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「アニソンっぽさ」はただの流行? ジャンルに束縛されない歌とは

「アニソンっぽさ」はただの流行? ジャンルに束縛されない歌とは

SCREEN mode『Reason Living』
インタビュー・テキスト
阿部美香
編集:飯嶋藍子
2016/10/25

「前回の記事は、同業者には『よくぞ言ってくれました』、ほぼ初対面の人にも『あの記事見ました』と、かなり言われました」――今年7月、シングル『ROUGH DIAMONDS』リリース時の取材で、現在のアニソンブームは「ジャンル内の縮小再生産にも似た近親交配によって、2000年代以降のJ-POPと同じ道を辿っている気がする」と語ってくれたのはSCREEN modeの雅友だった。

そんなアニソン業界のまっただ中に身を置きながら、他のアニソンアーティストとはどこか違う匂いを発散しているSCREEN mode。彼らはジャンルレスに「王道」のポップ&ロックを極めることで、独自の新たなスタンスを切り拓こうとしているように見える。ボーカルの勇も声で出演しているアニメ『文豪ストレイドッグス』のオープニング主題歌“Reason Living”で、またも独特の感性を発揮している。

田村ゆかり、三森すずこら、今をときめく声優アーティストから、Kis-My-Ft2や今井翼などのアイドルまで多くの楽曲制作、プロデュースを手掛ける雅友と、子役からキャリアをスタートし、洋画の吹き替え、アニメーションなどで声優として着々と地位を築いている勇に、それぞれのバックボーンからの楽曲制作のアプローチと「表現」について、あらためて話してもらった。

「アニソンっぽさ」っていうのは結局、最近の流行に紐付いているだけだと思います。(雅友)

―業界内でも反響が大きかったという前回の記事では、「アニソンの今」について当事者からの視点で話をしていただいたんですが、そもそもおふたりの音楽が「アニソン」と呼ばれることについて、当の本人はどう思われているんでしょうか?

勇(Vo):ジャンルの線引きはあまりないと思ってますよ。

雅友(Gt):そうですね。何かを表現するときに、切り取りやすいコピーがあったほうがいいじゃないですか。バンドでも何系って入れておいたほうが分かりやすい。そういう意味では、「俺たちはアニソンじゃねーぜ!」と無理矢理言うつもりはないです。

左から:勇、雅友
左から:勇、雅友

―理屈としては、すごくよく理解できます。自分たちの好きな音楽を作って、それがアニメ作品の主題歌なり挿入歌なりに起用された結果、アニソンというカテゴリーに括られるだけなんだろうなと。

雅友:僕自身は、「アニソンっぽさ」っていうのはあってないようなものだなと考えていて。それって結局、最近の流行に紐付いているだけだと思います。

僕らは、理論的にはアニソンアーティストだけど、流行をある程度無視してやっているので、中身は意外とそうじゃない。実際、僕が楽曲提供しているミュージシャンや、ふだん交流のあるミュージシャンもジャンルレスです。アニソンか、アニソンじゃないかのボーダーラインは、メディアやレコード会社が作るものですよね。僕らが何を言ったって、どうなるもんじゃない。

―こうして私たちが、SCREEN modeにアニソンの今を聞いてみた、という質問をすることこそが、「アニソン」というジャンルの枠を作っているんでしょうね。

雅友:でも、それで分かりやすいって思ってもらえるなら、全然「アニソン」でいいです(笑)。

―それでいうと、勇さんはボーカリストとしてだけでなく、声優を長くやられていて、日常的にアニメ、アニソンととても親和性が高いフィールドにいらっしゃいますね。その立場から思うことは?

:歌と声の仕事は全く別物として考えています。声優をやっているから歌をやっている感じでもないし、歌をやっているから声優をやっている感じでもない。それぞれで別のこだわり、気持ちを持ってやっています。

雅友:うん。勇が所属しているのが、声優事務所として有名どころだってだけで。僕に勇を紹介してくれたのも、共通の知り合いのミュージシャンだから、そもそもSCREEN modeはアニメとはまったく関係ないところで結成されたんですよ。

―雅友さんはアニメ声優への楽曲提供が多いですし、おふたりともアニメ、アニソンに最も近い位置にいるのに、そこが面白いですよね。アニソンを歌った声優が、楽曲提供したミュージシャンと意気投合して……とか、周囲のスタッフの勧めでユニットを結成しました! とかだと、成り立ちとしては非常に分かりやすいんですけど。

:たしかにそうですね(笑)。

―SCREEN modeは、そもそもアニメから離れたところで結成されていますし、アニソンをやってはいるものの、あんまりアニメアニメした色がないぞと。アニソンに括れば分かりやすくなるはずなのに、実はアニソンアーティストとしては分かりにくい存在だと思うんです。

雅友:それは……誤解を恐れずに言うと、声優・林勇は超大人気声優ではないからじゃないですかね。だけど、僕が一緒に組もうと思ったのは、彼の歌声の素晴らしさに惚れ込んだからです。正直、彼をアニメの声優と認識したのは、結成してからもっと後ですしね。

:たしかにね。メインはずっと洋画の吹き替えなので、ちょうどSCREEN modeの結成とアニメの仕事を多くいただくきっかけになった『ハイキュー!!』のオーディションに受かったのが同時期。そこからアニメの仕事が急に増えたんです。

雅友:そもそも結成のいきさつも、僕はずっと作家活動をしていたのですが、GRANRODEOの飯塚昌明さんに憧れていたこともあって、今所属しているレーベル、ランティスの副社長に、表に出る活動を何かやりたいと話したら、僕はギタリストなので、「いいボーカリストを見つけてきたら、デビューできる可能性あるよ」と言ってくれた。ランティスはアニメに強いレーベルだからボーカルは声優さんがいいよね、といろいろな声優事務所にお声がけしたんですが、いい感じの方はすでにデビュー済みだったんです。

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リリース情報

SCREEN mode『Reason Living』アーティスト盤
SCREEN mode
『Reason Living』アーティスト盤(CD+DVD)

2016年10月26日(水)発売
価格:1,944円(税込)
LACM-14543

[CD]
1. Reason Living
2. Mr. Satisfaction
3. Distance ~風の先へ~
4. Reason Living(off vocal)
[DVD]
・“Reason Living”PV

SCREEN mode『Reason Living』アニメ盤
SCREEN mode
『Reason Living』アニメ盤(CD)

2016年10月26日(水)発売
価格:1,296円(税込)
LACM-14544

1. Reason Living
2. Distance ~風の先へ~

プロフィール

SCREEN mode
SCREEN mode(すくりーん もーど)

勇-YOU-(声優「林勇」)と、雅友(サウンドプロデューサー「太田雅友」)によるユニット「SCREEN mode」。2013年結成。ユニット名の「SCREEN mode」には、勇のボーカルと雅友の楽曲が混ざり合うことによって生まれた音の「SCREEN」を、様々な「mode」に変化させながらリスナーの心に焼き付けていきたいという想いが込められている。勇の圧倒的な歌唱力、そして雅友の確かなプロデュースワークから生み出されるサウンドは、時に感情的に、時に色彩的に、聴き手の心情とリンクして真っ白なスクリーンに情景を描く。

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