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古田新太と劇団鹿殺しが本気で語る、演劇と「お金」のリアルな話

古田新太と劇団鹿殺しが本気で語る、演劇と「お金」のリアルな話

劇団鹿殺し『キルミーアゲイン』
インタビュー
佐々木鋼平
テキスト:萩原雄太 撮影:田中一人

自分の役だけを「一生懸命やりきった!」って言ってるやつは、ぶっとばせばいいんですよ!(古田)

―古田さんのなかには、劇団だけではなく演劇界として動員をしなきゃならないという責任感があるんですね。

古田:演劇界っていうのを念頭に置いておかないと、お客さんが入らないことや興行的な失敗に対してなんとも思わなくなるんだよね。興行的な成功っていうのは、自分たちが設定した客席をいっぱいにすること。それに見合うだけの作品を作るのがオイラたちの仕事。自分の役だけを「一生懸命やりきった!」って言ってるやつは、ぶっとばせばいいんですよ!

一同:(爆笑)。

古田新太

―鹿殺しのお二人はいかがでしょうか?

菜月:めっちゃ同意します。助成をいただくこともありますが、路上パフォーマンスをやっていたときも、劇場でも変わらず、「私たちを観るつもりのなかった人を何人振り向かせられるか」が大事だと思っているんです。劇場のなかでは人気者でも、路上でストリートミュージシャンの横に立ったら演劇人ってかっこ悪いと思ってました(笑)。路上でも、ライブハウスでも、そこで一番かっこいい存在であるのが私たちの目標だし、ストリートライブのお客さんをみんなこっちに振り向かせたいと思っています。そういう影響力を持てないなら、いくら演劇としての完成度が高くてもダメ。だから客席にお一人様のサラリーマンや年配の方、小学生が来てくれていたりするとすごく嬉しいんです。

振り返ると、おもしろい作品を作ろうとしたときに、劇団員が退団してしまったり、人間関係がギクシャクしてしまったり、いろんな痛みを伴ってきた。(丸尾)

―下北沢の本多劇場と、大阪のABCホールで上演される劇団鹿殺しの新作『キルミーアゲイン』は15周年公演となりますが、どのような作品になりそうですか?

丸尾:15年やってきたことを振り返ると、すごく楽しめる作品を作ろうとしたときに、劇団員が退団してしまったり、人間関係がギクシャクしてしまったり、いろんな痛みを伴ってきたんです。そこから「ハチャメチャな喜劇を演じる背後で起こる悲劇」っていう構造が浮かんできました。今作の舞台は劇場なんですが、表ではすごくおもしろいバカな世界がありながら、裏では人間関係の悲喜こもごもや、悲劇が起こっていく作品になります。

劇団鹿殺し 活動15周年記念公演『キルミーアゲイン』 写真:江森康之
劇団鹿殺し 活動15周年記念公演『キルミーアゲイン』 写真:江森康之

―ある意味、鹿殺しのこれまでの活動に重なる部分も多い作品なんですね。古田さんは、鹿殺しの15周年によせてメッセージはありますか?

古田:15年続いてきて、途中で大好きだった劇団員がやめちゃったとか、いろいろあったと思うんだけど、そんななかでこれからも鹿殺しが存続して作品を作っていくためには、「頑張っているよ、お前ら」って言う人がいないといけないと思うんです。だからこれからも励ましていきたいと思いますね。実際、丸尾はすごくよく頑張って脚本を書いているし、チョビの演出も、作品のクオリティーも上がってきている。鹿殺しがもともと持っている暴力性を守りながら、ますますソリッドにしていると思いますよ。

―大先輩として、鹿殺しに対する愛が伝わってきますね。

古田:もちろん、バカなことも忘れていないしね(笑)。

菜月:東京に出てきてメンバーが変わるときとか、次は大きな劇場でやらなきゃってドキドキしているときとか、古田さんは、いつも節目に話を聞いてくださって。で、そのときに励まさなきゃいけないメンバーを捕まえて、お前が一番頑張れって言ってくれるのが、すごくありがたいですね。

―原点に立ち戻る感覚?

菜月:私たちのやり方が間違ってなかったんだって思えます。迷っているときも、「でも、古田さんも言ってたし!」って(笑)。実際にきちんとやるべきことをやっていて、お客さんもいっぱいいるし、かっこいい。劇団員にも「古田さんが、そう言ってるんだよ」って伝えています。「だって、みんなよりめっちゃうまくて、ファンがいっぱいいて、お家も建てているんだよ? 確実に正しい人でしょ」って(笑)。

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イベント情報

劇団鹿殺し 活動15周年記念公演
『キルミーアゲイン』

作:丸尾丸一郎
演出:菜月チョビ
音楽:入交星士×オレノグラフィティ
出演:
菜月チョビ
丸尾丸一郎
オレノグラフィティ
橘輝
鷺沼恵美子
浅野康之
峰ゆとり
近藤茶
木村アヤナ
メガマスミ
椙山聡美
大東駿介
細貝圭
河野まさと(劇団☆新感線)
ほか

東京公演
2016年1月9日(土)~1月20日(水)
会場:東京都 下北沢 本多劇場

大阪公演
2016年1月28日(木)~1月31日(日)
会場:大阪府 ABCホール

プロフィール

古田新太(ふるた あらた)

兵庫県出身。劇団☆新感線の看板役者。活躍の場は広く、バラエティー番組への出演や多くのCM出演、コラムニストとして雑誌連載を持つほか、著書に『気になちょるモノ』『ドンジュアンの口笛』『魏志痴人伝』『柳に風』がある。近年の劇団公演以外の出演作に、ドラマ『リスクの神様』『信長協奏曲』『ドクターX~外科医・大門未知子~』『隠蔽捜査』、映画『エイプリルフールズ』、舞台『いやおうなしに』『万獣こわい』などがある。現在、映画『パディントン』『信長協奏曲』『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』の公開が控え、1月3日放送のCX『坊ちゃん』にも出演。テレビ朝日『関ジャム』にレギュラー出演中。また、パルコ劇場にて舞台『ツインズ』に出演。1月は地方にて公演を行う。

劇団鹿殺し(げきだん しかごろし)

2000年、菜月チョビが関西学院大学のサークルの先輩であった丸尾丸一郎とともに旗揚げ。劇場では正統的演劇を行いながらも、イベントでは音楽劇的パフォーマンスを繰り広げる。上京後2年間の共同生活、週6日年間約1000回以上の路上パフォーマンスなど独自の活動スタイルで、演劇シーン以外からも話題を呼び、TV朝日『ストリートファイターズ』では人気投票全国2位となる。2013年、菜月チョビの文化庁新進芸術家海外派遣制度による1年間の海外留学を発表。同年、充電前最後の本公演『無休電車』を東京・伊丹で発表、6,000名を動員する。2015年6月には、シンガーソングライターの石崎ひゅーいを客演に招き、全編生演奏のロックオペラ『彼女の起源』を発表した。

関連チケット情報

2020年11月7日(土)〜11月15日(日)
劇団鹿殺し
会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)(東京都)

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