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Awesome City Clubが語る、男女混成だから歌える新たな人間讃歌

Awesome City Clubが語る、男女混成だから歌える新たな人間讃歌

Awesome City Club『Awesome City Tracks 4』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:岩本良介 編集:矢島由佳子、飯嶋藍子

今の日本人はみんなどこかに「許されたい」って気持ちがあるんじゃないかと思う。(マツザカ)

―「2010年代のデュエットソング」にするために、どんなことがポイントでしたか?

マツザカ:普段言えないことを言えたらいいんじゃないかと思って、台詞を入れてみたんです。これをカラオケで歌うことによって、まだ親密じゃない男女がグッと近くなれるといいよねって。なおかつ、この曲はラブソングなんですけど、人間賛歌でもあるんです。

この曲の主人公たちは、何かがあったからクラブに来て、「今日だけは何も考えないで踊りたい」という気持ちを共有している。今の日本人はみんなどこかに「許されたい」という気持ちがあると思っていて、その気持ちとリンクするんじゃないかって思うんですよね。

マツザカタクミ

―確かに、それも2016年のムードでしたよね。何かひとつ間違えると、すべてが否定されてしまう風潮があったけど、そもそも人間は完璧ではないから、ひとつやふたつの間違いは当然する。この曲はそんな場面での「許されたい」という気持ちに寄り添う曲でもあると。PORINさんは、この曲にどんな印象を持っていますか?

PORIN:ようやくACCの一番の強みを見つけられたなって、自信につながりましたし、レコーディングが終わった今でも自分で音源をよく聴いてます。

―じゃあ、<嘘つき>っていう台詞のパートもてらいなく言えた?

PORIN:あそこは100回くらい言いましたけどね(笑)。

―そんなに!(笑)

atagi:結構絶妙だと思うんですよね。ちょっとでも温度感が違うと、ニュアンスが変わっちゃって、変にこなれた女の子の台詞に聞こえちゃったり。

PORIN:いろいろ試したんですけど、この曲って今の若者の等身大の曲だと思うし、実際私も共感できる部分が多いので、結局は素のままで言ったテイクが一番いい仕上がりになりました。

左から:PORIN、atagi、マツザカタクミ

―「2000年代に入って、デュエットソングを聞かなくなった」という話がありましたけど、それってやっぱりコミュニケーションの変化の表れでもあると思っていて。今はSNSとかで簡単にダイレクトなコミュニケーションができちゃうけど、そういうものがない時代に、男女が距離を縮めるひとつのツールとして、カラオケで歌うためのデュエットソングがあったんだと思うんですよね。

atagi:この曲って「嬉し恥ずかし、お相手お願いします」みたいなところで完結していたら、ものすごくチープなものになっていたと思うんです(笑)。でも、さっきの「許されたい」という話みたいに、その奥にはディスコミュニケーションがあったり、「男女の」というだけではなく、人と人とのつながりの話もあったり、複雑な表現ができているのかもしれないですね。

左から:PORIN、atagi

―うん、やっぱりその「複雑さ」が重要なんだと思います。

マツザカ:“今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる”っていうタイトルには、謎のパワーがあると思うんです。仕掛けているようにも聞こえるし、大人びてもいるし、そもそも男が言っているのか女が言っているのかもわからない。昔の歌謡曲やチークダンスとかが持っている独特のムードの中にあったパワーとも、すごくマッチしていて、一歩間違えれば「おじさんっぽい」ってなっちゃうけど、ちゃんと新しく聴こえるし、耳にも残るとも思う。

―曲自体のベースになっているソウルとかディスコという音楽の歴史自体がセクシャリティーと関係しているから、それを改めて提示しているとも言えるかもしれないですね。

atagi:昔ソウルバーで働いていた時に、お客さんから「何で男女がダンスするのか知ってる?」って訊かれて、「わかりません」って言ったら、「セックスしてんだよ」って真顔で言われたことがあって(笑)。正直自分はピンとこなかったんですけど、みんな黒光りしてて、バリー・ホワイト(1970年代にディスコの黎明期を支えたアメリカのシンガーソングライター)とかの音楽に合わせて踊るような世界があったんですよね。あの頃の人たちのバイタリティーはすごいと思う。

atagi

―SNSとかがない世代だからこそのバイタリティーって感じがしますね(笑)。でも、これからはそれこそ2020年に向けて、若い世代が引っ張っていかないといけない。そう考えると、やっぱり男女混成であるACCだからこそできることがきっとある気がします。

PORIN:男女混成の五人組って、「小さな社会」みたいだと思うんですよね。だから、恋愛のことも、家族のことも、友情のことも歌えて、同性のことも異性のことも歌える。そこにはすごく可能性があるんじゃないかな。

マツザカ:僕らよく「『ドラえもん』の登場人物みたいだね」って言われるんです(笑)。PORINが「社会」って言った感じに近いと思うけど、主人公1人が飛び抜けている感じではなくて、全員がフラット。だからこそ、いろんなテーマが扱えるんじゃないかなと思いますね。

あと僕らはいたって普通の人間だから、聴いた人が自分を投影しやすいとも思うんです。『テラスハウス』みたいなものでもあるというか(笑)、「今を生きている人たちは何をどう考えてるんだろう?」ということを、そのまま表現できると思う。

atagi:宇多田さんにしても、「生きていていいんだよ」とかではなくて、すごく普通の人として発信していますよね。日々思っていること、生活の中から滲み出てくるようなものって、スーパースターと呼ばれる人も自分たちも変わらないと思うんです。ただ、それを発信する立場という意味では、自分たちもスーパーな人になりたいと思いますね。

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リリース情報

Awesome City Club『Awesome City Tracks 4』
Awesome City Club
『Awesome City Tracks 4』(CD)

2017年1月25日(水)発売
価格:2,160円(税込)
VICL-64707

1. 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる
2. Girls Don't Cry
3. Sunriseまで
4. Cold & Dry
5. Movin'on
6. 青春の胸騒ぎ
7. Action!

イベント情報

『Awesome Talks -One Man Show 2017-』

2017年4月14日(金)
会場:広島県 八丁堀 SECOND CLUTCH

2017年4月15日(土)
会場:福岡県 BEAT STATION

2017年4月21日(金)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd

2017年4月23日(日)
会場:北海道 札幌 Bessie Hall

2017年5月11日(木)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO

2017年5月14日(日)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2017年5月19日(金)
会場:東京都 赤坂BLITZ

料金:各公演 前売3,800円(ドリンク別)

プロフィール

Awesome City Club
Awesome City Club(おーさむ してぃー くらぶ)

2013年春、それぞれ別のバンドで活動していたatagi(Vo,Gt)、モリシー(Gt,Synth)、マツザカタクミ(Ba,Synth,Rap)、ユキエ(Dr)により結成。2014年4月、サポートメンバーだったPORIN(Vo,Syn)が正式加入して現在のメンバーとなる。「架空の街Awesome Cityのサウンドトラック」をテーマに、テン年代のシティポップをRISOKYOからTOKYOに向けて発信する男女混成5人組。2015年、ビクターエンタテインメント内に設立された新レーベル「CONNECTONE(コネクトーン)」の第一弾新人としてデビュー。2017年1月25日に、4rdアルバム『Awesome City Tracks 4』をリリースし、4月より全国ワンマンツアーを開催することを発表している。

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