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ラックライフ・PONが語る、不安と戦い続けるバンドマンの人生観

ラックライフ・PONが語る、不安と戦い続けるバンドマンの人生観

ラックライフ『Life is beautiful』
インタビュー・テキスト
阿部美香
撮影:豊島望 編集:山元翔一

歳を取るにつれて、バンドだけが人生じゃないってすごく思うんですよね。めっちゃ本音を言えば。

―バンドを辞めようとは、誰も言い出さなかったんですね。

PON:そうですね。気づいたら高校3年生やし、ライブスケジュールも自分らで卒業後まで決めてしまっていて、ライブでオリジナル曲をやり出したらやりがいも感じられるようになり……「俺ら、いつまでこれやるの? まぁ楽しいからええか!」って。それで気づいたら、「バンド! バンド! バンド!」っていう頭に、メンバー四人ともが自然になっていったんですよね。

ラックライフ
ラックライフ

―大学に進学したり就職をした友達を見て、焦ったりすることもなく?

PON:いい具合に四人とも、頭のネジが飛んでるんですよ。10年以上もメンバーチェンジせんと、ずっと続けているバンドって、みんなどこか、いい意味でネジが飛んでるんじゃないかと思う(笑)。

―真っ当な社会人らしからぬ道に進む不安は、そのときなかったですか?

PON:めっちゃ怖かったです。もともと僕、冒険しないタイプなんですよ。ここまでの失敗なら許される、というラインを引きながら生きていくタイプの人間なんですけど、人生でいちばんの大博打を、らしくない決断をしちゃったんですね。だから自分でもびっくりしましたよ。このバンドで、この四人で音楽を作って、ご飯を食べていこうと思えたのって。「お前、なんでそんな根拠のない自信を持ってんねん、ちょっと冷静になれよ」って、あの頃の自分を問いただしたいくらい(笑)。

PON

―そこまで客観的に考えられているPONさんなら、いつだってバンドを辞めることはできたはずのに、今も続けている。

PON:そう……よくも悪くも、僕ら全部パーフェクトタイミングでラッキーが訪れるんですよね。どこの事務所にも所属せず、自分らでずーっとやってきて、「もう25歳やし、けっこうきついわ」って人生をリアルに考え出したときに、今の事務所から声をかけてもらったんです。初めて自分たち以外の熱意のある人たちと一緒に何かを作れるってホッとして。

それから2年やってみたものの……さほど状況は変わらなくて。「そろそろホンマにピンチ、人生やばい!」って思った去年、メジャーデビューの話をいただいて、救われましたね。だから今回の『Life is beautiful』という1stアルバムは、僕らの道のりとか、今思うことを全部詰め込んだ、集大成になったと思うんですよ。

ラックライフ『Life is beautiful』ジャケット
ラックライフ『Life is beautiful』ジャケット(Amazonで見る

―外から見たら順調そうに見えるものなのですが、紆余曲折や浮き沈みがあったと。一般的に言っても、20代は人生を考える機会が相当訪れますし。

PON:ホンマそうなんです。30代手前になると、サラリーマンの人はそろそろ出世とか考えるだろうし、早い人だと結婚して子どもが生まれて、幸せな家庭持っていたりするのに……僕らは機材車転がして、「ホンマ、カツカツやで」って言いながら全国のライブハウスを回ってね。

―CDもそんなに売れない御時世に、なぜそんなしんどい生活に足を踏み入れるんだろうね、と(笑)。

PON:僕も後輩バンドとかにまったく同じことを言ってますから。「こんな時代、絶対バンドなんて売れへんから、ホンマやめとき」って。「音楽だけで食えるか食えないか、みんな瀬戸際やし、実際俺らも売れてるように見えへんやろ?」みたいな(苦笑)。歳を取るにつれて、バンドだけが人生じゃないってすごく思うんですよね。めっちゃ本音を言えば。

PON

たかだか30分でも、お客さんが50人に満たなくても、「人に会いに行ってる」っていう感覚が、僕らを走らせるんです。

―これだけバンドに賭けてきた人が、そう簡単に言える言葉じゃないと思うのですが……PONさん、正直すぎますよ。

PON:2~3年前はホンマに思っていましたからね。仲間のバンドがどんどん辞めていくなかで、寂しいけど、それでその人が幸せになれるんやったらしゃあないじゃないですか? バンドだけが人生じゃないから、だったら趣味でバンドやったらええやんって。たまにみんなでスタジオ入って音鳴らしたほうが、たぶん楽しいし、それで家族もいて、子どももいて幸せやったら、ええ人生やなって。

僕、バンドをやってなくても幸せになる自信がめっちゃあるんですよ。でもそうせえへんのは……今やってることは今しかできひんし、バンドをやってる人生のほうが今は幸せやって思えているからなんです。幸せになる道が見えている気がしてるというか。

―「バンドだけが人生じゃない」ということを知っていて、バンド以外の道でも幸せになれる自信があるPONさんが、どうしてはそこまで言えるのでしょうか?

PON:それはそう思わせてくれるスタッフさんやったり、周りの人たちがいるからなんです。「この人たちと一緒に夢を見たいなあ」って思える人たちがいるから。あとは……もうね、一度でもライブハウスのステージに立ったら抗いがたい気持ちよさがあるんですよ。ライブハウスのステージにだけあるキラキラを一度浴びてもうたら、全部報われたって思っちゃうんです。たかだか30分でも、お客さんが50人に満たなくても。


2017年2月5日のWWW公演より。Photo by MASANORI FUJIKAWA

―ラックライフはインディーズ時代、年間100本以上もライブハウスを回るのが当たり前な活動をしていましたもんね。

PON:「人に会いに行ってる」っていう感覚が、僕らを走らせるんです。それもライブハウスでしか感じられないことで。ライブハウスをやっている人や、その土地で待ってくれてる人に会いに行く。ステージから見える景色がキラキラしてるのって、そういう想いの塊やと思うんですよね。

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リリース情報

ラックライフ『Life is beautiful』
ラックライフ
『Life is beautiful』(CD)

2017年3月15日(水)発売
価格:3,024円(税込)
LACA-15620

1. サニーデイ
2. 初めの一歩
3. view
4. shutto
5. アイトユウ
6. 君の匂い
7. 風が吹く街
8. 素晴らしい世界
9. ラブリープリティーミュージック
10. 変わらない空
11. モーメント
12. 赤い糸
13. 名前を呼ぶよ

イベント情報

『GOOD LUCK 2017』

2017年4月29日(土)
会場:大阪府 なんばHatch

『「生きてるだけで丸儲け」対バンツアー』

2017年5月12日(金)
会場:宮城県 仙台 enn 3rd

2017年5月13日(土)
会場:神奈川県 横浜 BAYSIS

2017年5月14日(日)
会場:愛知県 豊橋 club KNOT

2017年5月16日(火)
会場:京都府 MUSE

2017年5月19日(金)
会場:新潟県 GOLDENPIGS BLACK STAGE

2017年5月21日(日)
会場:北海道 札幌 SPIRITUAL LOUNGE

2017年5月24日(水)
会場:茨城県 水戸 LIGHT HOUSE

2017年5月26日(金)
会場:群馬県 高崎 club FLEEZ

2017年5月27日(土)
会場:埼玉県 西川口 HEARTS

2017年5月28日(日)
会場:千葉県 千葉LOOK

2017年6月2日(金)
会場:三重県 四日市 club chaos

2017年6月9日(金)
会場:佐賀県 佐賀 GEILS

2017年6月10日(土)
会場:福岡県 Queblick

2017年6月11日(日)
会場:広島県 BACK BEAT

2017年6月16日(金)
会場:鳥取県 米子 AZTiC laughs

2017年6月17日(土)
会場:島根県 出雲 APOLLO

2017年6月18日(日)
会場:岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room

『「生きてるだけで丸儲け」ワンマンツアー』

2017年7月8日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-WEST

2017年7月17日(月・祝)
会場:愛知県 名古屋 ell.FITS ALL

2017年7月21日(金)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO

プロフィール

ラックライフ
ラックライフ

大阪・北摂出身の4ピースギターロックバンド。2005年、高校の同級生であったPON(Vo,Gt)、イコマ(Gt,Cho)、たく(Ba)、LOVE大石(Dr)により前身バンドを結成。2008年3月にバンド名を「ラックライフ」に改名し、大阪・東京を中心に全国的な活動をスタート。以降、徹底的に現場主義を貫いたライブ活動を軸に、デモ音源を軒並み完売させるなどコンスタントにリリースを重ねる。2016年5月11日には、TVアニメ『文豪ストレイドッグス』エンディング主題歌となるシングル『名前を呼ぶよ』にて、メジャーデビューを果たす。若くして10年越えのキャリアと絆が培ったグルーヴ、言葉の一つひとつが伝わる力強いメッセージと歌声、ヒットポテンシャルを存分に備えたグッドメロディ……全国津々浦々で熱い血が通ったポップミュージックをかき鳴らし、オーディエンスのみならず時にバンドマンをも魅了する、ザ・ライブバンド。

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