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Aimerとプロデューサー玉井健二が今だから語る、Aimer誕生秘話

Aimerとプロデューサー玉井健二が今だから語る、Aimer誕生秘話

『京都岡崎音楽祭 OKAZAKI LOOPS』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
編集:宮原朋之

いろんなカルチャーもそうですけど、音楽は交わり続けないと進化しない。(玉井)

―先程、玉井さんが言ったようなコラボレーションの具体例として野田洋次郎(RADWIMPS)、Taka(ONE OK ROCK)、TK(凛として時雨)など、錚々たるアーティストたちの提供曲を含むベスト盤が今回リリースされました。デビュー5周年を迎えて、とりあえず一周回った感じもありますか?

Aimer:いや、むしろ、ここからですね。

玉井:白と黒のイメージを出せるアーティストになりたいっていうのはひとつ目標だったんですけど、今回のベスト盤で実際そういうアーティストになれた。その上で、これからどういうものをやっていくかに、集中できるようになりましたね。

Aimer『BEST SELECTION “noir”』通常盤ジャケット
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Aimer『BEST SELECTION “blanc”』通常盤ジャケット
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―ベスト盤リリース後の大きな試みのひとつとして、まずは6月に『OKAZAKI LOOPS』のステージがあります。こちらは、「agehasprings produce」という形になっていますが、この公演はどういう経緯で進んだのでしょう?

玉井:今回、『OKAZAKI LOOPS』さんからお話をいただいて、自分たちがやることに意味があるなと思えたのは、『OKAZAKI LOOPS』がやろうとしていること自体が、僕らずっとやり続けてきたものと同じだって思ったからなんです。

『京都岡崎音楽祭2017 OKAZAKI LOOPS』
『京都岡崎音楽祭2017 OKAZAKI LOOPS』

昨年の『OKAZAKI LOOPS』でAimerが出演した『ALMA MUSIC BOX:死にゆく星の旋律』コンサートの様子
昨年の『OKAZAKI LOOPS』でAimerが出演した『ALMA MUSIC BOX:死にゆく星の旋律』コンサートの様子

―それはどういうことでしょうか?

玉井:今回「node_vol.1」というタイトルをつけましたけど、「node」というのは交点、何かと何かが交わる場所であるという意味なんですね。音楽もそうだし、いろんなカルチャーもそうですけど、やっぱり交わり続けないと進化しないんですよね。

特に音楽というのは、もうずいぶん前に旋律の限界とかリズムの限界がわかっているわけです。そこからどうやって新しいものを発見していくかというと、今まで交わったことのないものと、どう交わっていくかなんですよ。

―なるほど。

玉井:『OKAZAKI LOOPS』が開催される京都という街も、実はいろんなものと交わり続けてきたからこそ、今も残っていると思うんです。京都という街には、他と交わり続けても決して失われない、確固たる魅力がある。それがないと、やっぱり廃れてしまいますし、その魅力をもっと知りたい。それは京都にやってくる人がみんなが思うことですよね。

―確かにそうですね。

玉井:あくまでも、「京都の岡崎から、世界に発信する」というコンセプトであれば、やっぱりいちばんいいものを発信したい。そういうことであれば、agehaspringsとしては、やっぱりAimerのライブがいちばんいいだろうという流れでした。

―交わっても失われない魅力というのは、Aimerさんの歌にもありますよね。

玉井:一緒ですよね。何と混ざっても失われない魅力がある。Aimerは、今の時代のファッション性を代表している人ではないし、極めて普遍的なものを実直に突き詰めるタイプのアーティストだと思うけど、なぜか新しく見えるところがあるんですよね。つまり、普遍的なものと最先端のものが、入り混じっているんです。

今までやったことのないことにチャレンジできるのも、自分が声だけで挑戦してきたから。(Aimer)

―今回のテーマのひとつに、「ワールドミュージック」を挙げていますね。

玉井:「ワールドミュージック」という視点で、今のAimerが感じている、言語や時間を超えて世界の「交点」になっているようなものを音楽として表現してみようという主旨です。新しいサウンドを作るときには、むしろプリミティブな要素が必要で、京都のプリミティブって何だろうっていうのを、Aimerといろいろと研究していました。

そこで僕らが引っ掛かっていたのが、「わらべ歌」って言われている京都に自然発生した楽曲です。今を生きるAimerが、それをいちばん新しいと思える形で表現して、ボーカルと生のストリングス、デジタルなサウンドの「交点」を探ってみる試みです。

昨年『OKAZAKI LOOPS』でAimerが出演した『ALMA MUSIC BOX:死にゆく星の旋律』の様子
昨年『OKAZAKI LOOPS』でAimerが出演した『ALMA MUSIC BOX:死にゆく星の旋律』の様子

―当日は、かなりスペシャルな演目になりそうですね。

Aimer:多分わらべ歌ってわからないくらい、度肝を抜かれるアレンジになっています。京都だからこそやる曲もあるし、編成もストリングスと一緒なので、曲目も内容も全部ユニークなものなると思います。あと、そういう試みとは別にいま私自身が歌いたかった曲のカバーもやる予定なんです。

―ベスト盤を出したあと、今のAimerさんだからこそできることですね。

Aimer:そうですね。これまで自分がいろんな活動をしてきたいろんな方々と交わる「交点」でも、「声」で勝負してきました。今回のステージも、自分のキャリアから考えたら、チャレンジしたことのないことばっかりなんです。でも、それができるのも、自分がいろんなものにとらわれず、枠にはまらず、声だけで挑戦してきたからだと思うんですよね。

玉井:Aimerは今度の『OKAZAKI LOOPS』のような大きな会場で、たくさんお客さんをお招きするようなライブをやり始めて、実はまだそんなに時間が経っていないんです。

Aimerの公演が行われる ロームシアター京都 メインホール 撮影:小川重雄
Aimerの公演が行われる ロームシアター京都 メインホール 撮影:小川重雄

―そうやって大勢の前でライブを重ねることによって、Aimerのなかでも何か変化が生まれたのでは?

Aimer:私は単純に歌うことが好きなんですけど、レコーディングブースに入ってひとりで歌うときと、ライブのように、その瞬間に受け取ってくれる誰かがいるときの歌は、体感としてもう全然違っていて、それは私にとっては、すごく大きいことです。

そうやって観てくれる人たちがいなかったら、ここまでできなかったなって思うような歌がいっぱい生まれてきたし、ライブを重ねるたびにもっと気持ち良いものとして届けたいっていう欲求がどんどん出てくるんです。だからいつも自分が試される場所でもあります。ライブを観るたびに、もっともっといいなって思ってもらえるような人でいたいなって思っています。

―さらに8月には、武道館での単独ライブも決定しています。どんな感じになるんでしょうね。

Aimer:私は、歌っていうものは、もう隠しようもなく人間が出るものだと思っていて。実際、自分もそういうふうに、音楽のなかで自分をさらけ出してきたと思っているんですよね。だから、武道館は、そのとき歌える歌を、いちばんいい形で届けたいっていう……ただ、それだけです(笑)。

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イベント情報

『京都岡崎音楽祭 2017 OKAZAKI LOOPS』
『京都岡崎音楽祭 2017 OKAZAKI LOOPS』

2017年6月10日(土)、6月11日(日)
会場:京都府 ロームシアター京都、平安神宮、岡崎公園ほか

agehasprings produce《node_vol.1》featuring Aimer×LOOPS strings クリエイターズトークセッション
agehasprings produce《node_vol.1》featuring Aimer×LOOPS strings クリエイターズトークセッション

2017年6月11日(日)OPEN16:00 / START17:00
会場:京都府 パークプラザ 3F共通ロビー
出演:
玉井健二(音楽プロデューサー、agehasprings CEO)
百田留衣(音楽プロデューサー、agehasprings)
野間康介(音楽プロデューサー、agehasprings)
モデレーター:沢木祐介(構成作家)
料金:無料
※事前申込完了の方から優先着席
※ビデオ・スチール撮影有
主催:OKAZAKI LOOPS実行委員会 / MBS / ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団) / 京都岡崎 蔦屋書店
企画・制作:agehasprings Open Lab. / aspr

リリース情報

Aimer『BEST SELECTION “noir”』
Aimer
『BEST SELECTION “noir”』(CD)

2017年5月3日(水)発売
価格:2,980円(税込)
SECL-2143

Aimer『BEST SELECTION “blanc”』
Aimer
『BEST SELECTION “blac”』(CD)

2017年5月3日(水)発売
価格:2,980円(税込)
SECL-2148

プロフィール

Aimer
Aimer(えめ)

女性シンガーソングライター。幼少期よりピアノやギターでの作曲や英語での作詞を始め、15歳のとき声が一切出なくなるアクシデントの末に独特の歌声を獲得する。2011年から音楽活動を本格化し、同年9月にシングル「六等星の夜 / 悲しみはオーロラに / TWINKLE TWINKLE LITTLE STAR」でメジャーデビューを果たす。以降、「夏雪ランデブー」「機動戦士ガンダムUC」といったアニメ作品のテーマソングを担当する。2014年6月に2ndアルバム「Midnight Sun」と、澤野弘之らとのコラボレーションアルバム「UnChild」を同時発売し、同年9月には菅野よう子、青葉市子らが参加する新作「誰か、海を。」を発表した。2015年7月に3rdフルアルバム「DAWN」をリリース。2016年7月にONE OK ROCKのTaka(Vo)と凛として時雨のTK(Vo,G)が提供およびプロデュースした楽曲を収めた両A面シングル「insane dream / us」、8月にRADWIMPSの野田洋次郎(Vo,G)制作の「蝶々結び」を収めたシングルをリリース。9月にTaka、野田のほか、内澤崇仁(androp)、スキマスイッチが楽曲提供およびプロデュースをした新曲を含むアルバム「daydream」を発表し話題を集める。2017年5月にベストアルバム「BEST SELECTION“blanc”」と「BEST SELECTION“noir”」を同時リリース。8月に初の東京・日本武道館公演を行う。

玉井健二(たまいけんじ)

音楽プロデューサー。クリエイターズ・ラボ「agehasprings」主宰。YUKI、中島美嘉、JUJUなどJ-POPシーンを代表する数々のアーティストのヒットを創出する傍ら自身のユニット元気ロケッツでは世界中の音楽ユーザーから絶大な支持を得ている。またagehasprings代表として蔦谷好位置、田中ユウスケ、田中隼人、百田留衣、飛内将大、釣俊輔など気鋭のクリエイターを続々と発掘し世に送り出し、2011年のメジャーデビュー前よりAimerのプロデュースおよびマネジメント代表を務める。近年では最新3DCG技術やAR演出をフィーチャーしたライブイベント『Synapples2.0』や、岡崎LOOPSでの『node_vol.1』をはじめとするライブイベントのプロデュースも手掛けるなど、幅広い分野で活躍している。

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