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Awesome City Clubが語る、男女混成だから歌える新たな人間讃歌

Awesome City Clubが語る、男女混成だから歌える新たな人間讃歌

Awesome City Club『Awesome City Tracks 4』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:岩本良介 編集:矢島由佳子、飯嶋藍子

普遍的なテーマを扱う時こそ、新しい提案がないとダメじゃないですか?(PORIN)

―「助けられた」というのは?

PORIN:宇多田さんのアルバムのリリースタイミングが、自分たちがアルバム制作をしていた時期だったから、結構いっぱいいっぱいの時で。でもそういう中で、ひさしぶりに「染みるな」とか「心に刺さるな」って思える作品を聴けたのが、素直に嬉しかった。宇多田さんの曲がすんなり心に入ってきたから、私もすんなり歌詞を書くことができたんです。

PORIN

―『Fantôme』の背景には宇多田さん個人の強い想いがあったと思うし、PORINさんも『Awesome City Tracks 3』から歌詞に自分の想いを入れるようになってきていたから、そこで響いたのかもしれないですね。特に、どの曲が心に刺さりましたか?

PORIN:“俺の彼女”ですね。自分の気持ちを代弁してくれている感じがして。そういう感覚って、ひさしぶりだったんですよ。おそらく、曲に本人のエゴがないからこそ、共鳴できる部分が多いんだろうなって思う。

あと、普遍的なテーマを扱う時こそ、新しい提案がないとダメじゃないですか? 宇多田さんはそこが上手だなって改めて感じたから、今回自分が歌詞を書いた“Girls Don't Cry”も、「新しい提案」ということを考えながら書きました。

前回の取材の最後で、「次は男尊女卑について書きたい」っていう話をしてくれていたと思うんですけど、“Girls Don't Cry”はその実践と言えそうですよね?

PORIN:やっぱり、バンドって男社会なので、悔しいと思うことも多くて。でも負けてられないし、もっと頑張らないと私がやっている意味がないなとも思うから。

昔は「女の子を応援する」みたいな曲って、あんまり好きじゃなかったんです。でも、いざ自分が表現をする立場になってみると、女の子の力になりたいと思うようになって……。すごく不思議なんですけど、これが成長っていうのかな(笑)。

―特に何か変化のきっかけがあったわけではない?

PORIN:最近昔を思い出すことが多くて。私、女子高育ちなんですけど、女子高育ちだと、やっぱり男性とか恋愛に対する価値観がちょっと変になるところがあるんですよね。ACCを始めてからもそうだったのかもって思うんですけど、上手く接することができない分、「よく思われたい」って変に意識しちゃったりするんです。

でも、学生時代のことを思い出すと、女の子のために何かしたいと普通に思っていたし、女の子に憧れられる女の子になりたかった。なので、今回はこの感情を素直に出せばいいと思ったんです。

左から:PORIN、ユキエ

左から:マツザカタクミ、atagi、モリシー

―ステージに立つ人になって、ある種のエゴが生まれてしまっていたけど、それが徐々に薄れていって、素直な自分が戻ってきたというか。

PORIN:そう思います。すごい時間がかかっちゃったので、「もうちょっと早くできていればな」とも思うんですけどね(笑)。

ツインボーカルだと、男女両方の目線が出てきて、どちらかだけが美化されることはないから、リアルな表現になる。(マツザカ)

―今回のリード曲は、“今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる”というデュエットソングですよね。“Girls Don't Cry”の話や、「人間賛歌」というテーマも含め、『Awesome City Tracks 4』は改めてACCが「男女混成」であることの意味を問うアルバムでもあるように思うのですが、実際自分たちとしては「男女混成」であることの意味をどのように捉えていますか?

マツザカ:PORINがさっき言っていた宇多田さんの“俺の彼女”って、男の目線と女の目線がどっちも歌われているじゃないですか? 普通はどちらかの目線で歌われると思うんですけど、ツインボーカルだと両方の目線が出てきて、どちらかだけが美化されることはないから、リアルな表現になるんじゃないかと思います。その分、きれいにまとまりづらい部分もあるから、共感を得るのが難しいのかもしれないけど……。

―でも、そこは大きなポイントですよね。ガールズバンドが“Girls Don't Cry”を歌うのと、男女バンドが歌うのとでは、きっと意味が違ってくる。ガールズバンドが歌う方がストレートに同性に響くという意味の強さはあるかもしれないけど、本当に強いのはきっと複雑な表現の方なんですよね。なぜなら人間は複雑だから。“俺の彼女”もそういう曲だと思います。

atagi:僕ら五人とも好きなものや感性が微妙に違うから、五人が全員「いいね」って思える曲にするためには、結構な労力が必要なんです。でもそこが大事なのかもしれないですね。

左から:マツザカタクミ、PORIN、モリシー、ユキエ、atagi

―まさに、そうだと思います。“今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる”に関しては、それこそ「オーサムレボリューション」的な考えで、過去のものとされているデュエットソングを今によみがえらせようとしたわけですか?

マツザカ:デュエットソングって、脈々とある文化だというのは何となくわかっているんですけど、「ムード歌謡」みたいなイメージが強くて、2000年代にはあんまり聴かなくなりましたよね。でも、せっかく男女ツインボーカルだし、「デュエットやったらいいんじゃない?」という話になった時に、それを最新版にして提案したいと思ったんです。

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リリース情報

Awesome City Club『Awesome City Tracks 4』
Awesome City Club
『Awesome City Tracks 4』(CD)

2017年1月25日(水)発売
価格:2,160円(税込)
VICL-64707

1. 今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる
2. Girls Don't Cry
3. Sunriseまで
4. Cold & Dry
5. Movin'on
6. 青春の胸騒ぎ
7. Action!

イベント情報

『Awesome Talks -One Man Show 2017-』

2017年4月14日(金)
会場:広島県 八丁堀 SECOND CLUTCH

2017年4月15日(土)
会場:福岡県 BEAT STATION

2017年4月21日(金)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd

2017年4月23日(日)
会場:北海道 札幌 Bessie Hall

2017年5月11日(木)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO

2017年5月14日(日)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2017年5月19日(金)
会場:東京都 赤坂BLITZ

料金:各公演 前売3,800円(ドリンク別)

プロフィール

Awesome City Club
Awesome City Club(おーさむ してぃー くらぶ)

2013年春、それぞれ別のバンドで活動していたatagi(Vo,Gt)、モリシー(Gt,Synth)、マツザカタクミ(Ba,Synth,Rap)、ユキエ(Dr)により結成。2014年4月、サポートメンバーだったPORIN(Vo,Syn)が正式加入して現在のメンバーとなる。「架空の街Awesome Cityのサウンドトラック」をテーマに、テン年代のシティポップをRISOKYOからTOKYOに向けて発信する男女混成5人組。2015年、ビクターエンタテインメント内に設立された新レーベル「CONNECTONE(コネクトーン)」の第一弾新人としてデビュー。2017年1月25日に、4rdアルバム『Awesome City Tracks 4』をリリースし、4月より全国ワンマンツアーを開催することを発表している。

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