特集 PR

常識を破壊したヒット作の裏側とは? 異端派CMプランナーに訊く

常識を破壊したヒット作の裏側とは? 異端派CMプランナーに訊く

Brian the Sun『Maybe』
インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子、山元翔一

CMプランナーとして、英会話教室「NOVA」やヘーベルハウス「ラムくん」、最近では石原さとみが艶っぽく話しかけてくる「ふんわり鏡月」、とても宅配寿司のCMとは思えない型破りな内容が毎回話題を呼んでいる「銀のさら」など、数多くのヒット作を手がけてきた松村祐治。PVのクリエイティブディレクターとしても、これまでにASIAN KUNG-FU GENERATIONやチャットモンチー、PUFFYの作品を手がけてきた彼が、Brian the Sunの最新曲“Maybe”で、AI(人工知能)と人間による温かくも切ないストーリーを描き、またしても注目を集めている。

印象的な作品を次々と世に送り出している彼に、これまでのCM、PVの仕事を振り返ってもらいつつ、独自の制作手法やアイデアの発想法を語ってもらった。そして、彼が新たに手がけた“Maybe”のPVについて、Brian the Sunのプロデューサーであり、過去にはRIP SLYMEをはじめ数々のアーティストを手がけてきた安藤日出孝にも加わってもらい、その裏側を訊いた。

あくまでクライアントからの課題に対して地道に考えていて、何か自分に表現したいものがあるかと言われれば、それは特になくて。(松村)

―松村さんはこれまでたくさんのCMを手がけられてきましたけど、代表作というと何になるんでしょう?

松村:古い作品では、2002年から放送された英会話教室「NOVA」のCMとかがあります。「NOVAうさぎ」というキャラクターを自分でデザインしたり、音楽も自分がやっていたバンドで作ったり、かなり手作り感のあるCMでしたけど、それが初期の代表作ですね。

最近だと石原さとみさんが出演した「ふんわり鏡月」のCMとか、ヘーベルハウスの「ラムくん」とか、一番新しいものだと「フリスク」のCMとか。それと「銀のさら」のCMは、広告ではわりとハードコア(笑)だと言われたりして、ネットでバズることも多いですね。

―「NOVAうさぎ」のCMは、キャラクターや曲も松村さんが作られたんですね。

松村:あのCMは普通の十分の一くらいの低予算で作ったんですよ。だから色々手作りになっているというか、ならざるをえなかったというか。でも結果、それが異様なローファイになって目立ったというか。

―当時の松村さんは、おいくつだったんですか?

松村:30代前半ですね。20代のときは自分がやっていたバンドでレコードを出したりして、明らかにそっちのほうに夢中だったんですよ。でも、30代からやっと仕事がメインになってきて、ちゃんと広告の仕事をやるようになり、最初に当たったのが「NOVAうさぎ」だったんです。

松村が自らデザインした「NOVAうさぎ」
松村が自らデザインした「NOVAうさぎ」

―もともとバンドをやられていたということですけど、音楽畑で仕事をしていたわけではないんですか?

松村:ではないです。もともとは大学で地震予知の研究をしてて。

―地震予知ですか?

松村:もともとお医者さんになりたかったんですけど、医学部に受からなくて、理学部に入っちゃって。それで大学卒業する頃に、当時やっていたバンドがメジャーデビューするかもしれないという話になって、就職せずに大学院に行くことにしたんです。そのほうがバンドがやりやすいだろうという邪な理由で。

大学院では延々とチリの地震の波形を読み取る作業をしてたんですけど、何ひとつ面白くなかったんです。それで表現の道に進んだほうが、明らかに向いてるだろうなと思って、テレビや広告の仕事を探した結果、電通に就職することになったんです。

松村祐治
松村祐治

―ものすごい経歴ですね(笑)。いまのメインのお仕事としては、CMプランナーになるんですか?

松村:そうですね。ストーリーと全体の構成を書いて、それを演出家やディレクターに渡して、スタッフと相談しながら撮影していくっていう感じですね。

―先ほども「ハードコア」と言われていた「銀のさら」のCMは、どういう経緯であの内容になったんですか?

松村:ただ真面目にクライアントの課題を解決しようと思ってやってるんですよ。たとえばいま公開されているのは、「誕生日に宅配寿司を食べてもらいたい」というクライアントからのオーダーがあったので、「誕生日に外食したらひどい目に遭うけど、お家で寿司を出前すればハッピー」というストーリーにしたんです。あくまでクライアントからの課題に対して地道に答えを考えていて、何か自分に表現したいものがあるかと言われれば、それは特になくて。

Page 1
次へ

リリース情報

Brian the Sun『Maybe』初回生産限定盤
Brian the Sun
『Maybe』初回生産限定盤(CD+DVD)

2016年9月7日(水)発売
価格:1,800円(税込)
ESCL-4681/2

[CD]
1. Maybe
2. しゅがーでいず
3. Maybe(Instrumental)
[DVD]
1. 「HEROES」Music Video
2. 「Maybe」Music Video
3. 「Maybe」Music Video -Director's Cut Version-
4. 「HEROES」Music Video メイキング映像
5. 「Maybe」Music Video メイキング映像

Brian the Sun
『Maybe』通常盤(CD)

2016年9月7日(水)発売
価格:1,080円(税込)
ESCL-4683

1. Maybe
2. しゅがーでいず
3. Maybe(Instrumental)

Brian the Sun『Maybe』期間生産限定盤
Brian the Sun
『Maybe』期間生産限定盤(CD)

2016年9月7日(水)発売
価格:1,300円(税込)
ESCL-4684

1. Maybe
2. しゅがーでいず
3. Maybe(アニメVer.)
3. Maybe(Instrumental)

プロフィール

松村祐治(まつむら ゆうじ)

クリエイティブディレクター/CMプランナー。主な仕事に、サントリー、ヘーベルハウス、FRISK、銀のさら、SONY、西武鉄道、アイデム、NOVAうさぎ、テレビ番組「喝老人」「ど人生」、PUFFY、Brian the Sun、ASIAN KUNG-FU GENERATION、チャットモンチーなどのPV。TCC、ACC、ギャラクシー、NYフェスティバル、アドフェスト、SPIKES、CRESTA、LIA、Music Video Awardなど受賞。作曲/DJ Our Hour、東京ブルースブレイカーズ。

安藤日出孝(あんどう ひでたか)

音楽プロデューサー。株式会社ポイントブランク(pointblanc Inc.)代表取締役社長。1999年、ワーナーミュージックのディレクター時代にRIP SLYMEのデビューを手掛け、2013年まで音楽制作、アートワーク、PV制作を含んだトータルプロデュースに携わる。現在はBrian the SunやKOSEN(Colorful Mannings)のプロデューサー。アニメやドラマ、映画の音楽プロデューサーでもある。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

岩井勇気(ハライチ)『ひねくれとか言われても俺はただ自分が進みたい道を選んでるだけ』

ドリームマッチでの『醤油の魔人 塩の魔人』、ラジオで突如披露した推しキャラケロッピをテーマにしたEDM調楽曲『ダメダメケロッピ』など、音楽的な才能に注目が集まる岩井勇気。今回はミツカン「こなべっち」とタッグを組み、自らがマイクを取ってラップに挑戦。しかもこの動画、岩井がこれまでラジオや書籍の中で言及してきた、珪藻土のバスマットや、海苔、メゾネットタイプの部屋、クラウス・ノミなどのネタが詰まっていて、まさか岩井さんの自宅なのでは……? と隅々まで見てしまう。つぎはぜひ、自作のトラックとリリックによる曲が披露されることを待っています。(川浦)

  1. 映画『82年生まれ、キム・ジヨン』が突きつける、社会に深く根づく性差別 1

    映画『82年生まれ、キム・ジヨン』が突きつける、社会に深く根づく性差別

  2. 横浜流星が「つらいかぜ」を打ち砕く プレコールの新CM「闘い続ける」篇 2

    横浜流星が「つらいかぜ」を打ち砕く プレコールの新CM「闘い続ける」篇

  3. ジョン・レノンが時代に残す闘いの爪痕、ヨーコがもたらしたもの 3

    ジョン・レノンが時代に残す闘いの爪痕、ヨーコがもたらしたもの

  4. 木村拓哉を操上和美が撮影『SWITCH』原宿特集に小泉今日子、池田エライザら 4

    木村拓哉を操上和美が撮影『SWITCH』原宿特集に小泉今日子、池田エライザら

  5. King Gnu井口理が獣医師役 野村不動産「プラウド」ブランドムービーが公開 5

    King Gnu井口理が獣医師役 野村不動産「プラウド」ブランドムービーが公開

  6. 高橋一生主演×荒木飛呂彦原作ドラマ『岸辺露伴は動かない』12月NHKで放送 6

    高橋一生主演×荒木飛呂彦原作ドラマ『岸辺露伴は動かない』12月NHKで放送

  7. カルティエの新作キャンペーンに常田大希、池田エライザ、野田洋次郎ら起用 7

    カルティエの新作キャンペーンに常田大希、池田エライザ、野田洋次郎ら起用

  8. 大滝詠一『A LONG VACATION』40周年記念盤が全音楽記録媒体でリリース 8

    大滝詠一『A LONG VACATION』40周年記念盤が全音楽記録媒体でリリース

  9. YOASOBIがGoogle PixelのCMソングを担当 新曲“アンコール”を起用 9

    YOASOBIがGoogle PixelのCMソングを担当 新曲“アンコール”を起用

  10. スピッツ、全着席のコンサートを11月に東京ガーデンシアターで開催 10

    スピッツ、全着席のコンサートを11月に東京ガーデンシアターで開催