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アングラから一気に全国区へ Have a Nice Day!インタビュー

アングラから一気に全国区へ Have a Nice Day!インタビュー

Have a Nice Day!『The Manual(How to Sell My Shit)』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:柏井万作

地方でも『SCUM PARK』みたいなことやりたいなって思うようになってきました。ちょっと前まで、そんなこと思ってなかったんですけど。

―では、アルバム自体の話も聞かせてください。制作にあたって、何か方向性はありましたか?

浅見:5月に出した『Dystopia Romance 2.0』にも入ってた“LOVE SUPREME”と“NEW ROMANCE”が今回のシングル的な位置づけなので、この2曲を軸にしつつ、今の自分の気分を反映させて作ったらこうなったって感じです。あと今回、レーベルオーナーのworld's end girlfriendがアレンジやミックスをしてくれて、音源としてのクオリティーはかなり高くなったと思います。

浅見:それと、結果的には、わりかしBPMが遅いですね。単純に、自分の今の趣向性ってことだと思うんですけど、曲作ると「BPM速いんじゃないか?」って心配になっちゃうぐらい(笑)、遅いことへの執着がある感じなんですよ。今回収録した“dance with my climax(void void)”をライブでやったら、他の曲との落差がすごかったですけど(笑)。

浅見北斗

―BPMの遅い曲を作ることで、ライブの構成に幅を出す狙いがあったとかではない?

浅見:いや、極端なことを言うと、“blood on the moshpit”であれだけの風景を作れるってことは、「お前らもっと遅くてもモッシュできるだろ」って思ってるかも(笑)。まあ、『Dystopia Romance 2.0』に入ってた“F/A/C/E”もBPM遅くて、あれをライブでやったりするとちょっと落ちる感じにはなりますね。昔のライブはずっと走り続けてる感じだったけど、最近では落ちた状態でも聴かせられるというか、モッシュを起こせなくても、それはそれで機能するというか、そういう曲もできるようになったっていうのはあります。

―前回の取材で大森靖子さんの話をしたときに、「ステージがひとつ上がったら、その段階で作るべきアンセムをちゃんと作ってるのがすごい」って話をしたじゃないですか?(新しいシーンは新宿から。鼻持ちならない奴らHave a Nice Day! ) ハバナイもステージがひとつ上がって、それで今回のBPMの遅い曲を作ったのかなって。

浅見:いや、その感覚はあんまりないです。今のステージで響くのは“LOVE SUPREME”とかだと思うんですけど、 “666”なんかは「今鳴らすべき音」っていうのを意識したかもしれないですね。ギターが強く鳴ってて、サンプラーは使ってなくて、ダウンビートでロックンロール色の強い曲って、今までなかったので、そこは意識して作りました。

―浅見さんってビルボードのチャートお好きですよね? 最近もTwitterでフランク・オーシャンやリアーナのことをつぶやいてるのを見たんですけど、今のトレンドが曲作りでも影響源になってるんですか?

浅見:そういうのを聴いて、「こんなにゆっくりなんだ」とか思ったりはしますけど、結局自分が作る音楽は、もっと自分の原風景に近いものなのかなって思います。流行ってる音楽は情報としてというか、リスナーとしての欲望を満たすために聴いてるって感じで、トラップ(HIP HOPホップの一ジャンル)とかも好きですけど、自分が作るかっていうと違うかなって。

今回のアルバムを作るときに聴いてたのは、NEW ORDER、THE DRUMS、THE CARS、THE STROKESとか、シンプルなバンド編成で、印象的なリフがあるものが多かったです。ちなみに、俺ちょっと前までNEW ORDER全然聴いたことなくて、わりと最近友達に勧められて聴いたら、「似てるな」って思いました。

Have a Nice Day!『The Manual(How to Sell My Shit)』ジャケット
Have a Nice Day!『The Manual(How to Sell My Shit)』ジャケット(Amazonで見る

―あ、それは意外ですね。NEW ORDERからはかなり影響を受けているのかと思っていました。

浅見:昔“Blue Monday”を聴いたときにあんまりピンと来なかったんですよ。でも、俺らのミュージックビデオ作ってくれてるやつがNEW ORDER超好きで、“LOVE SUPREME”のビデオはNEW ORDERのオマージュなんです。そいつが“Bizarre Love Triangle”を勧めてくれて、それ聴いたら超よくて。

浅見:あと最近同じやつに勧められて、PRIMAL SCREAMもいいなって思いました。俺どっちかっていうとアメリカの音楽の方が好きで、それこそFUGAZIとかBAD BRAINS、QUEENS OF THE STONE AGEとかハードコアなバンドが好きなんですけど、PRIMAL SCREAMは歌詞がめっちゃよくて、“Kill All Hippies”の<You got the money, I got the soul>とかめちゃくちゃいいなって。

―攻撃性とロマンティシズムの同居という意味では、ハバナイにも通じますよね。

浅見:そうなんですよね。だから、意外とイギリス的な音楽の方が近いのかもなって、最近思ったりもしてます。

浅見北斗

―次のアルバムはUK色が強まってるかもしれないですね。では最後に改めて、東名阪のリリースパーティーに向けた意気込みを話していただけますか?

浅見:東京はもちろんなんですけど、やっぱり今は大阪とか名古屋で新しい人たちの前でやるのが楽しみです。大阪はどついたるねんとSANABAGUN.とスリーマンなんですけど、その組み合わせもちょっと新しいと思うんですよ。

東京だと、この3組ってちょっと無理あるかもしれないけど、地方からすると3つとも東京のバンドだから、フラットに見れると思うんで、地方はそこがいいんですよね。東京には東京の文脈があって、「このバンドとこのバンドは違うところにいる」みたいなのがあると思うんですけど、そういうのを無視できるっていうのはすごく面白いと思います。

浅見北斗

―じゃあ、今年はもちろん、来年以降も地方に行く機会は増えそうですね。

浅見:地方でも『SCUM PARK』みたいなことやりたいなって思うようになってきました。ちょっと前まで、そんなこと思ってなかったんですけど。

―じゃあ、日本全国にどんどんモッシュピットの輪を広げていって、それを2020年のオリンピックのタイミングで東京に集約させるっていうのはどうですか?(笑)

浅見:どうせなら、インターナショナルなモッシュピット作りたいなあ。2020年までこの気持ちを保ててるかわからないけど(笑)。

浅見北斗

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リリース情報

Have a Nice Day!『The Manual(How to Sell My Shit)』
Have a Nice Day!
『The Manual(How to Sell My Shit)』(CD)

2016年11月9日(水)発売
価格:2,160円(税込)
Virgin Babylon Records / VBR-036

1. Haywood/Marcellus
2. dance with my climax(void void)
3. 666
4. LOVE SUPREME
5. ミッドナイトタイムライン
6. CRUSH CANDY
7. skit
8. NEW ROMANCE feat. world's end girlfriend
9. WASTED
10. 24hours feat. 入江陽
11. BLUE MIRRORBALL
12. パーティーが終わる
13. Rogers

イベント情報

Have a Nice Day!『The Manual(How to Sell My Shit)』リリースパーティー

2016年11月23日(水・祝)
会場:愛知県 名古屋 鶴舞DAYTRIP
出演:
Have a Nice Day!
NATURE DANGER GANG
おやすみホログラム
料金:当日1,000円(2ドリンク付)
※アルバム付属の引換券で入場無料(ドリンク別)

2016年11月25日(金)
会場:大阪府 味園ユニバース
出演:
Have a Nice Day!
SANABAGUN.
どついたるねん
料金:当日1,000円(ドリンク別)
※アルバム付属の引換券で入場無料(ドリンク別)

2016年12月12日(月)
会場:東京都 渋谷 WWW X
出演:Have a Nice Day!
料金:当日2,500円(ドリンク別)
※アルバム付属の引換券で入場1,000円(ドリンク付)

プロフィール

Have a Nice Day!
Have a Nice Day!(はぶ あ ないす でー)

リーダーの浅見北斗を中心に、2011年頃より活動するジャンク・ディスコ・バンド。ウネるシンセ、太いベースを軸としたサウンドが魅力。2012年にオモチレコードより『BLACK EMMANUELLE EP』2013年に『welcome 2 SCUM PARK』を発表。新宿LOFTを中心に開催されていた“SCUM PARK”の中心的バンドとして、NATURE DANGER GANGらとともに東京アンダーグラウンド・シーンで注目を浴びる。2015年4月にはおやすみホログラムとのコラボ作「エメラルド」、Limited Express (has gone?)とのコラボ作「Heaven Discharge Hells Delight」をリリース。15年11月18日には会場限定3rdアルバム「Dystopia Romance」のリリースパーティーをクラウドファンディングで一般から出資を募り恵比寿リキッドルームでの開催にこぎつけ満員御礼、大成功を収めた。2016年4月、Virgin Babylon Recordsからベスト盤『Anthem for Living Dead Floor』、5月にはアルバム『Dystopia Romance 2.0』をリリース。11月9日にアルバム『The Manual(How to Sell My Shit)』をリリース。

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