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VELTPUNCH長沼×cinema staff三島 オルタナロック師弟対談

VELTPUNCH長沼×cinema staff三島 オルタナロック師弟対談

VELTPUNCH『THE NEWEST JOKE』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集:山元翔一

VELTPUNCHというバンドは相当に変わったバンドである。ハードコアでプログレッシブな演奏と男女ツインボーカルのキャッチーなメロディーが並走する音楽性にしても、来年結成20周年を迎える中堅でありながら、ここに来てグッと若返ったかのような盛り上がりを見せる近年のライブにしてもである。そして、これまで常にバンドと仕事を両立させてきた中で、アニメ主題歌となった『CRAWL』を発表した2008年に続き、この度2度目となるメジャーデビューが決定。オリジナルアルバムとしては5年ぶりとなる新作『THE NEWEST JOKE』を発表する。こんなキャリアを歩んできたバンド、他にはいないだろう。

そんなVELTPUNCHからオルタナティブな音楽性を継承し、「自分にとってのヒーロー」と語るのが、cinema staffの三島想平。すでにメジャーデビューから4年が経過し、今も日本のバンドシーンのど真ん中で活躍を続けながら、近年は地元の岐阜でDIYなイベントを開催したり、メンバーの辻友貴がレコードショップ(兼立ち飲み屋)を開いたりと、こちらも独自の活動を続けている。4月に行われた初の2マンを経て行われたVELTPUNCHの長沼秀典と三島との対談は、バンドという不思議な生き物の面白さが改めて伝わってくるような、強烈な音楽愛を感じさせる対談となった。

(VELTPUNCHは)アレンジの神様だと思ってます。少なくとも、10代後半の自分の中では日本一っていう認識でした。(三島)

―三島くんにとって、VELTPUNCHというバンドはどういう存在なのでしょうか?

三島:僕にとっては、屈指のヒーローです。青春であり、教科書でもあり。この間対バンするまでは、直視できないくらいでした(笑)。

三島想平
三島想平

―三島くんは、ルーツとしてNUMBER GIRLとかの名前をよく挙げてると思うんですけど、VELTPUNCHもそういうバンドの中のひとつ?

三島:同列ですね、完全に。VELTPUNCHはアレンジの神様だと思ってます。大枠の「オルタナティブ」の中で、アレンジメントの幅がすごく広くて、必ずベストな組み合わせを見せてくれるのでとにかく飽きない。少なくとも、10代後半の自分の中では日本一っていう認識でした。

2005年リリースの『a huge mistake』より

―アルバムとか曲単位で好きなものを挙げるとしたらどうですか?

三島:アルバムは最初に買ったのが『question no.13』(2004年)で、昔は1曲目(“我ガ心ニ向日葵ハ咲カズ”)をライブの入場曲にしてたんです。でも、あの曲1分半しかないんで、一回トラブってすぐライブが始められなかったときに、次の曲が始まっちゃって、それでやめました(笑)。

曲単位では、1曲選ぶのはすっごく難しいですけど、リフ大賞は“Sports”(『White Album』収録。2007年)です。この間の対バンのときに「あの曲の弾き方教えてもらっていいですか?」って、ギリギリまで出かけたんですけど、飲み込みました(笑)。

長沼:その感じわかるなあ。僕もBP.(元COALTAR OF THE DEEPERSのイチマキ所属のオルタナティブロックバンド)と対バンしたときそうだった。僕はこの1週間『eve』(今年5月にリリースされたcinema staffの最新アルバム)を聴き込んで、「アレンジよくできてるな」って思いましたね。うちらは仕事しながらなので、メンバーが集まれるのって1週間にマックスで4時間なんです。そこでグワッとやって、できたものをそのまま採用するんで、実はあんまり練ってないんですよ。

長沼秀典
長沼秀典

―『question no.13』の頃はどうでしたか?

長沼:その頃の方が時間はあったけど、3ピースだったこともあって自分の頭の中で描いたものを、メンバーと共有して終わりみたいな感じだったかな。4ピースになってからは、ギターの絡みとかを試行錯誤するようにはなりました。でもアルバムを作るときって、レーベルからアルバムの話されて持ち曲も少ないところから1週間1曲くらいのペースでバンバン作っていくんで、やっぱりそんなには練ってないですね。その点、cinema staffのアレンジはすごく時間をかけて練られたオルタナティブサウンドだなって、感心して聴いてました。

三島:ありがとうございます。

―三島くんのアレンジの教科書がVELTPUNCHだったという話ですが、長沼さんのアレンジの教科書は誰だったんですか?

長沼:僕はやっぱりCOWPERS(bloodthirsty butchersとともに知られた北海道のオルタナティヴロックバンド)とBP.。もっと前で言うと、The Smashing Pumpkins、Dinosaur Jr.で、そんなに新しい音楽は、特にロックは聴いてなくて、結局影響源はずっと変わってないかもしれないです。

1993年リリースの『Siamese Dream』より

―影響源は変わらないのに、アレンジがどんどん更新されているのは逆にすごいですよね。いろんな音楽を聴き漁って、それをアレンジに取り入れてるとかだったらわかるけど。

長沼:もうそのやり方だと若いバンドには勝てないと思うんですよね。特にフェスとかでガチンコ勝負してるバンドは、目の前のお客さんをいかに盛り上げるかに気持ちがいくだろうし、そうなると隣の芝生が青く見えるからすぐ取り入れたくなるんだと思う。

だから、今ってわりと近所同士で影響し合って、何かひとつがウケると、それがバーッて広がる感じだと思うんです。僕らが今からそこで戦っても、瞬発力では勝てないだろうから、僕は僕の中から湧き出るものをとにかく掘る。だから、僕が一番聴いてる音楽ってVELTPUNCHなんですよ。

―ああ、なるほど。

長沼:自分が作ったCDを、1日2回ずつくらい、半年から1年ずっと聴き続けて、咀嚼して、また次を作るっていう感じなんで、ある意味、近親相姦みたいな気持ちになりますね(笑)。なので、自分の得意技の中からしか選んでなくて、苦手なことは入れてないから、生みの苦しみもそんなになく、時間をかけずに作れるんですよね。

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リリース情報

VELTPUNCH『THE NEWEST JOKE』
VELTPUNCH
『THE NEWEST JOKE』(CD)

2016年7月20日(水)発売
価格:2,700円(税込)
Imperial Records / EVOL RECORDS / TECI-1506

1. THE NEWEST ROCK
2. グッバイアンサー
3. LET IT DIE(OAO)
4. Brand new toy
5. Shandy Gaff in the cold glass
6. 耐え難き暑さと湿度のせいで「青い嗚咽」は噴水とベンチしかない小さな三角公園の片隅で黒い卵を温める事を諦めた
7. Don't stop me
8. また会えたらKISSをしよう
9. BENCH WARMERの逆襲
10. 軽い冗談
11. ミニスカートキラー
12. シーズインザスリー
13. 死人と梔子
14. ズーラシアゲイン

cinema staff『eve』
cinema staff
『eve』初回限定盤(CD+DVD)

2016年5月18日(水)発売
価格:3,888円(税込)
ポニーキャニオン / PCCA-04380

[CD]
1. eve
2. 希望の残骸
3. エイプリルフール
4. lost/stand/alone
5. 切り札
6. somehow
7. crysis maniac8. person on the planet
9. 境界線
10. deadman
11. AIMAI VISION
12. YOUR SONG
13. overground
[DVD]
『cinema staff「waypoint 2015」』
1. salvage me
2. AIMAI VISION
3. theme of us
4. ニトロ
5. 奇跡
6. 火傷
7. 世紀の発見
8. 小さな食卓
9. 実験室
10. 君になりたい
11. unsung
12. 発端
13. いらないもの
14. 切り札
15. deadman
16. シャドウ
17. great escape(alternate ver.)
18. exp
19. KARAKURI in the skywalkers
20. YOUR SONG
21. 望郷
22. 溶けない氷
23. GATE

cinema staff『eve』通常盤
cinema staff
『eve』通常盤(CD)

2016年5月18日(水)発売
価格:2,808円(税込)
ポニーキャニオン / PCCA-04381

1. eve
2. 希望の残骸
3. エイプリルフール
4. lost/stand/alone
5. 切り札
6. somehow
7. crysis maniac8. person on the planet
9. 境界線
10. deadman
11. AIMAI VISION
12. YOUR SONG
13. overground

イベント情報

『VELTPUNCH “THE NEWEST JOKE” Release Tour 2016』

2016年9月24日(土)
会場:東京都 下北沢 ERA

2016年10月15日(土)
会場:愛知県 名古屋 CLUB ROCK'N'ROLL

2016年11月5日(土)
会場:大阪府 心斎橋 Pangea

2016年11月13日(日)
会場:東京都 新代田 FEVER

プロフィール

VELTPUNCH
VELTPUNCH(べるとぱんち)

1997年、立教大学の音楽サークルでSmashing Pumpkinsのコピーバンドを組んでいた長沼秀典(Vo,Gt)、ナカジマアイコ(Ba,Vo)を中心に結成。下北沢、渋谷、三軒茶屋を中心にライブ活動を行い、国内のみならず『SXSW』など海外イベントにも参加。男女ツインボーカル+スクリームを活かした楽曲が特徴で、時にエモーショナルで激しく、時に繊細なギターロックサウンドが多くのファンを惹きつけている。

cinema staff
cinema staff(しねま すたっふ)

2003年、辻 友貴、飯田瑞規、三島想平が前身バンドを結成。2006年7月に久野洋平が加入し、現在の編成となる。愛知・岐阜県のライブハウスを中心に活動を開始し、2008年に残響recordより1st mini album『document』をリリース。これまでに、シングル4枚、ミニアルバム5枚、アルバム4枚、LIVE DVD1枚の作品をリリース。オルタナティブ、エモ、ポストロックに影響を受けたセンス溢れるポップなメロディと、それとは対照的な直情的で衝動性の強い攻撃性を持ち合わせたギターロックバンド。

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