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竹中直人×近藤研二 豊かなもの作りって何だろう?NHKから考える

竹中直人×近藤研二 豊かなもの作りって何だろう?NHKから考える

『0655/2355 ソングBest!明日がくるのをお知らせします』
インタビュー・テキスト
阿部美香
撮影:田中一人

昨年まで在籍していた栗コーダーカルテットでの活躍も知られる近藤研二が曲を書き、名優の竹中直人が歌う“電車がきます”。「え……なにそれ?」と思った方はぜひ『0655/2355ソングBest!明日がくるのをお知らせします』というアルバムを手にとってみて欲しい。これは、『ピタゴラスイッチ』でおなじみの表現研究者・佐藤雅彦と、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室の卒業生を母体とした研究グループ「ユーフラテス」が手がける、NHK Eテレ『Eテレ0655』と『Eテレ2355』で放送中の楽曲を厳選したもの。ユニークな楽曲を歌うのは、レキシ、HARCO、デーモン閣下、細野晴臣、中川翔子、杉林恭雄、そして竹中直人。ジャンルを超えた個性的なシンガーが集結し、意外性満点な歌声を披露していることでも話題の本作は、細かいところにまで徹底的にこだわった作品作りも魅力。その番組制作の秘密を、竹中直人と近藤研二の談義を通じて紐解いてみると……?

人とはすぐ仲良くなりたいんですよ。お芝居をやっていると、お客さんは怖いんです。(竹中)

―お二人はけっこう長いお付き合いになるそうですね。

近藤:もともと去年まで僕が在籍していた栗コーダーカルテット(以下、栗コーダー)が縁で、竹中さんの映画や舞台の音楽をやらせていただいていますね。

竹中:栗コーダーのことは、UAに教えてもらったんです。“頼りない天使”を一緒に演奏してたんだよね。

左から:竹中直人、近藤研二
左から:竹中直人、近藤研二

近藤:フィッシュマンズのトリビュートアルバム『SWEET DREAMS for fishmans』(2004年)に、UAが“頼りない天使”という曲で参加したときの演奏を、栗コーダーカルテットでアレンジしたんです。

竹中:そう、それを聴いてあまりにも感動して。『そう。』という、佐藤伸治(フィッシュマンズのボーカリスト)をイメージした舞台を2006年に作ったのですが、フィッシュマンズの曲を全編、栗コーダーにアレンジしてもらいました。

近藤:だから……初対面からは約10年近くが経ちますね。その後、竹中さんが監督された『山形スクリーム』(2009年)という映画の音楽を栗コーダーでやり、演奏シーンで出演までさせていただきました。他にも、2008年の竹中さんの『三人の女』という舞台で栗コーダーが音楽を担当したり、僕個人でも竹中さんのライブでサポートさせてもらったり、いろいろと声を掛けていただいています。

―そもそも竹中さんは、栗コーダーや近藤さんの音楽のどこに一番惹かれたのでしょう?

竹中:イギリスに、The Ukulele Orchestra of Great Britainという、ウクレレだけで古今東西の曲を演奏するアンサンブルグループがいるのですが、32、3歳のときにそれを聴いて感動してね。34歳のときに撮った映画『無能の人』(1991年)でもウクレレの音が欲しくなって、ギターが専門のゴンチチにウクレレを弾いてもらったくらい。重なり合うウクレレの音が好きなんです。

竹中直人

―そこで栗コーダーのウクレレのサウンドにも感動されたと。

竹中:そう。そして僕は口笛も好きで。サザンオールスターズの関口和之くんがウクレレを弾き、僕が口笛を吹かせてもらった『口笛とウクレレ』(2000年。2008年には『口笛とウクレレ2』を発売)というアルバムを出したこともあるくらい。口笛もそうだし、栗コーダーで近藤くんが吹いていたリコーダーの音にも、なんか……ゾクッと震えるものがあるんです。近藤くんたちの音楽は、チャーミングさがあって、そして優しい。あと、一緒にいる時間がとにかく楽しいんだよね。今日もね、対談をしに来たというよりも、近藤くんに会って話をするのが嬉しくて来ちゃったようなものです(笑)。

―竹中さんの本業は役者さんですが、音楽も大好きでいらっしゃるからこそ、近藤さんとシンパシーを感じる部分も多いのでしょうね。

竹中:はい。『口笛とウクレレ』以外にも、いろいろ出させてもらってますから。27歳のとき、最初に出したアルバムは、桑原茂一さんがプロデュースで、参加メンバーもすごかったです。細野(晴臣)さん、(鈴木)慶一さん、立花ハジメさん、上野耕路……。

近藤:ええ!! それなんていうアルバムですか?

竹中:『かわったかたちのいし』(1984年)という。

近藤:そうだったんですね、聴いてみます。竹中さんは、とにかく感性が素晴らしい。そして繊細なんですよね。

竹中:繊細? ホントかよ、やめて欲しいな。繊細だなんて信じられないよ(笑)。

近藤:いつもフレンドリーにしてくださいますし。

左から:竹中直人、近藤研二

竹中:寂しいですからね、人とはすぐ仲良くなりたい。舞台でお芝居をやっているとき、お客さんが怖いんです。昔は終わった後にお客さんが書いてくれたアンケートを読んでいましたが、ある時期から読めなくなりました。インターネットとかも、傷付くから見ないですね。ホントに怖い。みんな言いたい放題書くでしょう? あるとき、それを見て堕ちてしまって、立ち直れないことがあった。

近藤:音楽のライブのアンケートは、そんなに悪いことを書く人はいないんですけどね。大体「よかったです」って。悪いと思った人は書いてないだけかもしれないですけど。

竹中:近藤くんを前にしておこがましいんだけど、僕も若い頃から音楽やっていて、バンドでヤマハの『ポプコン』(『ヤマハポピュラーソングコンテスト』。1969年から1986年まで開催されていた音楽コンテスト)の神奈川地区大会のステージに出たこともあるんですよ。

近藤:そうなんですか! いくつのときですか?

竹中:18歳。でもねぇ、「わっ、目の前にお客さんがいる!」と思ったら緊張しちゃってね。バンドの演奏が始まったのに歌詞が出てこなかった。お客さんの前というのは未だにあがっちゃう。

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リリース情報

V.A.『0655/2355 ソングBest!明日がくるのをお知らせします』
V.A.
『0655/2355 ソングBest!明日がくるのをお知らせします』(CD+DVD)

2016年1月27日(水)発売
価格:2,592円(税込)
COZX-1132/3

1. 0655 call by 0655dori
2. チョココロネをたべるのどっちから? / 柴田聡子
3. 重箱の隅つつくの助 1ばん / レキシ
4. わが輩は、犬 / 松本素生
5. 素晴らしき哉、世界 アの界 / 東京すばらしき合唱団
6. 電車がきます / 竹中直人
7. 走れ! ウマダ・ウマジロウ / 100万馬力合唱団2014
8. うちにはこんなのがいます / 杉山ひこひこ
9. きょうの選択 / HARCO
10. それぞれの立場ソング ダチョウの3兄弟 / タカアンドトシ
11. これを知ってるといばれるの唄 「海外では通じない和製英語編」 / 石澤智幸
12. 小石川植物園に行ってみました1 / 近藤研二
13. メーメーメーがやって来た! ! / 豆曲トリオ
14. 気にしないの助音頭 / 近代史ケンジ
15. 喜多喜多! さるさるどしー! / 川の字トリオ
16. toi toi toi !!
17. 2355氏、金曜の夜 / 細野晴臣
18. 龍安寺の歌 / 中川翔子
19. ディオファントスの一生 / 狩人
20. 顕微鏡で覗く世界 ボルボックス編 / 笹倉慎介
21. とびはぜトビーのBGM ブラームスのワルツ 変イ長調 Op.39-15 / イエルク・デームス
22. 放物線のうた / 大橋トリオ
23. がんばるぞ! 俺たちあきびん びんようき隊の歌 / われもの合唱団
24. あるヤドカリの唄 / 比嘉栄昇
25. 小さな恋の物語 その2 たまごとミルクパン / 笹倉慎介
26. 猫のふみふみ / 杉林恭雄
27. あくびが出るよ / 近藤研二
28. factory of dream 夢を作る工場 I don't want to play in your yard / Peggy Lee「2355が明日がくるのをお知らせします」
[DVD]
『とびはぜトビーのおやすみソングセレクション』
・龍安寺の歌
・顕微鏡で覗く世界 ~ボルボックス編~
・素晴らしき哉、世界 深の界
・toi toi toi!(トイトイトイ)幸せを願う編

近藤研二『子猫のロンド』
近藤研二
『子猫のロンド』(CD)

2015年12月19日(水)発売
価格:2,700円(税込)
mmr-0001

1. 誕生日
2. 子猫のロンド
3. おじいさんの11ヶ月
4. 顕微鏡で覗く世界
5. 光ノトキ
6. toi toi toi
7. an old rocking chair
8. つみきのいえ
9. ベアーズシネマ
10. butterfly in the river
11. ペジエ
12. requiem
13. 何処から来たの
14. おじいさんの11ヶ月 for ukulele(ボーナストラック)

プロフィール

竹中直人(たけなか なおと)

1956年、神奈川県生まれ。1983年、『ザ・テレビ演芸』でデビュー。1996年映画『Shall we ダンス?』、大河ドラマ『秀吉』、2003年『ウォーターボーイズ』、2008年映画『まぼろしの邪馬台国』、2010年映画『のだめカンタービレ 最終楽章』『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』など数々の作品に出演。映画監督としても1991年『無能の人』で数々の賞を受賞している。2011年7月20日、CDアルバム『竹中直人のオレンジ気分』をリリース。現在『マネーの天使~あなたのお金、取り戻します!~』(毎週木曜よる11時59分より放送)に出演中。

近藤研二
近藤研二(こんどう けんじ)

ギター、ウクレレを中心に、弦楽器奏者として活動する一方、作編曲家としてNHK Eテレ『2355』『0655』の音楽、ももいろクローバーZの編曲など、多彩な音楽を作り続けている。米国第81回アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した『つみきのいえ』の音楽も担当した。鈴木慶一によるControversial Spark、ポップバンド図書館のメンバー。愛猫家。2015年秋に自主レーベル「m+m records」を起ち上げ、その第一弾として初のソロアルバム『子猫のロンド』を12月19日にリリースした。

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