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「大人のせいで世の中こうなった」19歳メガホンズが訴える絶望

「大人のせいで世の中こうなった」19歳メガホンズが訴える絶望

メガホンズ『コドモ・フルコース』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:永峰拓也

「大人」に対して何か言ったときに、「あ、自分のことだ」って少しでも反省してくれたら、それでいいんです。(泰平)

―平和を求める手段として「戦争をやってしまえばいい」という発想になるのって、根底に絶望があるからだと思うんですよ。戦争の話だけではなくても、泰平さんの根底には、常に「世界とは醜いものだ」という考え方があるわけですよね。それをそのまま音や言葉に変えていくという……こんな訊き方は変かもしれないけど、それって、キツくないですか?

泰平:音楽をやっていく中でキツいなって思うことは、あんまりないかもしれない。ライブもその場を楽しめていると思うし、これからどんどん楽しくなっていくんだろうなって思うし。

泰平

―SEALDsでも政治家でも、今の世の中には本物のメガホンを持っている人がたくさんいますよね。そういう人たちは、自分たちの意志を伝えていった先で、何かを変えようとしている人も多いと思うんです。メガホンズは、自分たちの「心の声を大にして」伝えていった先で、何を果たしたいんだと思いますか?

泰平:僕らは、世の中を変えようという気はさらさらないんですよ。でも、「大人」に対して指差して何か言ったときに、それを聴いた誰かが「あ、自分のことだ」って少しでも反省してくれたり、同世代の人たちが「こいつら、俺には言えないようなこと言ってるな」と思って手を挙げてくれたりしたら、それでいいんです。僕らが何かを言いたい相手は、絶対に目の前の人なんですよ。「全国の音楽の好きな人」ではなく、「僕らのライブを観に来た人」に矛先はあるんです。

―泰平さんは、ご自身の育ってきた厳しい境遇があるからこそ、目に見えないものは徹底的に疑って、見えるものだけを信じようとするのかもしれないですね。音楽をお客さんに投げかけていく行為って、泰平さんにとってはどんな意味を持つことなんですか?

泰平:音楽は、飯食ったり夜寝たりするのと同じくらい人間の本質的なものだと思うし、もちろん、僕ら自身もギターの音、ベースの音、ドラムの音に気持ちがこもるように努力はしています。その努力は忘れちゃいけないと思うんですけど、じゃあ、リスナーはそれを聴いていますか? って思うんですよ。ギターの細かい音なんてギタリストしか聴いていないじゃないですか。「僕らの言いたいことは音楽に詰まっています」なんて言っても、その音楽の言いたいことを聴ける人が、果たしてその場に何人いるんですか? って思う。だから、追求するべきはそこではないと僕は思うんですね。僕らは曲中に語りのパートもあるんですけど、それも結局、言葉をメロディーに乗せて音楽にするよりも、目の前に人がいるんだったら、バッと喋って伝えた方が早いこともあるからで。

―だとしたら、わざわざ音楽活動を通して自分たちの言いたいことを発していく意味って、どこにあるんだと思いますか?

泰平:音楽は僕らにとって武器だと思いますね。マキシマム ザ ホルモンの亮君がインタビューで「ギターが武器だ」って言っていたんですけど、僕らはどちらかというと「音楽が武器で楽器は仲間」っていう感じですかね。だって、今の時代に評論家とかやっても稼げないじゃないですか(笑)。

―ははは……(苦笑)。

泰平:もちろん、根本的に音楽をするのが好きだから、音楽をやっているんですよ。部活が休みの日は1日18時間ギターを弾いていたし、ギターソロを弾くときは、ギター小僧が「ヤベー、かっこいい!」って思えるようなギターソロにしたいとか、そういう純粋なリスナーとしての見方も僕らの中にはあります。でも、お客さんがその場所にいて、僕らには言いたいことがある。それなら言いたいことは言うし、それに対して手を挙げてくれるなら、それがロックだと思う。

今のレーベルや事務所がアーティストに求めているのは、実は音楽でもなんでもなくて、客を持っているか、お金になるかどうか、それだけなんですよね。(泰平)

―今回、全国ツアーを50本も回るんですよね。50本って、かなり衝撃的な数字なんですけど、これもやっぱり目の前の人に「伝えたいことを伝えたい」という強い衝動があるからこそ成せる業なんですかね。

泰平:そうですね。僕らは、より多くの人に聴いてもらうというよりも、観に来てもらいたいんです。今って、ライブDVDが当たり前に世に出ているし、PVもYouTubeにフルで出ちゃう時代だけど、その会場にいる人にしか言いたくないこと、他には聴かせたくない想いだってある。それに、ライブ会場に行けば、匂いだったり音だったり振動だったり視覚的なものだったり、その場にいる人にしか味わえないものがあるじゃないですか。

―その通りだと思います。でも、その「ライブハウスで伝えていきたい」という感覚って、同世代と共有できるものだと思いますか? だってYouTubeにアップすれば、簡単に全国に発信できるわけじゃないですか。

泰平:どうですかね? あんまり同世代と話す機会がないんですよね。

―Mohさんはどうです? 同世代のミュージシャンと自分たちを比べたりすることはありますか?

Moh:僕らは『未確認フェスティバル2015』(8月に開催された10代限定のバンドコンテスト)のファイナルステージの一歩手前で落ちたんですけど、やっぱりすごく悔しくて。優勝したバンドとかを「くっそー」って思いながら聴いてるんですけど、かっこいいんですよね。僕らと同い年でPVも作って、ライブも人気があって。今は羨ましいと思いますね。

左から泰平、Moh

泰平:でも、今売れているバンドが、10年後にこの業界にいますか? って考えると、疑問に思っちゃうじゃないですか。僕らは10年後も残っていたい。この前の『未確認フェスティバル』で、今のレーベルや事務所がアーティストに何を求めているかがわかったんです。実は音楽でもなんでもなくて、客を持っているか、お金になるかどうか、それだけなんですよね。レーベル自体にアーティストを育てる力はもうない。今年はそのことに気づけたから、ここからどれだけ攻めることができるかだと思っています。「僕ら、いいので聴いてください」ってお願いするよりも、「メガホンズ、やべぇらしいぜ」っていう噂を大人たちの中に舞い込ませるみたいな、そんな関係性で大人たちとやり合っていきたいですね。

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イベント情報

『Eggs×CINRA presents exPoP!!!!! volume81』

2015年11月26日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
どついたるねん
odol
ヘンショクリュウ
Emerald
メガホンズ
料金:無料(2ドリンク別)
※会場入口で音楽アプリ「Eggs」の起動画面を提示すると入場時のドリンク代無料

リリース情報

メガホンズ『コドモ・フルコース』
メガホンズ
『コドモ・フルコース』(CD)

2015年12月4日(金)発売
価格:500円(税込) ライブ会場限定販売

1. THE LOVE
2. 青いリンゴ
3. Understanding Child
4. 愛を込めて戦争を~Luv&Peace&War~

イベント情報

『メガホンズ1st E.P.『コドモ・フルコース』Release Tour「コドモ・フルツアー」』

2015年12月4日(金)
会場:東京都 下北沢 DaisyBar

2015年12月7日(月)
会場:東京都 両国 SUNRIZE

2015年12月11日(金)
会場:沖縄県 那覇 Cyber-Box

2015年12月13日(日)
会場:北海道 苫小牧 ELLCUBE

2015年12月14日(月)
会場:北海道 札幌 Spiritual Lounge

2015年12月20日(日)
会場:東京都 両国 SUNRIZE

2015年12月21日(月)
会場:宮城県 仙台 MACANA

2015年12月22日(火)
会場:石川県 金沢 vanvanV4

2015年12月23日(水・祝)
会場:福井県 CHOP

2015年12月24日(木)
会場:新潟県 GOLDENPIGS BLACK STAGE

2015年12月29日(火)
会場:福井県 HALLBEE

2015年12月30日(水)
会場:東京都 両国 SUNRIZE

2016年1月8日(金)
会場:岡山県 CRAZYMAMA2nd room

2016年1月9日(土)
会場:高知県 X-pt

2016年1月10日(日)
会場:香川県 高松 DIME

2016年1月11日(月・祝)
会場:徳島県 GRINDHOUSE

2016年1月18日(月)
会場:東京都 渋谷 aube

2016年1月23日(土)
会場:岩手県 盛岡 CHANGE WAVE

2016年1月24日(日)
会場:福島県 いわき SONIC

2016年1月25日(月)
会場:東京都 新宿 JAM

2016年1月30日(土)
会場:山口県 岩国 RockCountry

2016年1月31日(日)
会場:島根県 出雲 APOLLO

2016年2月1日(月)
会場:大阪府 心斎橋 火影

2016年2月2日(火)
会場:愛知県 名古屋 HACK FINN

2016年2月4日(木)
会場:東京都 立川 BABEL

2016年2月5日(金)
会場:栃木県 宇都宮 HELLO DOLLY

2016年2月6日(土)
会場:秋田県 swindle

2016年2月11日(木・祝)
会場:群馬県 SUBURST

2016年2月12日(金)
会場:山梨県 KAZOOHALL

2016年2月13日(土)
会場:兵庫県 神戸 BLUEPORT

2016年2月14日(日)
会場:福岡県 小倉 FUSE

2016年2月15日(月)
会場:福岡県 qublick

2016年2月18日(木)
会場:大阪府 梅田 zeela

2016年2月19日(金)
会場:大阪府 堺 goith

2016年2月25日(木)
会場:愛知県 栄 R.A.D

2016年2月26日(金)
会場:滋賀県 B-FLAT

2016年2月27日(土)
会場:広島県 尾道 B×B

2016年2月28日(日)
会場:長崎県 DO!

2016年3月3日(木)
会場:京都府 MOJO

2016年3月4日(金)
会場:京都府 GROWLY

2016年3月5日(土)
会場:三重県 鈴鹿 ANSWER

2016年3月6日(日)
会場:長野県 club JUNK BOX

2016年3月7日(月)
会場:東京都 八王子 MatchVox

2016年3月9日(水)
会場:千葉県 LOOK

2016年3月10日(木)
会場:千葉県 稲毛 K'S DREAM

2016年3月11日(金)
会場:神奈川県 横浜 B.B.STREET

2016年3月12日(土)
会場:東京都 新宿 ACB

2016年3月13日(日)
会場:埼玉県 北浦和 KYARA

2016年3月18日(金)
会場:埼玉県 越谷 EASYGOINGS

2016年3月21日(月)
会場:東京都 新宿 ANTIKNOCK

プロフィール

メガホンズ
メガホンズ

全員が1996年生まれ。2013年1月、当時高校1年生だったMoh(Ba,Cho)が泰平(Vo,Gt)に声をかけて結成。同年8月、番長(Dr)が加入し現体制に。「心の声を大にして」というモットーで「メガホンズ」と泰平が命名。2015年4月、高校卒業と同時に地元福井を離れて上京。今や関東だけでなく全国へとその活動拠点を広げつつある。ロックンロールやブルースを基調とながらも、様々なジャンルを柔軟に織り交ぜた楽曲、社会や大人への憤りがあふれた歌詞、そして爆発的なライブで、着々と日本を斡旋している。2015年12月、1st E.P.『コドモ・フルコース』をリリース。『コドモ・フルツアー』として、合計50本の全国ツアーを慣行する。

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