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never young beachが語る「ただハッピーと思われるのは違う」

never young beachが語る「ただハッピーと思われるのは違う」

never young beach『fam fam』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:矢島由佳子

黒い音楽が「流行ってるのはだせえ」って言うやつは馬鹿だと思うんですけど、やってる側としては、そういう音楽ばっかりになるのもなあって。

―そんな中での変化を挙げるとすれば、やっぱりツアーで曲が鍛えられていて、リズムにはその感じがすごく出てるなって思いました。

安部:バンド感はすごく上がったと思います。ファーストを録ったときは、みんなと出会ってまだ3~4か月だったから、バンド感も友達という感覚も薄かったけど、1年間ツアーをやって、「いいやつだな、友達だな」って強く思うようになりましたね。

―1曲目の“Pink Jungle House”のファットなベースやダンサブルなリズムはまさにツアーで血肉になったものだと思うんですけど、さっき話してくれたALABAMA SHAKESの「イメージ」の例と同じで、全部の曲がそういう曲調なわけでは決してなく、特にこの曲がバンド感を印象付けているなって。

安部:やっぱり、曲によって違っていいと思う。でもその分曲順はすごく考えて、どういう順番で聴いたら、聴く人が勝手に耳で補ってくれるかとか、そういったバランスはすごく考えました。

―リズムパターンでいうと、タイトルトラックの“fam fam”みたいなロックンロールな曲もこれまでになくて、新鮮でした。僕、この曲すごい好き。

安部:最近の僕らの周りって黒い系のうねるベースを弾く人が多くて、「最近THE STROKESみたいなロックンロールをやってるバンドいないね」って話になったんですよ。ああいう黒い音楽が日本に定着するのはいいことだと思うから、「流行ってるのはだせえ」って言うやつは馬鹿だと思うんですけど、やってる側としては、そういう音楽ばっかりになるのもなあって。それで、「THE STROKESみたいなの作りたいね。みんな絶対好きじゃん、男の子だし」って話して作ったんです。

死んじゃった人は天国とかにいるし、僕は毎日手を合わせて話すだけで、この世にいる気になるんですよね。

―歌詞の面で言うと、前作に引き続いて日常のささやかな幸せを歌っている曲がありつつも、今回は別れを歌った曲が目立ちますね。

安部:この1年間はすごくいろんなことがあって……親族が亡くなったこととか、昔死んじゃった友達のことを思い出したりしながら歌詞を書いたんですけど、僕としては悲観はしてないんです。死んじゃうのはすごく悲しいけど、自分の人生があるし、そこに引っ張られてしょうもなくなるのが一番どうしようもないと思うんですよ。死んじゃった人は死んじゃった人で天国とかにいるし、僕は毎日手を合わせて、「今日こんなことあったわ」って話すだけで、この世にいる気になるんですよね。だから、今は別れるけど、また会えるし、大丈夫だよって。

―実際、“夢で逢えたら”で、<言わないよ 淋しいなんて / 僕なら 元気でいるよ / 手を振る また逢えるから>って歌ってますもんね。

安部:それに、生きていても、人は状況によって変わるから、昔は遊んでたけど今は一緒にいれなくなるやつが出てくるんですよね。それをこの1年ですごく感じました。天狗になってるわけじゃないですけど、昔よく対バンしてたやつらとかとたまに会って話すと、頭が固いというか、変に意地張ってるなって思うんです。でも、それってしかたがないことで、誰が悪い、どっちがいいとかじゃなくて、今はそいつとは一緒にいれないけど、またいずれ仲よくなるタイミングが来るかもなって。そういうことをよく思ったので、それは歌詞に出てると思います。

安部勇磨

―バンド感だけでなく、安部くん自身の心情面も、『YASHINOKI HOUSE』からの変化は大きいですね。

安部:『YASHINOKI HOUSE』のときはホントに何も考えてなくて、「楽しい」とか「幸せだな」って気持ちだけで歌詞を書いていたんですよね。でも、この1年でCDを手に取ってくれる人が増えて、全国各地のライブに呼んでもらえるようになったおかげで、いろんな人と出会えて、誰しもがどう責任を持って、自分のことを成し遂げようとしてるのかを見れたのは、すごく大きかったです。

―それも歌詞の幅の広がりに繋がっていると。

安部:僕も100%でライブがしたいし、自分の作ったものを馬鹿にされたくないから、曲作りも妥協はしたくない。「ほんわか系バンド」みたいに言われるのは別にいいんだけど、「楽しい」をやるために、「いかに毎日を本気で過ごしているか」をわかってるのか? とは思いますね。曲を聴いて気分が上がってくれればそれでいいんですけど、僕らの雰囲気を表層だけ掴まえて、「ハッピーだね」って言われても、それは違うぞって思います。

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リリース情報

never young beach『fam fam』
never young beach
『fam fam』(CD)

2016年6月8日(水)発売
価格:2,484円(税込)
Roman Label / BAYON PRODUCTION / ROMAN-005

1. Pink Jungle House
2. Motel
3. 自転車にのって
4. fam fam
5. なんもない日
6. 雨が降れば
7. 夢で逢えたら
8. 明るい未来
9. お別れの歌

イベント情報

『never young beach「fam fam」TOUR』

2016年6月25日(土)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:北海道 札幌 KRAPS HALL
出演:
never young beach
D.A.N.
The fin.
ハルカトミユキ

2016年7月3日(日)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:宮城県 仙台 enn 2nd
出演:
never young beach
D.A.N.
Suchmos

2016年7月9日(土)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 渋谷 WWW
出演:never young beach

2016年7月15日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:大阪府 梅田 AKASO
出演:
never young beach
キセル

2016年7月16日(土)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋 TOKUZO
出演:
never young beach
Yogee New Waves

プロフィール

never young beach
never young beach(ねばー やんぐ びーち)

2014年春に、安部勇磨(Vo,Gt)と松島皓(Gt)の宅録ユニットとして活動開始。暑さで伸びきったカセットテープから再生されたような奇特なインディ・サイケ・ポップ『HOUSE MUSICS』をダンボール仕様のジャケットで100枚限定で発売。2014年9月に阿南智史(Gt)、巽啓伍(Ba)、鈴木健人(Dr)が加入し、現体制の5人組になる。2015年5月に1stアルバム『YASHINOKI HOUSE』をリリースしロングセラーとなり、2015年上半期の『CDショップ大賞』ノミネート作品に選ばれる。7月には『FUJI ROCK FESTIVAL ‘15』に出演。土着的な日本の歌のDNAを残しながら、どこか海外の海と山が見えるような匂いを感じさせる。そしたら誰かが言った…「西海岸のはっぴいえんど」と。2016年6月8日、2ndアルバム『fam fam』をリリースする。

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