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Alfred Beach Sandal + STUTS、なぜ二人はタッグを組んだのか?

Alfred Beach Sandal + STUTS、なぜ二人はタッグを組んだのか?

Alfred Beach Sandal + STUTS『ABS+STUTS』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子
2017/07/06
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(LAでは)グルーヴの受け止め方が日本とは全然違うなと思いました。(Alfred Beach Sandal)

―最近、二人でLAに行ったんですよね?

ABS:このアルバムのマスタリングが終わった次の日に行きました。

STUTS:もともとLow End Theory(LAビートシーンを代表するクラブイベントのひとつ)とdublab.jpというWEBラジオに出演することが決まってLAに行ったんですけど、現地に着いてからいろいろライブが決まったりして。Low End TheoryのレギュラーDJであるD-STYLESさんが紹介してくれたりして、結局6回ライブしました。謎に中学校でやったライブがあったり(笑)。

―感触はどうでしたか?

STUTS:すごく楽しかったです。反応するポイントが日本とは違うなと思って。ジャジーな曲のほうが、ウケがよかったですね。

ABS:渋めなね。グルーヴの受け止め方が日本とは全然違うなと思いました。

LAへの旅やライブの様子

―わりとすぐに二人でもう1枚作る可能性もありますか?(笑)

STUTS:作りたいですね!

ABS:また作ると思いますけどね。二人でアルバムを作る流れが気軽な感じだったから、結成も解散もないというか。

STUTS:LAでもビートを作りましたし。7、8曲くらい作って。いい感じのものは3、4曲くらいですけど。

ABS:僕が寝てるときにSTUTSが枕元でずっとビートを打ち続けていて(笑)。

STUTS:すみません、睡眠の邪魔をして(笑)。

―子守唄代わりのビートっていう(笑)。

ABS:熟睡できました(笑)。

STUTS

Alfred Beach Sandal

世の中のムードみたいなものを感じると、今はラブソングがいいなと思ったりもします。(Alfred Beach Sandal)

―今回のアルバムにはユニット名の略称を冠してますけど、コンセプトは考えずに作ったんですか?

STUTS:コンセプトはなかったんですけど、作り終えてみると、どの曲にも共通しているムードがあるなって思いましたね。

ABS:ショートトリップな感じというかね。

―まさにそこがこのアルバムの肝だと思います。

ABS:別に狙ったわけじゃないんですけどね。二人で作る曲に自然とそういうムードが生まれるというか。アルバムタイトルにもショートトリップ的な匂いのする言葉を付けようかと思ったんですけど、しっくりくる言葉がなくて。

Alfred Beach Sandal + STUTS『ABS+STUTS』
Alfred Beach Sandal + STUTS『ABS+STUTS』(Amazonで見る

―このショートトリップ感って、先ほどの異国情緒でありエトランゼ的な感覚ともリンクするものだと思うんですね。

ABS:そうだと思います。

STUTS:たぶんビーサンさんの作る曲には、もともとトリップ的な感覚がテーマとしてあって。僕の曲は外に向かっていく感じがあると思うので、それが融合したというか。

ABS:そう、STUTSの曲は具体的に外を向いてるんですよ。外出する感じ。俺はトリップだけど、わりとインナートリップなんですよね。脳内世界を広げるような感じ。その違いがいい具合に融合してると思うんです。

―このアルバムがまとっているメロウなトリップ感は、時代の気分にジャストでハマると思うんですけど、そういう実感はありますか?

STUTS:そもそも僕が作る曲でメロウなものが多くなりがちなのは、自分自身が哀愁のある音楽や作品に共感することが多いからで。それが世間的に求められているとすれば、みんなつらいことが多いのかなと……。

―世界情勢も、日本の政治もそうですけど、現実世界がギャグみたいだから、というのもあると思うんですよね。

ABS:時代的に今はそんなに複雑なものが求められてないと思うんですよね。世の中のムードみたいなものを感じると、今はラブソングがいいなと思ったりもします。今回のアルバムで言えば、“Horizon”にはわかりやすくそういう感じがあると思うんですけど。

Alfred Beach Sandal

―“Horizon”は官能的なラブソングですよね。

ABS:あんまり具体的に言うと歌にあるマジックがなくなるからアレですけど、やっぱり歌詞を書くうえでフィジカルなニュアンスは大事だと思っていて。それは内容とかストーリー云々ではなく、言葉に肉が付いてるかどうか。

STUTS:それは僕もビートの質感において意識していることです。グルーヴの作り方も、デジタル的なニュアンスよりはフィジカルなニュアンスがあるものが好きなので。

―そう、だからこのアルバムのメロウなトリップ感って表層的ではないんですよね。甘いだけじゃなくて、味わい深くて生々しい苦味があるというか。

ABS:うん、現実逃避ではないと思っています。ちゃんと身体が存在して、どこかに向かってるというか。

―ラストの“A Song of Last Things”の<特別な日にだって やがて終わりはくる>というのはすごく象徴的なフレーズだと思います。

ABS:アルバムの1曲目(“The Chase”)が最初にできて、次に“A Song of Last Things”ができたんですよ。その時点でアルバムの最初と最後を飾る曲になるなと思って。最初に走り出して、いろんな場所にトリップして、最後一人になる感じ。そのイメージは早い段階でありました。

左から:STUTS、Alfred Beach Sandal

ヒップホップの骨太な質感とかブラックなグルーヴを、多くの人に馴染み深いものにしたい。(STUTS)

―また二人で共作するとしたら、今作を経てどんなことを突き詰めたいですか?

ABS:もっと隙間のあるサウンドというか、なるべく最低限の要素でグルーヴが生まれるアプローチをやってみたいですね。ちょっとドープめというか。

―歌詞に関しては?

ABS:光があって影あるというニュアンスは大事にしたくて。今までは情景描写が多かったんですけど、今後はもうちょっとそこに自分の感情が入り込んでくるような気がします。

―STUTSは?

STUTS:今回の制作で生楽器をサンプリングできたのがすごく面白くて。まだまだ突き詰められる可能性があると思いますね。

個人的には、シンガーソングライターの方との共作はやっぱり自分の想像を超えることが多いなと思ったので、もっといろんなシンガーソングライターの方とも共作してみたいですね。

STUTS

―予想もできないようなオファーが来る気がする。

ABS:あると思う。

STUTS:あったら嬉しいです。自分の好きなヒップホップの骨太な質感とかブラックなグルーヴを、もうちょっとポップで多くの人に馴染み深いものにしたいという思いがずっとあるので。そういう音楽が、今よりも広く当然のように聴かれる世界になったらいいなと思っています。

左から:STUTS、Alfred Beach Sandal

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リリース情報

Alfred Beach Sandal + STUTS『ABS+STUTS』
Alfred Beach Sandal + STUTS
『ABS+STUTS』(CD)

2017年6月21日(水)発売
価格:1,728円(税込)
PECF-5002

1. The Chase
2. Horizon
3. Daylight Avenue
4. Siesta
5. Quiet Blue
6. A Song of Last Things

イベント情報

『“ABS+STUTS” Release One Man Show』

2017年7月16日(日)
会場:東京都 表参道 WALL & WALL
出演:Alfred Beach Sandal + STUTS
料金:前売3,000円 当日4,000円(共にドリンク別)

『“ABS+STUTS” Release Tour』

2017年8月5日(土)
会場:愛知県 新栄 Live & Lounge Vio
出演:
Alfred Beach Sandal + STUTS
Ramza
6EYES

2017年8月6日(日)
会場:大阪府 CIRCUS
出演:
Alfred Beach Sandal + STUTS
and more

2017年9月1日(金)
会場:福岡県 KIETH FLACK
出演:
Alfred Beach Sandal + STUTS
DJ:
SHOTA-LOW
and more

2017年9月3日(日)
会場:熊本県 NAVARO
出演
Alfred Beach Sandal + STUTS
DJ:
Kappy
Go Honda
Takesue
and more

プロフィール

Alfred Beach Sandal + STUTS
Alfred Beach Sandal(あるふれっど びーち さんだる)

2009年に北里彰久(Vo,Gt)のフリーフォームなソロユニットとして活動開始。ロックやラテン、ブラックミュージックなど、雑多なジャンルをデタラメにコラージュした上に、無理矢理ABS印のシールを貼りつけたような唯一無二の音楽性で、真面目に暮らしている。

STUTS(すたっつ)

1989年生まれのトラックメーカー / MPC Player。2013年2月、ニューヨーク・ハーレム地区の路上でMPCライブを敢行。オーディエンスが踊り出す動画をYouTubeで公開して話題になる。MPC Playerとして都内を中心にライブ活動を行う傍ら、ジャンルを問わず様々なアーティストよりトラック制作、リミックスの依頼を受けるようになる。2016年4月、縁のあるアーティストをゲストに迎えて制作した1stアルバム『Pushin'』を発表し、大きな反響を呼んだ。現在、国内外でのライブ活動を中心に、楽曲プロデュース、CM音楽制作を行いながら、新しい作品制作に没頭している。

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