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MONO、envy、downyはなぜフェスを興すのか? その理由を語る

MONO、envy、downyはなぜフェスを興すのか? その理由を語る

『SYNCHRONICITY'16 - After Hours -』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:柏井万作

こんなアンダーグラウンドな人たちをきちんと統制して、ポリシーも共有して、それを大きな会場で見せるって、なかなかできることじゃない。(Goto)

―麻生さんはフェスの構想を聞いて、どんなことを思いましたか?

麻生(SYNCHRONICITY):MONOとenvyとdownyは僕も大好きなバンドだし、日本のバンドでも彼らの影響を受けてる人たちがたくさんいるから、この面子でやったらヤバいんじゃないかっていう可能性をすごく感じました。あと、こういうシーンを意識したアーティスト発信のフェスって今なかなかないじゃないですか。それを一緒にやらせてもらうのも、すごく面白そうだと思ったから、ぜひやりましょうって話をして。

麻生潤

青木:そこからはすごい早かったですよね。麻生くんはイベントオーガナイザーだけど、僕から言わせれば彼もイベントを作るアーティストで、だから感覚も近くて。

Kawai:意見を聞くのも上手なんだけど、自分の意見もちゃんと言ってくる。何か一緒に作ろうとしたら、お互いの意見をすり合わせることって当然必要となってくるんだけど、それがすごくやりやすかったよね。

―麻生さんは以前から「世界に誇れる日本のバンドを紹介したい」と話していたので、『After Hours』は共感できる部分も多かったでしょうしね。

麻生:まさにそうですね。だからみんなが熱いうちに形にしたほうがいいと思って、すでに4月開催で準備していた『SYNCHRONICITY』でキックオフを兼ねて一緒にやりませんか? って提案をしました。ホントは今年の秋に『After Hours』単体でやるって話だったんですけど、みんなのスケジュールが合わなくて難しそうだったのもあって。まあ、絶対大変なことはいろいろあるだろうなって思いましたけどね(笑)。

Goto:大変だったろうね(笑)。こんなにもインディーでアンダーグラウンドな強者たちをきちんと統制して、ポリシーも共有して、それを大きな会場で見せるって、なかなかできることじゃないと思う。こういう人がやっと出てきたんだなって、すごく嬉しかったよね。

キャリアを積んだ今だからこそできることがあるってことだよね。(Goto)

―長く活動してきて、このタイミングでフェスをやろうと思ったということは、バンドの活動に何か変化の必要性を感じたからだとも言えるのでしょうか?

Kawai:俺に関して言うと、ここにはenvyの人間として参加してるんじゃなくて、ただの音楽好き、ギター好きなおっさんとして参加してるつもりなんです。変化の必要性をなぜ感じたかというと、いいものなのに伝わらない、広がらないっていうのが一番嫌だと思うようになったから。

―以前は広がらなくてもいいと思っていた?

Kawai:僕らみたいなアングラなバンドでも、アメリカだとそういうバンドを応援するファンジンとか色々な媒体があって、シーンが成り立つんですよ。それで僕らは若気の至りもあって、日本でも企業のやってるメディアとかとは極力絡まずに、アメリカみたいな形でやっていきたいと思ってたんですけど、結局日本では難しかった。だから今は、雑誌との絡みとかも、すごい大事だと思うようになりましたね。

―そこは考え方が大きく変わった部分だと言えそうですね。外に広げる重要性を感じるようになったのはなぜですか?

Kawai:うちのメンバーが地方に行ったとき、飲み屋で音楽好きの親父さんと話したそうなんですよ。で、バンドをやってるって言ったら、「テレビ出てんのか?」「出てないです」「雑誌は?」「出てないです」って会話になって、そうしたら「田舎もん舐めてんのか」と。「お前らみたいなのは東京だからできるんであって、こっちに住んでる聴きたいやつはどうすればいいんだ? いきがってんじゃねえよ馬鹿野郎」って言われたらしくて。もちろんいきがってたつもりはないけど、「聴きたい」と思う人に対して、責任を持って届けたいって気持ちは強くなった。だからといって、必要以上にコマーシャルになるつもりはなくて、いい関係性の中でお互い発展できるんだったら、誰かと組んだりとか、メディアを使ったり、いろんなやり方があっていいんじゃないかって、今はホントに思ってます。

―なるほど。

Kawai:最近後悔したくなくてね。あと何年できるかもわからないし、もしかしたら死んじゃうかもしれない。僕らはライブがすべてだから、ライブを見てもらわないと始まらないし、見てもらって、ダメならそれでいい。だけどバンドが終わった後に、YouTubeを見て「こいつらこんなよかったんだ」って言われるのだけは嫌なんです。だからこそ、そのための場所を作りたいって気持ちは大きい。

青木:よくわかります。ライブを見てもらえればかっこいいって言わせる自信はもちろんあるし、あと、お客さんからもらえるパワーがすごく大きいんですよね。だから、『After Hours』に行けば超かっこいいライブが見れて、好きなバンドが増える。そういう場所を作れるなら、何肌でも脱ぐよって感じ。自分たちもそういう場所がなくてもがいてたときがあったから、それを提供したいし、『After Hours』に出ることを目標にしてくれるようなバンドが出て来てくれたらなって。

青木ロビン

Goto:キャリアを積んだ今だからこそできることがあるってことだよね。初めて会ったときのロビンなんて、ホント吠えまくってたんだけどね(笑)。envyも、日本で一緒にやったのは横浜の小さなライブハウスが最初で、envyはそのちょっと前に『フジロック』のホワイトステージに出てたんだけど、なぜか『フジロック』じゃなくて、その小さなライブハウスで大切なギターをバキバキに折ってんの(笑)。MONOとやることにすごい闘志を燃やしてくれてて、それなのに演奏が上手くいかなくて、切れてるわけさ。でもそのときさ、この人たちは本気なんだなって思った。あの強さって、売れる売れない関係ないと思う。そういうことをやってきた奴らが今、やれることをやりたいよね。

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イベント情報

『SYNCHRONICITY'16 - After Hours -』

2016年4月24日(日)OPEN / START 15:00
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST、duo MUSIC EXCHANGE、TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-nest
ライブ:
envy
MONO
downy
THE NOVEMBERS
BRAHMAN
クラムボン
渋さ知らズオーケストラ
world's end girlfriend
MOROHA
D.A.N.
fox capture plan
jizue
toconoma
JABBERLOOP
Yogee New Waves
never young beach
在日ファンク
group_inou
the band apart
CICADA
DALLJUB STEP CLUB
DOTAMA
PAELLAS
JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB
パブリック娘。
SHERBETS
rega
思い出野郎Aチーム
CAR10
DJ:
New Action!
Ko Umehara(-kikyu-)
VJ:矢吹和彦(-kikyu-)
ライブペインティング:Gravityfree
料金:前売5,500円

プロフィール

MONO(もの)

海外でのリリースやツアーを精力的にこなし、圧倒的な支持を受けている4人組インストゥルメンタル・ロック・バンド、MONO。オーケストラとシューゲーズギターノイズを合わせた独自のスタイルが国内外で非常に高い評価を受け、ロックミュージックの域では収まらない音楽性を発揮し、イギリスの音楽誌NMEでは”This Is Music For The Gods”——神の音楽と賞賛される。年間150本におよぶワールドツアーは50カ国以上に渡り、10万人を動員。日本人バンドとして、世界で最も多くのオーディエンスを動員したバンドのひとつとなっている。これまで9枚のアルバムをリリースしており、国内外で高い評価を獲得している。最新作は2014年にアルバム2枚同時リリースした”The Last Dawn”、”Rays Of Darkness”。

envy(えんゔぃー)

日本が誇るポストハードコアバンド。世界中のファンが待ち望んでいた最新作『Atheist's cornea/エイシスツ コルニア』を2015年5月にリリース。収録楽曲にはMr.Children、Superfly等で活躍しているキーボーディストのSUNNY氏がキーボードアレンジとして参加しており、1曲1曲の作り込みが前作を上回る完成度の高い作品に仕上がっている。 今作もアメリカはTemporary residence Ltd.ヨーロッパはRock Actionからリリース。2015年にはヨーロッパ最大のメタルフェス”HELLFEST”への出演。全米ツアー・アジアツアー・ヨーロッパツアーを行った。

downy(だうにー)

2000年4月結成。メンバーに映像担当が在籍するという、特異な形態をとる5人編成のロック・バンド。音楽と映像をセッションにより同期、融合させたライブスタイルの先駆け的存在とされ、独創的、革新的な音響空間を創り上げ、視聴覚に訴えかけるライブを演出。ミュージックビデオの制作、プロデュースもメンバーが手掛け、世界最大級のデジタル・ フィルム・フェスティバルRESFESTに於いても高い評価を得る。4枚のオリジナルアルバムをリリースの後、2004年12月末日を以て活動休止。2013年、9年ぶりに活動再開。2013年 第5作品集「無題」、2014年に第5作品集「無題」remix アルバム、過去4作品の再発をリリース。

麻生潤(あそう じゅん)

都市型フェスティバル『SYNCHRONICITY』、クリエイターチーム-kikyu-を主宰。音楽、アート系イベントの企画制作を中心に、各種パーティー制作、ウエディングパーティーのコーディネートを手がける。フェス系ラジオ番組のパーソナリティとして文化放送デジタル&インターネットラジオに出演('07~'09)。音楽はマイライフ!ネアカと呼ばれる程のポジティヴィスト。株式会社アーストーン代表。

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