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ラックライフ・PONが語る、不安と戦い続けるバンドマンの人生観

ラックライフ・PONが語る、不安と戦い続けるバンドマンの人生観

ラックライフ『Life is beautiful』
インタビュー・テキスト
阿部美香
撮影:豊島望 編集:山元翔一

「赤い糸」って運命みたいなものと思われているから、あったとしても1本だけじゃないですか。僕、それは信じてなくて。

―ライブハウスという場所にはそういう不思議な力があると。そしてラックライフはそれをどこまでも信じている。

PON:集まってくれているのは見ず知らずの人たちなのに、目の前で1対1で話をしているような感覚がすごくあるんです。そのときにしか会われへんし、その人のことは何にもわからへんし、「俺のこと何も知らんやろ?」って思うけど、その瞬間だけは、なんか通じ合っている感じがすごくするから。

PON

―そこで通じ合える理由って、まさに最初の話に戻りますけど、PONさんが自分のありのままの姿を歌に込めて、自分を救うために歌っているからじゃないですかね? だからPONさんの真っ直ぐな心に、みんなが向き合うことができるというか。

『Life is beautiful』に収録されている“赤い糸”にも、<何の為に歌歌うのか 僕が救われたいだけだった>とありますし。ただ……この曲、ただ自分自身のために歌う以上に、<君の為に歌う>と言いきっているのが、以前のPONさんと変化したことなのかなと。新たな決意みたいなものを感じたんですよね。

PON:この曲は、メジャーデビューしてから作った曲なんですけど、ライブハウスで目の前にいるお客さんとは別で、目に見えないところでも、自分たちの音楽を受け取ってくれている人がすごくたくさんいる、ということを実感した瞬間にできたんです。

PON

―何があったんですか?

PON:北海道のFM局で3か月ほどレギュラー番組をやらせてもらったんですけど、最初は、「俺ら大阪のバンドやし、北海道にも5年くらい前に一度ライブに来ただけで、縁もゆかりもない俺の1時間の喋りなんて誰が聞くねん?」と思ってめっちゃ不安やったんですよ。でも、やっているうちにお便りが届いたり、バンドじゃなく僕ひとりのインストアライブに何十人もの人が観に来てくれたり……。

「メジャーでCD出して、タイアップとかもらったら、もっと多くの人が聴いてくれるかもしれへんな?」と想像はしていたんですけど、「うわ、マジでこんなに伝われるんや!」って実感させてもらって。だから、「そんなんやったら自分のためだけに歌うのは無理やな」と思ったんです。

―地道に活動を続けてきたラックライフやPONさんにとって、苦労やつらかったことが報われるような出来事ですね。

PON:僕らの音楽を支えにしてくれている人がいると改めて知ってしまったら、自分の満足のためだけには歌えないですよ。僕らに想いを届けてくれる「あなた」のことを思い浮かべながら歌うことが、「今の自分にとっていちばん嬉しいことや」という気持ちを、僕とあなたを結ぶ“赤い糸”というタイトルにも込めたんです。

PON

―ラブソングにも受け取れますけども。

PON:そう、ラブソングなんですけど……「赤い糸」って運命みたいなものだと思われているから、あったとしても1本だけじゃないですか。僕、それは信じてなくて、糸は好きなだけ自分で結べばええんちゃうかなって思うんです。

―その糸がイコール、ラックライフの音楽なんですかね?

PON:どんなきっかけであれ、音楽でつながった人たちみんなと、ちゃんと自分たちで赤い糸を結んでいけたらいいなと思いますね。

ラブ&ピースがいちばんいいに決まってるんですよ。全員幸せになったほうが絶対いい。なのになんで、「それ言ったらサムい」みたいな風潮があるんやろ。

―すべてが実体験だから、ラックライフの歌はほんとにウソがない。だから響くんですけど、真っ直ぐすぎて逆に心配になることもあるんですよ。例えば、リードナンバーの“サニーデイ”では、<この世界は愛で満ちている みんながみんな幸せにならなくちゃな>と歌うし、<綺麗事 理想なんとでもいえよ ほんとにそう思うから>とまで言いきっている。いくら歌とはいえ、面と向かって言う照れくささや恥ずかしさってあるじゃないですか。

PON:うん……やっぱそういう風潮ってありますよね、「はいはい」みたいな。「『24時間テレビ』、どうなの?」みたいな話もそうで。僕は「いや、ええやん!」と思うんですよ。ホンマの中枢の人がどう考えているかは、僕らにはわからへんけど、『24時間テレビ』で救われる人がおって、本気の人がいる限りは。

たぶん本気で思っている人は、そしられようがどうしようが、どっちでもいいと思っているはずなんですよ。そこで気持ちがフラつく人って、たぶん真剣に考えてないだけで。

―なるほど、本気で思っていれば他人にどう言われようが関係ないと。

PON:だって、シンプルにラブ&ピースがいちばんいいに決まってるんですよ、誰がどう見ても。全員幸せになったほうが絶対いい。なのになんで、「それ言ったらサムい」とか「そんなん無理無理!」みたいな風潮があるんやろ。やってみないとわからへんやん! と、僕は思いますけどね。

PON

―斜に構えたほうが、頭よさそうに見えるし……みたいな。

PON:それはすごく感じているんです。他人をディスった曲とか、ひねくれて尖った人たちがフィーチャーされていく時代だから。聴くぶんにはそれでいいんですよ。「それ、オモロいな」って思うし。でも、自分はやりたくない。ウソは歌いたくないから、“サニーデイ”も「これ、ウソくさいと思われるんかなあ。怖いけど、俺、ホンマに思ってるから大丈夫」って、勇気出して言いきりました。

―曲調もハッピーですしね。

PON:歌詞も小学生が書いた文章みたいやし(笑)。だけどこの曲には、俺らがライブハウスという空間で感じ続けてきたことが全部詰まってるんですよ。そこで胸を張って歌っている人間のひとりとして、声を大にして言いたかった。こうやって、改めて歌にして、CDにして、いちばん自分のなかでグッとくるところに<みんながみんな幸せになれるように 歌うのさ>という言葉を置くのは、すごく勇気がいることやったし、ドキドキした(笑)。

でもやっぱり生で歌っても、僕はここがいちばんグッとくるんですよ。自分をうまく見せたり、格好つけても、何も面白くないから。それでやいやい言われても、もう知らんと。歌う度に「ホンマそう!」「ホンマそう思ってるから大丈夫! 余裕やわ」って思える歌だけを、これからも正直に歌っていきたいです。

PON

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リリース情報

ラックライフ『Life is beautiful』
ラックライフ
『Life is beautiful』(CD)

2017年3月15日(水)発売
価格:3,024円(税込)
LACA-15620

1. サニーデイ
2. 初めの一歩
3. view
4. shutto
5. アイトユウ
6. 君の匂い
7. 風が吹く街
8. 素晴らしい世界
9. ラブリープリティーミュージック
10. 変わらない空
11. モーメント
12. 赤い糸
13. 名前を呼ぶよ

イベント情報

『GOOD LUCK 2017』

2017年4月29日(土)
会場:大阪府 なんばHatch

『「生きてるだけで丸儲け」対バンツアー』

2017年5月12日(金)
会場:宮城県 仙台 enn 3rd

2017年5月13日(土)
会場:神奈川県 横浜 BAYSIS

2017年5月14日(日)
会場:愛知県 豊橋 club KNOT

2017年5月16日(火)
会場:京都府 MUSE

2017年5月19日(金)
会場:新潟県 GOLDENPIGS BLACK STAGE

2017年5月21日(日)
会場:北海道 札幌 SPIRITUAL LOUNGE

2017年5月24日(水)
会場:茨城県 水戸 LIGHT HOUSE

2017年5月26日(金)
会場:群馬県 高崎 club FLEEZ

2017年5月27日(土)
会場:埼玉県 西川口 HEARTS

2017年5月28日(日)
会場:千葉県 千葉LOOK

2017年6月2日(金)
会場:三重県 四日市 club chaos

2017年6月9日(金)
会場:佐賀県 佐賀 GEILS

2017年6月10日(土)
会場:福岡県 Queblick

2017年6月11日(日)
会場:広島県 BACK BEAT

2017年6月16日(金)
会場:鳥取県 米子 AZTiC laughs

2017年6月17日(土)
会場:島根県 出雲 APOLLO

2017年6月18日(日)
会場:岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room

『「生きてるだけで丸儲け」ワンマンツアー』

2017年7月8日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-WEST

2017年7月17日(月・祝)
会場:愛知県 名古屋 ell.FITS ALL

2017年7月21日(金)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO

プロフィール

ラックライフ
ラックライフ

大阪・北摂出身の4ピースギターロックバンド。2005年、高校の同級生であったPON(Vo,Gt)、イコマ(Gt,Cho)、たく(Ba)、LOVE大石(Dr)により前身バンドを結成。2008年3月にバンド名を「ラックライフ」に改名し、大阪・東京を中心に全国的な活動をスタート。以降、徹底的に現場主義を貫いたライブ活動を軸に、デモ音源を軒並み完売させるなどコンスタントにリリースを重ねる。2016年5月11日には、TVアニメ『文豪ストレイドッグス』エンディング主題歌となるシングル『名前を呼ぶよ』にて、メジャーデビューを果たす。若くして10年越えのキャリアと絆が培ったグルーヴ、言葉の一つひとつが伝わる力強いメッセージと歌声、ヒットポテンシャルを存分に備えたグッドメロディ……全国津々浦々で熱い血が通ったポップミュージックをかき鳴らし、オーディエンスのみならず時にバンドマンをも魅了する、ザ・ライブバンド。

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