特集 PR

YOUR SONG IS GOODの変貌の裏 ダンスミュージック&ハワイ談義

YOUR SONG IS GOODの変貌の裏 ダンスミュージック&ハワイ談義

YOUR SONG IS GOOD『Extended』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:豊島望 編集:山元翔一

YOUR SONG IS GOODが3年半ぶりにリリースした6thアルバム『Extended』が本当に素晴らしい。ダンスミュージックに接近した前作『OUT』をさらに発展させたアプローチで、ディスコやコンテンポラリーなレゲエやダブに根ざしたループの快楽を導くダンスミュージックの方法論を研ぎすませた本作は、YOUR SONG IS GOODの新たなクラシックというべき聴き応えがある。バンドの中心メンバーであるサイトウ“JxJx”ジュンは本作に関して、「とにかくシンプルに気持ちのいい音楽を作りたかった」と語る。

このインタビューでは、近年彼が心酔しているアンダーグラウンドのダンスミュージックのなかから厳選したレコードの解説をはじめ、2010年以降足繁く訪れているハワイへの偏愛といった、YOUR SONG IS GOODの現在進行形のモードを裏づける重要なトピックをたっぷり語ってもらった。

「自分の半径10メートル以内に転がっている面白いことに気づけるか」ということをパンクやハードコアに教わった。

―まず、『Extended』の話をしたいんですけど、本当に素晴らしいですね。

サイトウ:ありがとうございます。でも、自分ではまだあまり客観的に捉えられてなくて(笑)。ただ、周りの友だちにも聴いてもらってるんですけど、みんな楽しんでくれてるみたいでよかったなと思ってます。

―いつもアルバム完成直後はなかなか手応えを実感できないんですか?

サイトウ:いつもそうですけど、今作は特に手応えを感じられていないかもしれないです(笑)。

サイトウ“JxJx”ジュン
サイトウ“JxJx”ジュン

―その要因はなんだと思いますか?

サイトウ:今作は、最初にアルバムの全体像を描いて設計図通りに作る、っていうような制作を全くしてないのが大きいかもしれないです。今までは、ある程度は全体像が見えたうえで、そこに向かって形を整えていくという作り方をしていたので。

―ただ、『Extended』は間違いなく前作『OUT』(2013年)がなければ生まれなかった作品だと思うんですね。それは「拡張」を意味するアルバムタイトルにも繋がっているのかなと。

サイトウ:うん、そこは関係ありますね。今作を作るにあたって、とにかくシンプルに気持ちのいいアルバムを作りたいと思ったんですけど、そういうテーマで曲作りやアルバム作りに臨んだことは今までなくて。

―テーマがシンプルすぎて全体像を見えなかったのかもしれないですね。

サイトウ:そうだと思います。

サイトウ“JxJx”ジュン

―そうして完成したこのアルバムは、まさに「グッドミュージック集」という聴き応えがあって。『OUT』は聴感としてもハイパーという感じだったけど、『Extended』はYOUR SONG IS GOOD(以下、ユアソン)の新たなスタンダードともいえるアルバムだと思いました。

サイトウ:ありがとうございます。このバンドを20年近くやってきて、若いときにあった「新しい音楽を作ってみたい」とかっていうような、テンションがなくなったんでしょうね(笑)。今の僕たちが思う「面白いこと」は、そこじゃないのかもと。

―それは成熟とも言えるんですかね?

サイトウ:成熟と言ってもらえたらカッコいいですけど(笑)。それよりも、ハワイによく行くようになって、「抗えない気持ちよさがこの世にある」ということを体験したのが大きいんですよね。これまで生きてきたなかでは、そういう部分に重きを置いてなかったんです。もうちょっと刺激的なものといいますか、聴いたことのない新しい音楽を作ってみたいとかっていうほうに比重があって。

―衝動的なものというか。

サイトウ:そう、衝動的なものといってもいいですね。だから、僕にとっては「シンプルに気持ちのいいアルバムを作りたいというモード」は新感覚だったんです。歳を重ねるとともに自然とそういうテーマがフィットするようになったところはあります。

―「普遍的な音楽を求める感覚」がサイトウさんのなかで新しかった。

サイトウ:そうです、そうです。最初からそういうところを目指しているミュージシャンはいっぱいいると思うんですけど。

―サイトウさんのキャリアからしても、先鋭的な音楽を追い求め続けてきたところがあると思いますし。

サイトウ:最初の始まりとして、パンク / ハードコアのカルチャーに触れた影響がデカいんですよね。「自分の半径10メートル以内に転がっている面白いことに気づけるか」ということをパンクやハードコアに教わった気がしていて。それはいわゆる「DIY精神」ですよね。面白いと思うことがなければ、自分で作ればいい。友だちと面白い遊びを考えればいいという。カクバリズムというレーベルもそういう感じで始まってるんですよね。

Page 1
次へ

リリース情報

YOUR SONG IS GOOD『Extended』初回限定盤
YOUR SONG IS GOOD
『Extended』初回限定盤(2CD)

2017年5月10日(水)発売
価格:3,348円(税込)
DDCK-9006

[CD1]
1. Cruise
2. New Dub
3. Mood Mood
4. Double Sider
5. Palm Tree
6. On
7. Waves
[CD2]
1.The Cosmos(Being Borings Remix)
2. Changa Changa(Lord Echo's Disco-Remix)
3. Re-Search(FORCE OF NATURE Remix)
4. Waves(Gonno Remix)
5. Double Sider(XTAL Remix)

YOUR SONG IS GOOD『Extended』通常盤
YOUR SONG IS GOOD
『Extended』通常盤(CD)

2017年5月10日(水)発売
価格:2,808円(税込)
DDCK-1049

1. Cruise
2. New Dub
3. Mood Mood
4. Double Sider
5. Palm Tree
6. On
7. Waves

ツアー情報

YOUR SONG IS GOOD
『6th ALBUM Release ONEMAN TOUR』

2017年5月20日(土)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2017年5月28日(日)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd

2017年6月3日(土)
会場:大阪府 梅田 Shangri-La

2017年6月11日(日)
会場:福岡県 Early Believers

2017年7月1日(土)
会場:東京都 渋谷 WWW X

イベント情報

『SOUL TIME IN TOKYO - OPENING PARTY』

2017年5月26日(金)
会場:東京都 原宿 TOKYO CULTUART by BEAMS
DJ:
ALOHA GOT SOUL(from Hawaii)“100% HAWAIIAN VINYL SET”
DJ NOTOYA“JAPANESE TROPICAL VINYL SET”
LIVE:
JUN “JxJx” SAITO(YOUR SONG IS GOOD)
VIDEOTAPEMUSIC

『SOUL TIME IN TOKYO - AFTER PARTY』

2017年5月26日(金)
会場:東京都 三軒茶屋a-bridge
DJ:
ALOHA GOT SOUL(from Hawaii)
HIROSHI KAWANABE(TOKYO No1 SOULSET)
JUN “JxJx” SAITO(YOUR SONG IS GOOD)
SHOHEI TAKAGI(cero)
DJ YAMA
DJ NOTOYA

プロフィール

YOUR SONG IS GOOD
YOUR SONG IS GOOD(ゆあそんぐいずぐっど)

1998年東京で結成。カクバリズム所属。通称YSIG。サイトウ“JxJx”ジュン、ヨシザワ“MAURICE”マサトモ、シライシ“JICHO”コウジ、ハットリ“SHORTY”ヤスヒコ、タカダ“DAATAKA”ヒロユキ、タナカ“ZEERAY”レイジに、現在、サポートパーカッショニストの松井泉を加えた7人体制。はじまりはパンクロック、今はあえて言うならオリジナルなダンス音楽を演奏するインストゥルメンタルバンド。DIYなスタジオライブから、ライブハウス、クラブ、FUJIROCKグリーンステージ等の巨大野外ロックフェスまで、ジャンル、場所、雰囲気、メジャー/インディ、時間帯、問わず、定評のあるライブを展開中。またオリジナルアルバム、7インチシングル、コンピ等、これまでに数多くの作品を、様々なスタイルと対峙しながら生み出す。2017年5月10日、約3年半ぶりとなる6thアルバム『Extended』をリリース。感度良好な音楽愛好家達からの賞賛を浴びつつ、只今、キャリア史上もっとも目が離せないGOD ONLY KNOWS状態で諸々進行中である。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

突然少年“火ヲ灯ス”

教室でも放課後でも負け続けたこと、弱さ故に大事な友達も傷つけてきたことーー振り返るほど情けなさでズタズタになってきた自分達の青春を全部吐き出しながら、だからこそ今まで裏切らず側にいてくれた人を離さず抱き締めて生きていきたいのだと表明する1stアルバムが『サンキュー・マイ・フレンド・アンド・マイ・ファミリー』だ。ブッチャーズ、eastern youth、NUMBER GIRLを抱き締めて離さない号泣ファズは変わらぬまま、アルバムタイトルの通り「誰に何を歌いたいのか」に重心を置いた結果としてバンドサウンドが撚られ、歌がグッと前に出た。汗と唾を撒き散らす激情の成分はやや減ったが、あなたと友達になりたい、友達との絆を目一杯歌いたい、だからまずは自分達が素っ裸になってあなたと向き合いたいという意志がスウィートなメロディに乗って突き抜けている。「たったそれだけ」をたったひとりに伝えるためにもんどり打つ、バンドの核心がそのまま映し出されたMV。端からライブの中核を担ってきた名曲がさらに躍動している。(矢島大地)

  1. 『天空の城ラピュタ』ムスカのサングラス&パズーのゴーグル型眼鏡、商品化 1

    『天空の城ラピュタ』ムスカのサングラス&パズーのゴーグル型眼鏡、商品化

  2. ワンピース麦わらの一味が高校生に、カップヌードル新CM 楽曲はバンプ 2

    ワンピース麦わらの一味が高校生に、カップヌードル新CM 楽曲はバンプ

  3. 『ロッキン』第4弾でスピッツ、くるり、あいみょん、Juice=Juiceら51組 3

    『ロッキン』第4弾でスピッツ、くるり、あいみょん、Juice=Juiceら51組

  4. Vampire Weekendを紐解く6つの視点 オロノ、角舘健悟らが綴る 4

    Vampire Weekendを紐解く6つの視点 オロノ、角舘健悟らが綴る

  5. 椎名林檎、新AL『三毒史』収録曲“鶏と蛇と豚”PV公開 監督は児玉裕一 5

    椎名林檎、新AL『三毒史』収録曲“鶏と蛇と豚”PV公開 監督は児玉裕一

  6. 光石研&松重豊&鈴木浩介が故郷の福岡をノープランでドライブする旅番組 6

    光石研&松重豊&鈴木浩介が故郷の福岡をノープランでドライブする旅番組

  7. 『スパイダーマン』新作、トムホやゼンデイヤら4人のキャラポスター公開 7

    『スパイダーマン』新作、トムホやゼンデイヤら4人のキャラポスター公開

  8. 王舟と夏目知幸のフレンドシップ。アドバイスで心の花を咲かせ合う 8

    王舟と夏目知幸のフレンドシップ。アドバイスで心の花を咲かせ合う

  9. 福山雅治×石田ゆり子 映画『マチネの終わりに』に伊勢谷友介、桜井ユキら 9

    福山雅治×石田ゆり子 映画『マチネの終わりに』に伊勢谷友介、桜井ユキら

  10. tofubeatsが音楽を続けてきたわけ。その道を極めることの面白さ 10

    tofubeatsが音楽を続けてきたわけ。その道を極めることの面白さ