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ポップスを更新する雨のパレードに訊く、2016年の刺激的楽曲5選

ポップスを更新する雨のパレードに訊く、2016年の刺激的楽曲5選

雨のパレード『stage』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:西田香織 編集:矢島由佳子
2016/12/20
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メンバーはお互いのことを100%信用しているわけではない。でも、それがバンドなんじゃないですかね。

―今年は4回も倒れたそうですね。ライブもやりながら、アルバムとシングル2枚分の曲を作ろうとすると、睡眠を削らざるを得なかったんでしょう?

福永:しょうがないですよね。今も次のアルバム制作中で、睡眠時間を削っているので……。

―でも、福永くんに寡作家というイメージはないですけどね。これまでのインタビューでも「いつも曲を作ってる」と言ってたし。

福永:音はすぐにできるほうだと思います。やりたいことは常にいっぱいあるし。一定の期間に作った曲が10曲あっても、全部を気に入ることはないんですけど、音の面でいえば多作家だと思います。でも、歌詞に関しては完全に寡作家なんですよね。

―雨のパレードは、音楽的なイニシアティブを握っているのが福永くん一人というイメージが強くあって。たとえば雨のパレードとの共時性も見出せるD.A.N.やyahyelなんかはメンバー全員がプロダクションの手綱を持ってるというイメージがあるんですけど。

福永:ああ、そうですね。

福永浩平

―そのあたりで孤独感を覚えたりすることはないですか?

福永:いや、でもメンバーの意思がサウンドに入ってないかというと全くそんなことはなくて。いつでも僕が正解なわけではないので。トライ&エラーを繰り返すなかで、メンバーが正しい方向に戻してくれることもあるし。

だから、三宅さんが思っているよりもずっと常にバンド内でぶつかってはいるんです。昨日もアレンジ作業をしていて、僕のアイデアを却下されましたよ。でも、そこから試行錯誤したらいい感じにハマっていって。いい意味で、メンバーはお互いのことを100%信用しているわけではない。でも、それがバンドなんじゃないですかね。

左から:山崎康介(Gt)、福永浩平(Vo)、大澤実音穂(Dr)、是永亮祐(Ba)
左から:山崎康介(Gt)、福永浩平(Vo)、大澤実音穂(Dr)、是永亮祐(Ba)

7月20日リリース、メジャー1stシングル『You』

―2016年は、外の人との出会いも多かった1年でした?

福永:うん、いろんな人と出会いました。すごく嬉しかったのは、夏頃に僕の大好きな大久保篤さんという漫画家さんとTwitterで会話したときに、「雨のパレードは僕が日本のバンドに感じているフラストレーションを全部解消してくれているバンドです」って言ってくれて。小さい頃から作品を読んでる漫画家さんにそんなことを言ってもらえて、めちゃくちゃ嬉しかったですね。

―CINRA.NETで雨のパレードに最初にインタビューしたときに、福永くんは「自分には出会うべき人には必ず出会える運がある」ということを言ってましたよね。

福永:そうですね。自分の人と出会う能力の高さはずっと信じています。

福永浩平

やっぱり前衛的な姿勢のアーティストにどうしても惹かれますね。時代の異物感を出したい。

―福永くんが、2016年に刺激を受けた音楽や映画やファッションやアートなどを教えてもらえますか。

福永:今年はホントに音楽にしか触れてなくて、音楽しか語れないんですけど。映画も観てないし、服も買ってないんですよ。音楽作品と機材しか買ってない(笑)。まずは、ジャック・ガラットの歌心に惹かれましたね。

―UKのオールラウンドプレイヤーですね。

福永:そう、彼はディレクションも含めて1人でやっていて。そういう部分も尊敬しています。今年出たアルバム(『Phase』)は、今でもよく聴いている1枚ですね。

―やっぱりメロに関しては総じてソウルフルな旋律に惹かれますか?

福永:メロはそうですね。一方で、ジャック・ガラットはけっこうロックな魂を感じさせてくれるのが新鮮で。同い歳というシンパシーもあります。あとは、Astronomyy。

―同じくUKのコンテンポラリーなR&B系プロデューサーでありシンガソングライターですね。

福永:10月に配信リリースされたシングル(“Hypnotized”)が、トラップのビートに上手いこといいメロディーを乗せていて。このアプローチは自分も挑戦したいなと思いました。

福永:3人目は、またUKのトラックメイカーですけど、Mura Masa。今回の僕たちのシングルに入っている“free”は、Mura Masaを意識して作りました。Astronomyyも若いけど、Mura Masaもまだ若いんですよね、今年20歳になったところ。日本が好きで、日本のラジオの音とかサンプリングして入れてるんですよ。

福永:あと、ニック・マーフィーの新曲(“Stop Me (Stop You)”)もよかった。チェット・フェイカー名義の頃(今年より本名で活動)から大好きだったんですよね。

福永:でも、やっぱり今年一番インパクトが大きかったのはBon Iverの『22, A Million』。超よかった、名盤!

―『22, A Million』は素晴らしかったですね。また新次元にいったって感じで。

福永:そうそう。最初はApple Musicで聴いていたんですけど、すぐレコードを買いました。やっぱり前衛的な姿勢のアーティストにどうしても惹かれますね。自分たちもそうありたいと思うし。時代の異物感を出して、突出した存在を目指したい。

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リリース情報

雨のパレード
『stage』初回限定盤
雨のパレード
『stage』初回限定盤(2CD)

2016年12月21日(水)発売
価格:2,160円(税込)
VIZL-1093

[DISC1]
1. stage
2. 1969
3. free
4. ame majiru boku hitori
[DISC2]
『Live at TOKYO-SHIBUYA CLUB QUATTRO 2016.9.17』
1. new place
2. epoch
3. Petrichor
4. breaking dawn
5. bam
6. morning
7. Noctiluca
8. In your sense
9. yuragi meguru kimino nakano sore
10. 10-9
11. Tokyo
12. You

雨のパレード
『stage』通常盤(CD)

2016年12月21日(水)発売
価格:1,296円(税込)
VICL-37240

1. stage
2. 1969
3. free
4. ame majiru boku hitori

イベント情報

『雨のパレード・ワンマンライブツアー 2017 「Change your pops」』

2017年3月24日(金)
会場:新潟県 CLUB RIVERST

2017年3月31日(金)
会場:北海道 札幌 COLONY

2017年4月2日(日)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 3rd

2017年4月6日(木)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO

2017年4月8日(土)
会場:広島県 CAVE-BE

2017年4月9日(日)
会場:福岡県 graf

2017年4月12日(水)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2017年4月14日(金)
会場:東京都 赤坂BLITZ

プロフィール

雨のパレード
雨のパレード(あめのぱれーど)

福永浩平(Vo)、山崎康介(Gt)、是永亮祐(Ba)、大澤実音穂(Dr)。2013年に結成。2015年にリリースしたmini Album『new place』の表題曲“new place”がSSTVのローテーション「it」に選出され、同年10月に開催された『MINAMI WHEEL』では初出演ながら入場規制となる動員を記録するなど、インディーながら耳の早い音楽ファンの間で注目を集める。3月2日、1stフルアルバム『New generation』でメジャーデビュー。Vo.福永浩平の声と存在感、そして独創的な世界観は中毒性を持ち、アレンジやサウンドメイキングも含めまさに「五感で感じさせる」バンドとして注目されている。

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