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学生ノリからライフワークへ。ラップで人生を刻むパブリック娘。

学生ノリからライフワークへ。ラップで人生を刻むパブリック娘。

パブリック娘。『初恋とはなんぞや』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影・編集:山元翔一

学生のときは、「結婚式の二次会の余興でやって解散ね」「大人になってもラップなんてみっともないよ」って言ってたけど、今はこれからも続けたいと思ってます。(清水)

―現在はそれぞれが仕事を持ちながら活動を続けているわけですが、大学を卒業してからのパブリック娘。との距離感っていうのは、それぞれどう感じているのでしょうか?

清水:卒業するくらいの時期になると、周りにビートを作ってる人が増えてきたんです。それで「あの人からトラックをもらいたい」「こういう曲やりたい」って思うようになって、昔より活動意欲が高まっていた中で、僕が仕事で静岡に行かなきゃいけなくなったんです。 ただ、それでもライブには頻繁に誘ってもらってて、2013年に入ってからは交通費を出して呼んでくれるイベントがすごい勢いで続いて、毎週のように静岡から東京に帰って来ていたんですよ。「これってすごいことだよな」って思って、結果的には仕事を辞めて、2014年に東京に戻ってきたんです。今は活動の環境をよりよくしたいし、作品もちゃんと作って、よりプロップス(リスペクトとほぼ同義のヒップホップのスラング)を得たいと思ってます。

―文園くんはどうですか?

文園:僕は今仕事がめっちゃ忙しくて、正直つらいんですよ。でも、パブリック娘。をやってると褒めてくれる人がいるから「頑張ろう」って気持ちになるんです。だから、今は逆にパブリック娘。をやってないと精神的につらいですね(笑)。嫌なことがあっても、それを曲にしようかなって思えたり、こういう活動をしてることを面白がって、仕事を振ってくれる人もいるんで、これからも続けていきたいんですけど。とはいえ仕事との両立って大変で……どうすればいいんですかね?(笑)

―今の話を聞いてても思うんですけど、今回のアルバムって、学生時代に作った曲から最近作った曲までが入ってて、ドキュメンタリーみたいだなって思うんですよね。“おつかれサマー”で<社会の荒波なんてつゆ知らず 来年とことん思い知るはず学生時代最後の夏>ってラップしてた人達が、そこから4年後に作った“おちんぎんちょうだい”で仕事のことをラップしてるっていうのは、なかなかにリアルだなって。まあ、もちろんこの曲は下ネタでもあって、その辺は学生ノリを引きずりつつなわけだけど(笑)。

斎藤:文園から「“おちんぎんちょうだい”って曲名はどう?」って話がきたときは、「素晴らしい!」って思いましたね。下ネタはどっちかっていうと好きだし、女の子が歌ったら嬉しいし、でもちゃんと意味もあって、自分の人生にとってリアリティーのある話なので。

清水:最高にトンチが効いてるよね。

―この先の活動については、今はどう考えてるんですか?

文園:目標は……まあ、続けることじゃないですか? 夫婦生活とか始まって、辛いことがあったときに集まって話せたらいいですよね(笑)。曲はこれからも作っていきたいので、それがまたいつかアルバムとして形になると思うんですけど、「作らなきゃ」っていうよりは、これからも日々……だって、生活するのも大変じゃないですか?

清水:逆に言うと、生活がないとラップが書けないんで、生活をきちんと送りながら、その都度思うことを書いていきたいです。“おちんぎんちょうだい”はまさにそうですしね。この前友達のTOKYO HEALTH CLUBっていうヒップホップクルーのメンバーの結婚パーティーに行ったんですけど、そこでライブやってて、泣きそうになっちゃって(笑)。 学生のときは、「誰かが結婚したら、その二次会の余興でやって解散ね」ってふざけて言ってたんですよ。「大人になってもラップなんてみっともないよ」って。でも、今はこれからも続けたいなって思います。

左から:文園太郎、斎藤辰也、清水大輔

―斎藤くんはどうですか?

斎藤:この前仕事で会った人が、「始発から終電まで働いてる。40歳くらいまでそうして、身体がぶっ壊れてもいいんだ」って言ってて、俺はそんな生き方は絶対嫌だなって思ったんです。自分は昔から暇さえあれば音楽にふれたい人間なので、寝て起きて仕事しての繰り返しなんて絶対無理。

今、パブリック娘。を続けるモチベーションとしては、今回ちゃんとレコーディングをして、自分達の曲も自分の声もいいなって思えたのがでかいです。「ラップは手軽だけど気軽じゃない」ってずっと思ってたんですけど、今回アルバムを作って、「やっていいんだ」って、許された感じがしたので、この先も続けられるなって思いましたね。

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リリース情報

パブリック娘。『初恋とはなんぞや』
パブリック娘。
『初恋とはなんぞや』(CD)

2016年7月6日(水)発売
価格:2,376円(税込)
PCD-22395

1. 初恋とはなんぞや
2. 25mプール
3. Summer City
4. おつかれサマ―
5. このままこの電車に乗って
6. DATE
7. 2nd Hotel
8. おちんぎんちょうだい
9. そんなことより早く、このパーティを抜け出さない? feat. 森心言
10. 寄せては返す俺のアティチュード
11. 俺の誕生日
12. そんなことより早く、このパーティから連れだして。 feat. あまえん

プロフィール

パブリック娘。
パブリック娘。(ぱぶりっくむすめ。)

ゆとり世代の最終兵器にして、「PUBLIC ENEMYとモーニング娘。の橋渡し」を掲げる男子3人組ラップユニット。tofubeats、夢眠ねむ(でんぱ組.inc)、田中宗一郎らが現場で早くからとりあげ、音楽ファンのあいだでじわじわと名を広める。2013年、「DUM-DUM」レーベルからトリプルファイヤーとの同時配信リリース、ネットレーベル「Maltine Records」や「Ano(t)raks」のコンピへ参加。2014年にはYkiki BeatなどとファッションZINE『Weary』への曲提供、2015年には旬のインディーズバンドが集ったコンピレーション『New Action! ~CompilationVol.2~』に参加し初の全国流通を果たす。2016年、ヒップホップの名門「P-VINE」から待望の1stアルバムをリリースする。

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