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Awesome City Clubが語る、男女混成だから歌える新たな人間讃歌

Awesome City Clubが語る、男女混成だから歌える新たな人間讃歌

Awesome City Club『Awesome City Tracks 4』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:岩本良介 編集:矢島由佳子、飯嶋藍子
2017/01/27
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Awesome City Clubが「Awesome City Tracksシリーズ最終章」と位置付ける新作『Awesome City Tracks 4』を完成させた。「架空の街」をコンセプトとしてきたバンドが、本格的に現実へと拡張していく覚悟の一枚であり、「2010年代デュエットソング」と銘打たれた“今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる”は、「男女混成バンド」という自分たちの強みを改めて表現するもの。相当な本気度が伝わってくる作品である。

それにしても、男女ツインボーカルで、なおかつ男女ともに複数人いるバンドというのは、いわゆる大所帯バンドを除くと本当に珍しい。大げさではなく、非常に複雑で、奇跡的なバランスで成り立っているバンドなのだろう。そこで今回の取材では、atagi、マツザカタクミ、PORINの三人に話を訊きながら、改めて「男女混成」という事実に着目し、そこから広がる未来についての対話を試みた。

2016年って、圧倒的なクリエイティブを生み出せれば、人はちゃんとついてくるということが裏付けされた年だった。(atagi)

―Awesome City Club(以下、ACC)は、これまで「架空の街=Awesome Cityのサウンドトラック」をコンセプトに3枚のミニアルバムをリリースしてきましたが、今作を「シリーズ最終章」と位置づけた理由を、まずは聞かせていただけますか?

atagi(Vo,Gt):今回はアルバムを作るにあたって、「オーサムレボリューションをメンバーから発信していこう」というテーマを掲げたんです。

左から:マツザカタクミ、PORIN、atagi、ユキエ、モリシー
左から:マツザカタクミ、PORIN、atagi、ユキエ、モリシー

―そのテーマはどこから発想したものだったのでしょう?

atagi:『リオ五輪』の閉会式や、宇多田ヒカルさんのアルバム(『Fantôme』、2016年発表)のリリースがあった時、いろんなことに散らばっていた世間の目が、キュッとひとつに集中しましたよね。「これから先が楽しみだな」って、みんなが同じ気持ちでワクワクする瞬間があったと思うんです。それがすごくいいなと思って。自分たちも、もっと世の中を素晴らしく、オーサムにできるようなことを発信していこうと、メンバーで話したんです。

マツザカ(Ba,Synth,Rap):「2020年が楽しみだよね」って、みんなが思えるのは、まさにオーサムな状況だと思うし。これまでは、「今のACCはこんな感じです」っていうのを半年ペースで切り取って聴いてもらう感じで作品を作っていたんですけど、「オーサムレボリューション」とか「人間賛歌」というテーマを決めて作っていったら、すごくいい感触があったんですよね。だったら、これからは「Awesome City Tracks」をコンセプトにするのではなくて、作品ごとにテーマを持って制作をしていきたいと思うようになって。

左から:PORIN、atagi

―確かに、2016年を経て、音楽を作る大前提として「世の中をよくしよう」とか「前向きなものを」という考えが浸透してきているように感じます。

atagi:2016年って、圧倒的なクリエイティブを生み出せれば、人はちゃんとついてくるということが裏付けされた年だったと思うんです。さっき言った宇多田さんのアルバムも、結構大胆なチャレンジをしていたけど、ちゃんといいものを追求する姿勢こそが人を巻き込む力になるということを示してくれた。そういう部分に憧れるし、自分たちも本来ならばそこを目指すべきだなって。

マツザカ:『シン・ゴジラ』『君の名は。』『逃げるは恥だが役に立つ』とか、2016年はそれを感じさせるコンテンツが多くありましたよね。普遍的なテーマが現代的に昇華されていて、どこを切り取ってもクオリティーが高いけど、見ている人からすれば「なんかいいな」って、難しいことを考えずにワクワクできる。

左から:マツザカタクミ、ユキエ、モリシー

―さっき「人間賛歌」という言葉も出ましたけど、RADWIMPSが去年出したアルバム『人間開花』もまさにそうだったし、明るいムードがありましたよね。

マツザカ:そうですよね。これまでは、自分たちの音楽のことを「架空の街のサウンドトラック」と言っていた分、「僕らは僕らでやってます」みたいな感じに見えて、ちょっと歌や言葉に説得力が欠けていたところもあったと思うんです。でも、ライブをしたり、作品をリリースしていく中で、カジュアルに現実と接することができるようになって。その感じが今回のアルバムで出せたと思うし、今後ももっと強めていきたいですね。

―だからこそ、「Awesome City Tracks」には区切りをつけて、これからはより現実にコネクトしていくと。

atagi:他の人たちと横一列になって、「よーいドン」で誰が頭一つ出るか。そういうスタートラインに、「ちゃんと自分たちから立つ」ということかもしれないです。

Awesome City Club『Awesome City Tracks 4』ジャケット
Awesome City Club『Awesome City Tracks 4』ジャケット(Amazonで見る

―<今動き出して ReactionじゃなくMake Action!>と歌うラストナンバー“Action!”はそんな姿勢の表れとも言えそうですね。

マツザカ:最近ニュースを見ていても、みんなどこかで生き苦しさを感じているなと思うんです。そういう中でも、みんながときめくいいコンテンツがあると、フワッと色めき立つような気持ちになれるじゃないですか?

“Action!”は『リオ五輪』のあとに作ったんですけど、真っ直ぐにそういう気持ちと向き合いたいし、その起爆剤になりたいとも思った。それに触れた人が「俺も俺も」って立ち上がっていくのが健全だと思うんです。未来がそうなったらいいなという意味を込めて、<未来は百花繚乱>という言葉を歌詞に使いました。

―PORINさんは2016年の世の中の変化を、どのように感じていましたか?

PORIN(Vo,Syn):変化を感じられるようになったこと自体、自分が成長したなと思っていて。ちょっと前の私だったら、『リオ五輪』の閉会式を見ても、宇多田さんのアルバムを聴いても、流していたかもしれない。特に私は宇多田さんのアルバムに助けられたので、自分たちもああいうアルバムが作れたらいいなと思いました。

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リリース情報

Awesome City Club『Awesome City Tracks 4』
Awesome City Club
『Awesome City Tracks 4』(CD)

2017年1月25日(水)発売
価格:2,160円(税込)
VICL-64707

1. 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる
2. Girls Don't Cry
3. Sunriseまで
4. Cold & Dry
5. Movin'on
6. 青春の胸騒ぎ
7. Action!

イベント情報

『Awesome Talks -One Man Show 2017-』

2017年4月14日(金)
会場:広島県 八丁堀 SECOND CLUTCH

2017年4月15日(土)
会場:福岡県 BEAT STATION

2017年4月21日(金)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd

2017年4月23日(日)
会場:北海道 札幌 Bessie Hall

2017年5月11日(木)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO

2017年5月14日(日)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2017年5月19日(金)
会場:東京都 赤坂BLITZ

料金:各公演 前売3,800円(ドリンク別)

プロフィール

Awesome City Club
Awesome City Club(おーさむ してぃー くらぶ)

2013年春、それぞれ別のバンドで活動していたatagi(Vo,Gt)、モリシー(Gt,Synth)、マツザカタクミ(Ba,Synth,Rap)、ユキエ(Dr)により結成。2014年4月、サポートメンバーだったPORIN(Vo,Syn)が正式加入して現在のメンバーとなる。「架空の街Awesome Cityのサウンドトラック」をテーマに、テン年代のシティポップをRISOKYOからTOKYOに向けて発信する男女混成5人組。2015年、ビクターエンタテインメント内に設立された新レーベル「CONNECTONE(コネクトーン)」の第一弾新人としてデビュー。2017年1月25日に、4rdアルバム『Awesome City Tracks 4』をリリースし、4月より全国ワンマンツアーを開催することを発表している。

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