特集 PR

Aimerとプロデューサー玉井健二が今だから語る、Aimer誕生秘話

Aimerとプロデューサー玉井健二が今だから語る、Aimer誕生秘話

『京都岡崎音楽祭 OKAZAKI LOOPS』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
編集:宮原朋之

先頃、デビューから5年余のあいだに生み出してきた代表曲をまとめ上げたベスト盤をリリースした、Aimer。当初プロフィールやビジュアルなど多くの情報が伏せられていたにもかかわらず、ハスキーで甘い歌声の奥底に、ある種の切実さや深い孤独を感じさせる彼女の歌声は、徐々に――けれども着実にファンを増やし、今やシーンにおいて独特なポジションを築き上げていると言えるだろう。

ベスト盤のリリース後は、6月に京都の文化エリア岡崎で開催される音楽祭『OKAZAKI LOOPS』にて、「agehasprings produce《node_vol.1》featuring Aimer×LOOPS strings」と題した特別公演を行うことが決定している。そんなAimerについて語る際に忘れてはならないのは、デビュー以前から彼女とタッグを組み、「Aimer」というアーティストを共に作り上げてきた、音楽クリエイター集団「agehasprings」を率いる音楽プロデューサー、玉井健二の存在だ。

Aimerと玉井健二の二人に、その出会いから、今だからこそ話せるプロデュース方針、さらには『OKAZAKI LOOPS』で試みようとしている音楽的なチャレンジについてまで、じっくりと語ってもらった。いわゆるアーティストとプロデューサーの関係を超えた二人の深い絆とは、果たしてどんなものなのか。

私の人生のなかで他にいないんじゃないかっていうぐらい、玉井さんは「声」を理解しています。(Aimer)

―Aimerさんと玉井さんは、これまでずっとタッグを組んで音楽制作をしていますが、振り返るとどんな出会いだったのでしょうか?

玉井:6、7年くらい前に、とあるきっかけがあって、Aimerの歌を聴いたんですよね。その時、この声をもっとたくさんの人に知ってほしいなって思ったんです。それで会ってみたら、人間も面白かった(笑)。

玉井健二(agehasprings)
玉井健二(agehasprings)

Aimer:(笑)。もちろん私は当時からagehaspringsを知っていました。だから、玉井さんのことも一方的に知ってはいて、実際はどんな人なんだろうと思っていたんです。そしたらこんな感じで、すごく気さくにお話してくださるし、すぐにいろんなことを見抜いて、指摘してくださったんですよね。

―どんなことを見抜かれたんですか?

Aimer:私が声をすごく好きなことであるとか……、他の人の音楽を聴くときも、とにかくいい声が好きなんです。自分もそういう声になりたいと思っていて、昔からいろんな声を研究していたんです。だから、自分の声をいちばんいい形で表現したいっていう欲求がすごく強いんですけど、玉井さんはそれをすぐに察してくれて。

Aimer
Aimer

―聴くときも歌うときも、声が非常に重要であると。

Aimer:究極的に言えば、声も楽器のひとつであると捉えているところがあります。玉井さんは、声というものをすごくわかっている方なんですよね。ここまでわかっている人は、私の人生のなかで他にいないんじゃないかっていうぐらい、声というものを理解しています。最初からその部分に絶対の信頼があるんですよね。

玉井:要は、二人ともボーカルおたくなんですよ(笑)。最初から、ボーカルおたく同士の信頼関係があるというか。

Aimer:(笑)。でも、ホントにそういう感じかもしれないです。これまで、いろんな方にディレクションされてきましたけど、玉井さんほどボーカルのことをわかっている方は、他にいないと思っているので。

いちばん素晴らしい歌っていうのは、実は「歌が上手いね」って言われない歌だったりするんです。(玉井)

―歌い手であるAimerさんが声にこだわるのはともかく、玉井さんが声にこだわるのは、もともとですか? それとも、プロデューサーとしての経験からでしょうか?

玉井:両方ですね。これまでいろんな音楽に触れてきましたけど、最初の数秒で心を掴まれるのは、どんな楽器よりもやっぱり声なんです。もう一方で、長年音楽を作り続けてきたなかで、どんなに最新のテクノロジーを使っても、声だけはいじりきれないっていうことがありました。

たとえば、ストリングスやギターの音ですら、今はもう機械で作れるわけです。もちろん、生楽器の素晴らしさはあるけど、コンピューターの画面上でエディットする弦モノの素晴らしさと交わって今の音楽は作られている。ただ、数秒で良いって思える声だけはやっぱり作れないんです。多分人間が歌って人間が聴く以上、そこはどうにもできない。

―なるほど。

玉井:であるがゆえに価値がある。だからこそ人は、声に惹かれるんじゃないかって思っているんです。アレンジする人間として、声がどうなっているか、歌がどうなっているかっていうのは、最終的に絶対避けて通れないんですよ。結局、それが曲全体の7割以上を決めてしまうから。

世間の人が、「これはカッコ良いアレンジだ」って言っている曲は、意外と普通だったりするんです。それはアレンジというよりも、実は歌が良いということが多々ある。これはあんまり僕とかがインタビューで言っちゃいけないんですけど(笑)。

Aimer:(笑)。

玉井:そんななかでいちばん素晴らしい歌っていうのは、実は「歌が上手いね」って言われない歌だったりする。みんな、理由はわからないけど好きな曲ってあると思うけど、その場合、実は必ずと言っていいほど歌が素晴らしかったりするんですよね

―それは、技術的な「歌の上手さ」ではなくて?

玉井:そうです。技術とは違うところの良さがあるんですよね。それができる人は、音楽をやる上で僕はいちばん偉いと思っています。同じ演技をしていても、やっぱり良いって言われる女優さんがいますよね。それと同じように、素晴らしい声で素晴らしい歌を歌う、しかも、それを自分でちゃんと作っていける人が、僕はいちばん優れていると思っているんです。

Page 1
次へ

イベント情報

『京都岡崎音楽祭 2017 OKAZAKI LOOPS』
『京都岡崎音楽祭 2017 OKAZAKI LOOPS』

2017年6月10日(土)、6月11日(日)
会場:京都府 ロームシアター京都、平安神宮、岡崎公園ほか

agehasprings produce《node_vol.1》featuring Aimer×LOOPS strings クリエイターズトークセッション
agehasprings produce《node_vol.1》featuring Aimer×LOOPS strings クリエイターズトークセッション

2017年6月11日(日)OPEN16:00 / START17:00
会場:京都府 パークプラザ 3F共通ロビー
出演:
玉井健二(音楽プロデューサー、agehasprings CEO)
百田留衣(音楽プロデューサー、agehasprings)
野間康介(音楽プロデューサー、agehasprings)
モデレーター:沢木祐介(構成作家)
料金:無料
※事前申込完了の方から優先着席
※ビデオ・スチール撮影有
主催:OKAZAKI LOOPS実行委員会 / MBS / ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団) / 京都岡崎 蔦屋書店
企画・制作:agehasprings Open Lab. / aspr

リリース情報

Aimer『BEST SELECTION “noir”』
Aimer
『BEST SELECTION “noir”』(CD)

2017年5月3日(水)発売
価格:2,980円(税込)
SECL-2143

Aimer『BEST SELECTION “blanc”』
Aimer
『BEST SELECTION “blac”』(CD)

2017年5月3日(水)発売
価格:2,980円(税込)
SECL-2148

プロフィール

Aimer
Aimer(えめ)

女性シンガーソングライター。幼少期よりピアノやギターでの作曲や英語での作詞を始め、15歳のとき声が一切出なくなるアクシデントの末に独特の歌声を獲得する。2011年から音楽活動を本格化し、同年9月にシングル「六等星の夜 / 悲しみはオーロラに / TWINKLE TWINKLE LITTLE STAR」でメジャーデビューを果たす。以降、「夏雪ランデブー」「機動戦士ガンダムUC」といったアニメ作品のテーマソングを担当する。2014年6月に2ndアルバム「Midnight Sun」と、澤野弘之らとのコラボレーションアルバム「UnChild」を同時発売し、同年9月には菅野よう子、青葉市子らが参加する新作「誰か、海を。」を発表した。2015年7月に3rdフルアルバム「DAWN」をリリース。2016年7月にONE OK ROCKのTaka(Vo)と凛として時雨のTK(Vo,G)が提供およびプロデュースした楽曲を収めた両A面シングル「insane dream / us」、8月にRADWIMPSの野田洋次郎(Vo,G)制作の「蝶々結び」を収めたシングルをリリース。9月にTaka、野田のほか、内澤崇仁(androp)、スキマスイッチが楽曲提供およびプロデュースをした新曲を含むアルバム「daydream」を発表し話題を集める。2017年5月にベストアルバム「BEST SELECTION“blanc”」と「BEST SELECTION“noir”」を同時リリース。8月に初の東京・日本武道館公演を行う。

玉井健二(たまいけんじ)

音楽プロデューサー。クリエイターズ・ラボ「agehasprings」主宰。YUKI、中島美嘉、JUJUなどJ-POPシーンを代表する数々のアーティストのヒットを創出する傍ら自身のユニット元気ロケッツでは世界中の音楽ユーザーから絶大な支持を得ている。またagehasprings代表として蔦谷好位置、田中ユウスケ、田中隼人、百田留衣、飛内将大、釣俊輔など気鋭のクリエイターを続々と発掘し世に送り出し、2011年のメジャーデビュー前よりAimerのプロデュースおよびマネジメント代表を務める。近年では最新3DCG技術やAR演出をフィーチャーしたライブイベント『Synapples2.0』や、岡崎LOOPSでの『node_vol.1』をはじめとするライブイベントのプロデュースも手掛けるなど、幅広い分野で活躍している。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

『悲しみに、こんにちは』予告編

映画『悲しみに、こんにちは』予告編。両親の死によって、都会から田舎の伯父伯母のもとに引き取られることになった少女・フリダ。スペイン・カタルーニャで過ごす彼女の、きらめくようなひと夏の様子が、新鋭監督による瑞々しい感性によって描かれています。映画批評サイト「ロッテン・トマト」100%Fresh獲得も納得の一作です。(久野)

  1. 『デザインあ展』が科学未来館で開催。体験型作品も多数の会場内をレポート 1

    『デザインあ展』が科学未来館で開催。体験型作品も多数の会場内をレポート

  2. 吉岡里帆主演『健康で文化的な最低限度の生活』 生活保護描く新ドラマ 2

    吉岡里帆主演『健康で文化的な最低限度の生活』 生活保護描く新ドラマ

  3. ドラマ『恋のツキ』に安藤政信&欅坂46・今泉佑唯が出演 恋物語をかき乱す 3

    ドラマ『恋のツキ』に安藤政信&欅坂46・今泉佑唯が出演 恋物語をかき乱す

  4. ケンドリック・ラマーの黒塗り広告が突如、霞ヶ関駅&国会議事堂前駅に出現 4

    ケンドリック・ラマーの黒塗り広告が突如、霞ヶ関駅&国会議事堂前駅に出現

  5. 夏帆「ドッキドキ」 TOWA TEI「SRATM」新曲“ダキタイム”PVに出演 5

    夏帆「ドッキドキ」 TOWA TEI「SRATM」新曲“ダキタイム”PVに出演

  6. SNSでイラストの支持を集めた雪下まゆが語る、作風への葛藤 6

    SNSでイラストの支持を集めた雪下まゆが語る、作風への葛藤

  7. アニメキャラ100の名言が新宿地下を占拠 『Netflix “アニ名言”ジャック』 7

    アニメキャラ100の名言が新宿地下を占拠 『Netflix “アニ名言”ジャック』

  8. 『華氏451度』『一九八四年』などSF作がTシャツに 早川書房×トーハン企画 8

    『華氏451度』『一九八四年』などSF作がTシャツに 早川書房×トーハン企画

  9. 細田守が語る、映画『未来のミライ』で描きたかった現代の家族像 9

    細田守が語る、映画『未来のミライ』で描きたかった現代の家族像