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三浦大知×Seiho 保守化する日本のダンスミュージックへの提言

三浦大知×Seiho 保守化する日本のダンスミュージックへの提言

三浦大知『Cry & Fight』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:矢島由佳子

コラボレーションって、二人の間にしか存在しないものを確認し合って、自分や相手を理解することなんです。(Seiho)

―Seihoさんは、最近メジャーのフィールドでも注目を集めていますが、これまでオーバーグラウンドのシーンに興味がなかったのか、それとも興味はありながらも、結果的にアンダーグラウンドのシーンに身を置いていたのか、どちらが近いですか?

Seiho:アンダーグラウンドとオーバーグラウンドって、場所じゃなくて、時期の話だと思っているんです。去年、矢野顕子さんの作品に参加させてもらったときに、「音楽シーンって灯台みたいだよね」という話をしたことがあって。

―灯台ですか?

Seiho:灯台の光がグルグル回っていて、その光が当たっているときもあれば、そうじゃないときもある。その光のスピードに合わせて歩ける人もいれば、光を追い続けて、ずっと暗いところにいる人もいるみたいな。ぼくが、アンダーグラウンドシーンが好きなのって、光が当たっていない状態でも、同じ場所に立ち続けて、自分がここにいることを証明するためっていうか。光が当たったり当たらなかったりすることで、自分の立ち位置がわかってくるんですよね。だから、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの違いっていうのは、場所というより、回ってくる光の周期みたいなイメージがあるんです。

左から:三浦大知、Seiho

―面白い考え方ですね。逆に、大知さんはアンダーグラウンドのシーンをどのように見ているのでしょうか?

三浦:ぼくは、自分がオーバーグラウンドなのかアンダーグラウンドなのかっていうこと自体、正直あんまりわからないというか。もちろん会社やレーベルのことはありますけど、そういうのって、周りが決めることのような気がして。自分がずっとやってきたことは、オーバーグラウンド、アンダーグラウンド関係なく、グッドミュージックを作りたいだけで、「いいものはいい」ってことじゃないかと思いますね。

―では、実際に“Cry & Fight”は、どのように制作が行われていったのでしょうか?

三浦:自分としては、今年がソロデビュー11年目なので、次の一歩に進みたい気持ちがあって、三浦大知のスタイル「歌って踊る」の現時点での最高峰を作らないといけないと思っていました。なので、とにかく踊れるものにしたいっていうことだけがありましたね。あと今回わがままを言って、この曲のためにトラックメイカー二人(UTA、Seiho)に参加してもらったのは、異例のことだと思うんです。でも、一音楽ファンとして、どうしても混ざってみてほしくて、その面白さを今回出せたと思いますし、また別のかたちでSeihoさんと三浦大知の楽曲も作れたらいいなって思ってます。

Seiho:UTAさんとトラックをやり取りしながら制作したんですけど、今回は、三者のバランスがとてもうまく取れたと思いました。「こうなったらよくないな」って最初に思ったのが、「三人がイメージできる安全な場所に行ってしまう」こと。「自分は違うけど、こういうのがお客さんに求められているよね」とか、もちろんしたくないんだけど、三人ともなんだかんだ優しいし、気使いなところもあるのが心配で。でも、三人が納得できて、お客さんにも納得してもらえる、ちゃんと三人のコラボレーションができたので、勉強になりました。なによりUTAさんが大人でよかった(笑)。

―メロディーとビート、どちらを先に作りはじめたんですか?

三浦:まず、メロディー先行でやってみようという話になって、UTAさんとぼくでメロディーとコードを決めて、アカペラを録ったんです。その素材をSeihoさんに渡して、トラックを作り直すところからはじまり、BPMとか展開とか、いろんなアイデアをキャッチボールしつつ、一緒にスタジオに入って作り上げていった感じですね。

左から:三浦大知、Seiho

Seiho:ぼくは人と話すことが好きなんですが、話すとその人を理解できるだけじゃなく、自分のことが理解できるじゃないですか。曲を作るときって、自分との対話なんですけど、ホントに自分が作りたいものを作るときって、何人かと一緒に作ったほうが、意外と明確になるんですよね。コラボレーションって、二人の間にしか存在しないものを確認し合って、自分や相手を理解することなんです。だから作ったときは気づかなかったけど、あらためて聴いたときに、「あのときこんなこと思ってたんだ」とか「大知くんこういうこと考えてたのかな?」ってことを、曲から教えてもらえる。こういう体験って、自分の曲だとあまりできないんで、それもすごく良かったです。

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リリース情報

三浦大知『Cry & Fight』Music Video盤
三浦大知
『Cry & Fight』Music Video盤(CD+DVD)

2016年3月30日(水)発売
価格:1,944円(税込)
AVCD-16630/B

[CD]
1. Cry & Fight
2. Yes & No
3. Forever & Always
[DVD]
・Cry & Fight -Music Video-
・Cry & Fight -Live Session with Seiho-

三浦大知『Cry & Fight』Choreo Video盤
三浦大知
『Cry & Fight』Choreo Video盤(CD+DVD)

2016年3月30日(水)発売
価格:1,944円(税込)
AVCD-16631/B

[CD]
1. Cry & Fight
2. Yes & No
3. Forever & Always
[DVD]
・Yes & No, Forever & Always -Choreo Video-
・Cry & Fight -Dance Edit Video-

リリース情報

{作品名など}
三浦大知
『Cry & Fight』CD Only盤(CD)

2016年3月30日(水)発売
価格:1,296円(税込)
AVCD-16632

1. Cry & Fight
2. Yes & No
3. Forever & Always

リリース情報

Seiho『Collapse』日本盤(CD)
Seiho
『Collapse』日本盤(CD)

2016年5月18日(水)発売
価格:2,376円(税込)
BEAT RECORDS / LEAVING RECORDS / BRC-509

1. COLLAPSE(Demoware)
2. Plastic
3. Edible Chrysanthemum
4. Deep House
5. Exhibition
6. The Dish
7. Rubber
8. Peach and Pomegranate
9. The Vase
10. DO NOT LEAVE WET
11. Ballet No.6(ボーナストラック)

プロフィール

三浦大知
三浦大知(みうら だいち)

1987年生まれ、沖縄県出身。Folderのメインボーカルとして1997年にデビュー。2005年3月にシングル『Keep It Goin' On』でソロデビュー。抜群の歌唱力と世界水準のダンスによるパフォーマンスが注目を集め、2012年には初の日本武道館が10分でSOLD OUT。ヨーロッパ最大の音楽授賞式『2014 MTV EMA』にて『ベスト・ジャパン・アクト』に選出されるなど、国内外で高く評価されている。2015年9月にリリースした最新アルバム『FEVER』はオリコン週間アルバムチャートで3位を記録。全国17か所、21公演、自身最多動員数となる45000人を動員した全国ツアーも話題を呼んだ。

Seiho
Seiho(せいほー)

アシッドジャズが鳴りまくっていた大阪の寿司屋の長男にして、2013年、中田ヤスタカらと並び、MTV注目のプロデューサー7人に選出され、『Sonar Sound Tokyo』に国内アーティストとしては初の2年連続出演(2012 / 2013年)、2 Many DJ’s、Capital Cities、Flying Lotusらの日本ツアーオープニング、または共演、そしてSugar’s Campaignでも注目度アップのビートメイカー兼DJ兼プロデューサー。他アーティストへのプロデュースや、リミックスワークとして、YUKI、矢野顕子、パスピエ、さらうんど、三浦大知などを手掛けている。2016年5月20日、最新アルバム『Collapse』を米・Leaving Records / Stones Throwよりリリース。国内盤はボーナストラックを追加収録し、Beat Recordsより5月18日、日本先行発売。

関連チケット情報

2018年10月23日(火)〜12月19日(水)
三浦大知
会場:和歌山県民文化会館 大ホール(和歌山県)
2018年12月31日(月)
liquidroom presents NEW YEAR PARTY 2019
会場:LIQUIDROOM(東京都)
2019年2月7日(木)
三浦大知
会場:マリンメッセ福岡(福岡県)
2019年3月12日(火)〜3月13日(水)
三浦大知
会場:大阪城ホール(大阪府)

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