
the pillows山中×バカリズム 顔が似る二人は、内面も似てるのか?
the pillows『STROLL AND ROLL』- インタビュー・テキスト
- 麦倉正樹
- 撮影:森山将人 編集:矢島由佳子
the pillowsのフロントマン・山中さわおとバカリズム――ある人にとっては「意外な組み合わせ」、またある人にとっては「遂に!」といったツーショットが実現した。片や結成から27年目に突入したベテランロックバンドのボーカルでありながら、「テレビはバラエティーしか見ない」と公言し、プライベートではお笑いのDVDを見まくっているという、お笑い好きミュージシャンの山中。そしてオフビートなコントでコアなお笑いファンのハートをわしづかみながら、最近では『素敵な選TAXI』などドラマ作品の脚本も担当、『バズリズム』をはじめとする音楽番組の出演を通してミュージシャンとの交流も深めているという、バカリズム。
「この二人、何か似てない?」――そんなファンの素朴なひと言から、お互いを意識し合うようになったという二人は、初対面にして一体どんな話を繰り広げるのだろうか。外見だけでなく、人間性や世の中の見方にも近しいところがあるのだろうか。山中たっての希望で実現した今回の対談。その一部始終をとくとご覧あれ。
バカリズムのネタは、「オルタナ」だなって思う。誰もやってないことの連発が、もうすごすぎる(笑)。(山中)
―今日は、the pillows山中さんからの熱烈なラブコールのもと、バカリズムさんにお声掛けさせていただいた次第です。
バカリズム:それはホント恐縮というか……すごく光栄です(笑)。
山中:基本的に俺、「誰かと対談したい」って思うことがあんまりないんだけど、升野さん(バカリズム)だけはどうしてもお会いしたくて。というのは……升野さんはいまいちピンとこないと思うんですけど、the pillowsの界隈では、僕と升野さんの顔がすごく似てるという話になっていて……。
バカリズム:あ、それ、僕も言われたことあります(笑)。
山中:やっぱりありますか(笑)。で、ツーショットでも撮れたら、俺としては相当嬉しいなと(笑)。
バカリズム:ただ、僕のほうとしては、山中さんに似ていると言われても、絵のタッチが全然違うというか、僕は山中さんのようにワイルドでかっこいい感じではないので、申し訳ないところがあって。『コロコロコミック』と青年漫画ぐらいタッチが違うじゃないですか? 「似てる」って言われて、the pillowsのファンの方々は怒ってないですか?
山中:うん、大丈夫。もう、定番って感じだから。結構前に、似てるからって、ファンの方からバカリズムのライブDVDが送られてきたことがあって。
バカリズム:はははは(笑)。
山中:まあ、もともと僕がお笑い好きで、ツアー中はよくホテルでお笑いのDVDを見てるってことを言ってたから、それもあって送ってくれたんだと思うんだけど。で、そのDVDを見て好きになってしまって……『バカリズム案』の最初のやつを自分で買ったんです。
バカリズム:ありがとうございます。2010年に出したやつですね。
山中:それを見たら、もう内容がオルタナティブすぎて、一気にファンになってしまって。音楽ジャンルで「オルタナ」をやりたいってよく言ってきたんですけど、「オルタナ」というのは、いわゆる「ロックンロール」とは対極にあるもので。ロックンロールは、ずっと同じことをやっていても飽きない魅力、ある種様式美みたいなよさがあるんだけど、「オルタナ」というのはそれとは逆で、誰もやってないことをやっていくよさがあるんですね。そういう意味で、バカリズムのネタは、「オルタナ」だなって思った。誰もやってないことの連発が、もうすごすぎる(笑)。それで、「この人は、いったいどういう青春時代を過ごしていたのかな?」って思うようになったんです。
バカリズム:まあ、売れるまでに10年ぐらいどうにもならない時期があったので、それなりに暗かったとは思いますけど……山中さんも、心に僕のような闇を抱えてらっしゃるんですか?
山中:うん、結構(笑)。バカリズムのネタの面白さって、世の中で定番とされているものの逆を突くところだと思うのね。
バカリズム:そうですね。
山中:ということは、例えば青春時代に好きな女の子としゃべっていて、その子が自分がちょっとバカにしているものを「あれ、いいよね」って言ったときに、普通に「うん、そうだね」って言っておけばいいのに、ついつい言い返してしまって、あとで後悔するみたいな。俺はそういうのがけっこうあったんです(笑)。「いや、それはどうかな?」とか「そっちから見たらそうだけど、こっちから見たらそうじゃないよね?」みたいなこと言って、好かれないっていう(笑)。バカリズムのネタを見ていると、升野さんもそういうところがあるのかなって。
バカリズム:確かにそれはあるかもしれないですね。「現実はそんなんじゃないんだよ」という感覚が、昔からずっとあるというか。「それってリアルに考えるとこうだよね?」みたいなことを、何に対しても思ってしまうんです。そういう目線は、割と普段から持っているかもしれないですね。
リリース情報

- the pillows
『STROLL AND ROLL』初回生産限定盤(CD+DVD) -
2016年4月6日(水)発売
価格:3,780円(税込)
QECD-90001[CD]
1. デブリ
2. カッコーの巣の下で
3. I RIOT
4. ロックンロールと太陽
5. Subtropical Fantasy
6. エリオットの悲劇
7. ブラゴダルノスト
8. レディオテレグラフィー
9. Stroll and roll
10. Locomotion, more! more!
[DVD]
1. カッコーの巣の下で
2. デブリ
3. Locomotion, more! more!
※初回限定特典としてオリジナルステッカー、『STROLL AND ROLL TOUR』チケット応募抽選先行予約パスワード封入
- the pillows
『STROLL AND ROLL』通常盤(CD) -
2016年4月6日(水)発売
価格:3,240円(税込)
QECD-100011. デブリ
2. カッコーの巣の下で
3. I RIOT
4. ロックンロールと太陽
5. Subtropical Fantasy
6. エリオットの悲劇
7. ブラゴダルノスト
8. レディオテレグラフィー
9. Stroll and roll
10. Locomotion, more! more!
※初回限定特典としてオリジナルステッカー、『STROLL AND ROLL TOUR』チケット応募抽選先行予約パスワード封入
イベント情報
- the pillows
『STROLL AND ROLL TOUR』 -
2016年5月6日(金)
会場:茨城県 水戸 LIGHT HOUSE2016年5月8日(日)
会場:長野県 CLUB JUNK BOX2016年5月13日(金)
会場:栃木県 宇都宮 HEAVEN'S ROCK VJ-22016年5月15日(日)
会場:東京都 赤坂 BLITZ2016年5月19日(木)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO2016年5月21日(土)
会場:岡山県 YEBISU YA PRO2016年5月23日(月)
会場:徳島県 club GRINDHOUSE2016年5月25日(水)
会場:大阪府 心斎橋 BIGCAT2016年5月27日(金)
会場:石川県 金沢 EIGHT HALL2016年5月29日(日)
会場:新潟県 LOTS2016年6月4日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST2016年6月11日(土)
会場:宮城県 仙台 Rensa2016年6月13日(月)
会場:岩手県 盛岡 CLUB CHANGE WAVE2016年6月15日(水)
会場:青森県 Quarter2016年6月17日(金)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE 242016年6月18日(土)
会場:北海道 札幌 PENNY LANE 242016年6月25日(土)
会場:群馬県 高崎 club FLEEZ2016年6月28日(火)
会場:静岡県 浜松 窓枠2016年6月30日(木)
会場:島根県 松江 canova2016年7月2日(土)
会場:大阪府 なんばHatch2016年7月4日(月)
会場:愛媛県 松山 SALONKITTY2016年7月6日(水)
会場:鹿児島県 SR HALL2016年7月8日(金)
会場:沖縄県 那覇 桜坂セントラル2016年7月10日(日)
会場:福岡県 DRUM LOGOS2016年7月16日(土)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO2016年7月18日(月・祝)
会場:愛知県 名古屋DIAMOND HALL2016年7月22日(金)
会場:東京都 お台場 Zepp Tokyo
番組情報
- 『素敵な選TAXI スペシャル ~湯けむり連続選択肢~』
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2016年4月5日(火)21:00から関西テレビ・フジテレビ系で放送
脚本:バカリズム
演出:筧昌也
出演:
竹野内豊
玉山鉄二
瀧本美織
清水富美加
山崎樹範
丸山智己
宇梶剛士
松重豊
バカリズム
南沢奈央
清野菜名
升毅ストーリー:
過去に戻れる不思議な乗り物・選TAXIの運転手の枝分(竹野内豊)は、好きなアニメの聖地を見に行こうと、ひとり温泉地にやってきた。しかし、途中で様々なトラブルを抱えた乗客たちと出会う。選手生命崖っぷちのプロ野球投手や、婚前旅行で婚約解消を言い渡されてしまった男、修学旅行で生徒が失踪してしまった担任教師、ひとり旅の謎の男など…。枝分の運転する選TAXIに乗って、過去に戻ってやり直そうとする乗客たち。果たしてトラブルをうまく解決できるのか?そして、やがてバラバラだったはずの乗客たちの物語は、一つの大事件へとつながっていき…!?
プロフィール

- the pillows(ざ ぴろうず)
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山中さわお(Vo,Gt)、真鍋吉明(Gt)、佐藤シンイチロウ(Dr)による3ピースバンド。1989年9月結成。1991年、シングル『雨にうたえば』(ポニーキャニオン)でデビュー。1992年、上田ケンジ(Ba)が脱退。1994年、キングレコードに移籍。2005年、海外での活動を本格的に始動。2006年、avex entertainment / tearbridge productionに移籍。2009年、結成20周年記念日の9月16日に、初の武道館ライブを行う。2012年、ツアー終了後、バンドのメンテナンス&リハビリのため活動休止。2013年8月より活動再開。2016年4月6日に、20枚目のオリジナルアルバム『STROLL AND ROLL』をリリース。

- バカリズム
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本名は、升野英知。1995年『バカリズム』を結成。2005年12月よりピン芸人として活動。現在、TVレギュラー番組を中心に活動するかたわら、定期的に単独ライブを行っており、発売と同時に即完売となる人気を誇る。他にもナレーションや役者、脚本、イラスト、書籍など多方面で活動中。