※本記事は『キース・リチャーズ:アンダー・ザ・インフルエンス』のネタバレを含む内容となっております。あらかじめご了承下さい。

死んでしまった人と、生き残ってロックし続けている人の差って何なんだろう? というのは、よく考えますね。

―ドキュメンタリーをご覧になって、どんなことが一番印象的でしたか?

曽我部:いわゆるThe Rolling Stonesのキース像というよりも、キース個人の内面が描かれているのが良かったです。「人生とは……」と静かに語るキースという。冒頭はキースが古いブルースのレコードに針を落とすところから始まるんですけど、全編を通してとにかく音楽が好きなんだなあってことがすごく伝わってくる。ひとことで言うと、音楽バカ。一方でミック(・ジャガー)はエグゼクティブプロデューサー的な部分があるし、ストーンズはそのバランスが面白い。

―「ストーンズのキース像」というと、「不良性」みたいな部分がイメージとして強いかと思いますが、むしろそうじゃないところが描かれていますよね。

曽我部:中学1年生で初めてストーンズを聴いたときは、やっぱりちょっとガラの悪そうなところに憧れました。でも、聴いていくと、ストーンズの中にもいろんな音楽的要素があることがわかって、だんだんそっちにも惹かれていった。ストーンズのルーツ回帰的な部分のキーを握っているのがキースだと思う。学究的というか。そしてキースはすごくナチュラルな人で、自然の流れに逆らわずに生きてる感じがする。ハードドラッグにハマっていったのも、自分を高めるためという哲学的側面よりも、そういう時代だったからなんとなくノリでってほうが強い気がする。

曽我部恵一
曽我部恵一

―ドラッグはさすがに卒業しているとしても、トレードマークの煙草はドキュメンタリーでもずっと吸い続けてますよね。曽我部さんは、煙草はお吸いになられるんですか?

曽我部:僕はだいぶ前にやめちゃった。ホントは今でも吸いたいんですけどね。キースは声ガラガラだけど、全然かっこいいじゃないですか? ああいう人は羨ましいですね。自分は歳をとっても歌っていたいと思ってやめてるけど、まあ、煙草を吸ってるボーカルの人もいっぱいいますよね。

―丈夫な人は丈夫なんでしょうね(笑)。

曽我部:キースも若い頃は線が細いイメージだけど、芯はホント強いんでしょうね。だって、周りは同じことして死んだりしてますから。例えば、意気投合してキースと一時期かなりつるんでたグラム・パーソンズ(カントリーロックの新しい流れを生み出したアメリカのミュージシャン。1973年に26歳で亡くなった)は薬物の過剰摂取で死んじゃったけど、キースはピンピンしてる。キースと同じことをしてダメになっちゃった人って、グラム・パーソンズ以外にも実は無数にいると思う。でも、キースは今も余裕で。相当タフですよ。死んでしまった人と、生き残ってロックし続けている人の差って何なんだろう? というのは、よく考えます。

―もしかしたら、キースの自然な生き方っていうのが、その理由なのかもしれないですね。

曽我部:そこは神のみぞ知るところだと思う。不思議ですよね。

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作品情報

『キース・リチャーズ:アンダー・ザ・インフルエンス』

Netflixで独占ストリーミング中
監督:モーガン・ネヴィル
出演:
キース・リチャーズ
ほか

サービス情報

Netflix

世界最大級のオンラインストリーミング。世界50か国以上で6500万人を超える会員を抱え、Netflixが独自に制作した、オリジナルシリーズ、ドキュメンタリー、長編映画などを含め、1日1億時間を超えるTVドラマや映画を低料金の月額定額制で配信。会員は、あらゆるインターネット接続デバイスから、好きな時に、好きな場所から、好きなだけオンライン視聴が可能。コマーシャルや契約期間の拘束は一切なく、思いのままに再生、一時停止、再開することができ、HDや4K:フルHDなどハイクオリティな映像体験を堪能することができる。

プロフィール

曽我部恵一(そかべ けいいち)

1971年生まれ、香川県出身。ミュージシャン。1994年サニーデイ・サービスのボーカリスト / ギタリストとしてデビュー。2001年よりソロ活動をスタート。2004年、メジャーレコード会社から独立し、東京・下北沢に<ローズ・レコーズ>を設立。精力的なライブ活動と作品リリースを続け、執筆、CM・映画音楽制作、プロデュースワーク、DJなど、その表現範囲は実に多彩。下北沢で生活する三児の父でもあり、カフェ兼レコード店<CITY COUNTRY CITY>のオーナーでもある。2015年11月からはサニーデイ・サービス再結成後初となるホールツアーも決定している。

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