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『ゼロの書』OPを歌うたぴみるが涙ながらに語る、夢を叶える術

『ゼロの書』OPを歌うたぴみるが涙ながらに語る、夢を叶える術

たぴみる『発見者はワタシ』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:豊島望 編集:山元翔一、飯嶋藍子
2017/06/05
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「ワナビー」という言葉がある。英語の「wanna be」から来ている言葉で、漠然と何者かになりたがる人のことを揶揄する時に使われる言葉だ。しかしながら、何かになりたいと思うこと、つまり夢を持つことは、本来、とても尊いことではなかっただろうか。

なぜ、「ワナビー」などという言葉が生まれるのかと言えば、きっと夢や憧れが、時として「他人の人生」を生きることに直結してしまうからなのだろう。勘違いしてはいけないのは、私たちは何にだってなれるが、同時に、自分自身にしかなれない、ということだ。夢とは、どこまでも「自分の人生」の問題なのだ。

今年の4月より放送されているアニメ『ゼロから始める魔法の書』のオープニングテーマ“発見者はワタシ”を歌う新人アニソンシンガー・たぴみるは、強く「自分の人生」を歩む女性だ。大好物のタピオカミルクティーを略したというちょっと気の抜けたアーティスト名や、その華奢で愛らしい容姿とは裏腹に、彼女は常に自分自身に向き合いながら、今の自分以上の自分を目指す、そんな確かな眼差しと歩調を持っている。

遂に掴んだ「プロのアニソンシンガー」という夢。彼女のここに至るまでの道のりをじっくりと訊いた。「自分がわからない」と繰り返し話すたぴみるとの会話は、夢も矛盾も悩みも、全てを抱えた全身全霊の「人」が目の前にいる――そんなダイレクトな実感に満ちた体験だった。

アニソンは、普段とはまた違った思い出が、曲にギュッと詰まっていく。

―たぴみるさんは、これまで「プロのアニソンシンガーになる」という夢を抱えながら、ネット配信などを通して活動されてきたんですよね。つまり、今回のメジャーデビューは、夢をひとつ叶えた、ということで。

たぴみる:そうですね。本当に急に決まったデビューなので、まだ、あまり実感はないんですけど(笑)。

たぴみる
たぴみる

―アニソンって、アニメ作品ありきのものだから、人によっては一般的なポップスとは別物として位置付ける人もいると思うんです。そういう人たちに対して、アニソンのよさを説明するとしたら、どうしますか?

たぴみる:アニソンって、曲に思い出ができるんですよ。たとえば、ZONEさんの“secret base ~君がくれたもの~”を聴いたら、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の最後の場面を思い出して泣きそうになったり。

J-POPでも、その人の聴いている光景が思い出になるとは思うんですけど、アニソンのよさは、普段とはまた違った思い出が、曲にギュッと詰まっていくことだと思います。

―たぴみるさんが歌うアニソンも、そうあってほしい?

たぴみる:うん、そうですね。聴いてくれた人の人生の思い出が残る曲を作っていきたいです。たとえば、“発見者はワタシ”を聴いた時、「『ゼロから始める魔法の書』の、あのシーンがよかった」とか、思い出してくれたり。誰かの頭の端っこの記憶として残っていけたらいいなって思います。

―そもそも、たぴみるさんがアニソンにコミットし始めたのはいつ頃なんですか?

たぴみる:中学生の頃、『初音ミク -Project DIVA-』っていうゲームをきっかけに、ボーカロイドとかオタク方面の曲をYouTubeやニコニコ動画で漁って聴くようになったんです。そうすると、周りにもそういったカルチャーが好きな友達が増えていって。

友達がカラオケで歌っていて「かっこいい!」って思った曲があって、それが『マクロスF(フロンティア)』というアニメの“ライオン”だったんです。それをきっかけに、アニメも見るようになりました。

本当は目立ちたいけど、恥ずかしいし自信もない、そういう自分を、歌っている間は忘れられる。

―それまでも、たぴみるさんにとって「歌う」という行為は自然なことだったんですか?

たぴみる:幼少期の頃から歌うことは大好きでした。テレビでCMが流れると、すぐに歌って踊り出す子だったらしいです。ただ、子どもの頃からずっと、好きなのは寂しい曲で。アニソンも、基本的にはエンディング曲が好きなんです。

たぴみる

―でも、今回の“発見者はワタシ”はオープニングですよね。

たぴみる:そうなんですよ。今は自信を持って歌えていますが、最初は「こんなに明るい曲を私が歌っていいのか?」っていう葛藤もあって……。でも、自分自身のことって、自分が一番わからないですよね。

小学生の頃、地元のカラオケ大会に「出たい!」って言うくせに、歌い終わったら小さい声でボソボソと「ありがとうございました……」って言って去って行ったり、今でも、「喋っている時と歌っている時の顔が違う」ってよく言われます。

―歌うことによって、普段とは別の自分を見出している感覚があるんですかね?

たぴみる:どうだろう……普段の自分は感情表現が下手だな、とは思います。感情はたかぶりやすいんだけど、それを言葉にできない。それもあって、特に中高生の頃は敵を作りやすい性格だったんです。

そんな自分が嫌で、ノートに自分の直すべきところを書き出していた時期もありました。松岡修造さんの本を読んだりもしましたよ(笑)。

―熱いですね(笑)。

たぴみる:子どもの頃から歌が好きだったのも、本当は目立ちたいけど、恥ずかしいし自信もない、そういう自分を、歌っている間は忘れられたからかもしれないです。

たぴみる

―たぴみるさんは、ネット配信を使った活動も積極的にやられてきていますよね。ネットを通して自分の歌声を人に届けることができることは、たぴみるさんにとって重要なことでしたか?

たぴみる:そうですね。高校生の頃から、将来的に歌うことを仕事にしたいと思うようになったんですけど、それとは裏腹に、全く自分に自信がなくて、お客さんの前でライブをすることすら想像がつかなかった。

それで、動画なら気軽にできるんじゃないかと思ったのが、配信を始めたきっかけでした。始めたばかりの頃は、周りにも「歌手になりたい」と思いながら配信している、私と同じような人たちがいっぱいいましたね。

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リリース情報

たぴみる『発見者はワタシ』
たぴみる
『発見者はワタシ』(CD)

2017年5月24日(水)発売
価格:1,404円(税込)
LACM-14608

1. 発見者はワタシ
2. こころスタート!
3. 心情コンプレックス
4. 発見者はワタシ(Instrumental)
5. こころスタート!(Instrumental)
6. 心情コンプレックス(Instrumental)

プロフィール

たぴみる
たぴみる

12月25日生まれ。タピオカミルクティーが大好きだから、なまえは『たぴみる』。軽音楽部でバンドを結成。ニコニコ動画やLINE LIVEなどネット配信で歌い手として活動しながら、ソロでアニソン歌手を目指す。2016年には、「LINE LIVE OF THE YEAR 2016」を獲得。現在も雑談、カラオケ、イベントなど、多様な内容の生配信を行っている。

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