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深く雑多な音楽愛好家Kidori Kidori推薦、悩みながら躍る10曲

深く雑多な音楽愛好家Kidori Kidori推薦、悩みながら躍る10曲

Kidori Kidori『フィールソーグッド e.p.』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:山元翔一

「音楽は何だって最高じゃん」って思うからこそ、自分が何を「いい」とするかっていう判断基準を持っておくべきだなと思う。

―新編成での一発目だから勢いのある曲を選んだっていうほかに、日本のオーディエンスを意識してあえて速い曲を作ったという部分もあったのでしょうか?

マッシュ:いや、必ずしも盛り上がることが一番大事だとは思っていないので、もとからそこは重視してなくて。この曲の速さとビートは、電車を意識したんです(笑)。止まらずに走っている感じを電車のガタンガタン的なビート感で出したいと思って。

マッシュ

―スピードというより、ビート感が重要だった?

マッシュ:そうですね。個人的にはD'Angeloみたいなブラックな音も好きですけど、最近はロックバンドとしての自覚みたいなものが出てきたので、俺らは「ロックらしい」ことをしたい。だから、リフをひたすら反復したり、ベースも全部ダウンピッキングで弾いたりっていう、ちょっとIQ低そうな勢いを重視した曲になっていて。

―全然「フィールソーグッド」じゃない感じがしてきたけど(笑)。

マッシュ:いやいやいや。ちょっとしんどいことをやっている先に生まれる「楽しい」っていう感覚が、「フィールソーグッド」なんですよ(笑)。

―それは汐碇くんのガッツもロック的な側面に寄与してるのかも(笑)。「東京」との関係性を音楽にしていくなかで、今作にはくるりの“東京”と、細野晴臣さんの“東京ラッシュ”のカバーが入っています。“東京ラッシュ”が入っている『はらいそ』(1978年)の、ごった煮サウンドを細野さん自身が「チャンキーミュージック」と呼んでいますけど、その感じはくるりも持っているし、Kidori Kidoriも持っていますよね。

マッシュ:くるりの岸田(繁)さんも細野さんも音楽が大好きな方ですし、自分もおすすめした音楽を「いい」と思ってもらえるミュージシャンでありたいと思いますね。10代の頃は、「あのバンドだせえ」って思うこともあったけど、だんだんと「まあ、音楽は何だって最高じゃん」って考えになってきて。でも、だからこそちゃんと、自分が何を「いい」とするのかの判断基準は持っておくべきだと思ったんです。

―その判断基準というのは?

マッシュ:自分にとっては、「自分にできないことをやっている」というのと、「マナーに則っている」「目標に向かって全員が仕事をしている」っていう感覚が基準ですね。今回のプレイリストにもそれは反映されていると思います。

マッシュ

小山田圭吾さんもサンプリングみたいなことをよくしていて、音楽が大好きなミュージシャンなんだなってわかる。

―では、選んでもらった「フィールソーグッドな10曲」について話してもらおうと思います。最初はどれからいきましょうか?

Kidori Kidoriと選ぶ、不安を肯定するフィールソーグッドな音楽
・THE BEACH BOYS“Sloop John B”
・BEACH HOUSE“Space Song”
・マック・デマルコ“Blue Boy”
・CORNELIUS“STAR FRUIT SURF RIDER”
・THE WILD TCHOUPITOULAS“Hey Pocky a-Way”
・Dr.John“Right Place Wrong Time”
・アラン・トゥーサン“Southern Night”
・THE ROLLING STONES“Miss You”
・ハービー・ハンコック“Riot”
・OGRE YOU ASSHOLE“夜の船”
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マッシュ:じゃあ、THE BEACH BOYSの『Pet Sounds』(1966年)で。俺、もともと生まれがイギリスなので、イギリスのバンドの方が好きだったんですけど、何年か前にアメリカブームが個人的にきて、一番衝撃だったのがTHE BEACH BOYSでした。“Sloop John B”はツアーのときによく車のなかでかけるんですよ。<I wanna go home>って歌詞があるので、「ツアー辛い、早く帰りたい」ってよくみんなで歌っています(笑)。なんかこのピュアな感じにも泣けてくるんですね。フィールソーグッドを感じるポイントはやっぱり、メロディーとコーラスワークですね。

―ツアー中はそんな気分になるときもありますよね(笑)。じゃあ、次はビーチつながりでBEACH HOUSEにいきましょうか。

マッシュ:BEACH HOUSEの“Space Song”は、何気なくCD屋さんに入ったときにが流れていたのが気になって、買って聴いたらめっちゃよくて。この『Depression Cherry』(2015年)っていうアルバムは、特に音像が好きですね。最近はギターが主役のバンドが減ったと思うんですよ。いまはシンセがかっこよくて、ドラムはうっすらリバーブがかかっている1980年代っぽいサウンドが主流じゃないですか? でも、この人たちは違うアプローチで、それぞれの曲がちゃんと立っていて、すごく好きです。

BEACH HOUSE『Depression Cherry』
BEACH HOUSE『Depression Cherry』

―では、最近の海外インディーもの続きで、マック・デマルコはどうですか?

マッシュ:“Blue Boy”が入っている『Salad Days』(2014年)ってアルバムは、派手さはないけど、いつ聴いてもいいものだなって思うんですよね。『![雨だれ]』もそういう、時間と場所を選ばないものにしたいと思っていたので、ドンピシャでハマりました。今回のプレイリストには、ファンキーなものもドリーミーなものもありますけど、そういう時間と場所を選ばず、どんな気分のときにも聴けて、気持ちを前向きに転換できる選曲になっていると思いますね。

―ギターの音は“フィールソーグッド”と近いところがありますよね。ここまでドリーミーな曲が続いたので、同じ路線でCORNELIUSの“STAR FRUIT SURF RIDER”をいきましょうか。

マッシュ:フリッパーズ・ギターはもともと好きだったんですけど、CORNELIUSはそんなに聴いてなくて。でも、この『FANTASMA』(1997年)を改めて聴いてみたら、めちゃめちゃかっこいいことやっていたんだなって思って。徹底したスタイリッシュさがあるというか。小山田圭吾さんもオマージュというか、サンプリングみたいなことをよくしていて、音楽が大好きなミュージシャンなんだなってわかるのもいいですね。今年の頭にMETAFIVE(高橋幸宏、小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井によるバンド)のアルバムが出ましたけど、それによって俺のなかの小山田さんブームに拍車がかかりましたね。

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リリース情報

Kidori Kidori『フィールソーグッド e.p.』
Kidori Kidori
『フィールソーグッド e.p.』(CD)

2016年6月8日(水)発売
価格:1,296円(税込)
HIP LAND MUSIC / Polka Dot records / RDCA-1043

1. フィールソーグッド
2. ハッピーアワー
3. 東京
4. 東京ラッシュ

イベント情報

『Kidori Kidori presents まともなイベント vol.9 ~「フィールソーグッドe.p.」レコ発編~』
2016年6月24日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:東京都 新代田 FEVER
出演:
Kidori Kidori
and more

2016年7月1日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:大阪府 心斎橋 Pangea
出演:
Kidori Kidori
OGRE YOU ASSHOLE

料金:各公演 前売2,800円 当日3,300円(共にドリンク別)

プレイリスト

『Kidori Kidoriと選ぶ、不安を肯定するフィールソーグッドな音楽』

・THE BEACH BOYS“Sloop John B”
・BEACH HOUSE“Space Song”
・マック・デマルコ“Blue Boy”
・CORNELIUS“STAR FRUIT SURF RIDER”
・THE WILD TCHOUPITOULAS“Hey Pocky a-Way”
・Dr.John“Right Place Wrong Time”
・アラン・トゥーサン“Southern Night”
・THE ROLLING STONES“Miss You”
・ハービー・ハンコック“Riot”
・OGRE YOU ASSHOLE“夜の船”

プロフィール

Kidori Kidori
Kidori Kidori(きどり きどり)

2008年、地元・大阪は堺の幼なじみであった、マッシュ(Vo,Gt)、川元直樹(Dr,Cho)、ンヌゥ(Ba)の三人によって、「キドリキドリ」結成。2013年7月、バンド名の表記を「キドリキドリ」から「Kidori Kidori」へ変更する。2014年1月に、活動の拠点を大阪から東京に移すことを発表。3月上旬、オリジナルメンバーであったンヌゥが失踪の末、精神疾患を患っていることが発覚し、療養のため脱退する。2015年2月に、エッジのある英語詞ロックという今までのバンドイメージを覆す、日本語新曲と洋楽カバーで構成されたEP『El Urbano』をリリース。そして、2015年6月3日に『![雨だれ]』を発売。同年8月にベーシストの汐碇真也が正式メンバーとして加入。2016年6月、新体制初リリースとなるEP『フィールソーグッド e.p.』をリリースする。

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