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Charaとの親密トーク 愛を歌い続けて25年、言葉との関係は?

Charaとの親密トーク 愛を歌い続けて25年、言葉との関係は?

Chara『Sympathy』
インタビュー・テキスト
永堀アツオ
撮影:森山将人 編集:山元翔一
2017/07/19
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前作『Secret Garden』から2年4か月ぶりのニューアルバム『Sympathy』をリリースしたChara。本作には、Kan Sanoやmabanua、韻シストのBASIやTAKUなど、近年のライブを共にしているジャズ / ソウル周辺のアーティストに加え、くるりの岸田繁、水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミなど、Charaと共感・共鳴した豪華アーティストが多数参加。アーバンファンクやニュージャズといった最新の音楽トレンドも加味したジャンルレスな内容となっている。

本来であれば、サウンドに注目すべきアルバムなのだが、CINRA.NET編集部が着目したのは、シンガーソングライターである彼女が紡ぐ「歌の言葉」の変化。心の奥底に漂う、まだ言葉になる前の感情を書きなぐるかのように囁いてきた「歌の言葉」は、ときに曖昧で、ときに抽象的。だからこそ、リアリティーと同時に神秘性を感じさせてきたのだが、本作では独特の言語感覚はそのままに、言葉の輪郭がより明確になっている。デビュー25周年を経て、彼女は自身の「歌の言葉」ついてどう考えているのか? 歌詞にフォーカスを絞って話を訊いた。

音っていうのは「呼び合う何か」を含んでる。音楽とか歌を歌うことってそういうことだと思う。

―この1年は25周年イヤーで過去の曲を歌う機会も多かったと思いますが、ご自身で書いた過去の曲、特に歌詞について何か感じることはありました?

Chara:私はアーティストとして常に進化したいと思っているし、昔の写真も見返さないタイプなんです。でも、ベストアルバム(2016年リリースの『Naked & Sweet』)を作ってライブするときに聴き返してみて、独身の頃と、子どもができたあとでは言葉の使い方が大きく変わったなと思った。

言葉って一度出したら引っ込まないじゃない? それだけの責任もあるし、子どもに対しての影響もあるもので。子どもが成長して、言葉の意味がわかるようになったり、彼らなりの発言をしたりするようになったり――そういう子どもたちの成長の時期と私の活動は重なっているから、自分自身の成長も25周年のタイミングで目に見えたなと思う。

Chara
Chara

Chara:あと、当時歌っていた感じとは全然違うというか、歌も出してしまったらもう受け取った人のものなんだなって改めて思ったね。私はこれまでの自分を背負ってずっとアーティスト活動をしてきたけど、誰かに伝えたいことがあって作った過去の恋愛の曲を、今も同じ人を思って歌っているかといったらそうではない。

―より純粋に「歌」に向き合っているということでしょうか。

Chara:「私は歌を歌っているんだ」っていう感じなんだよね。Charaを演じてるわけでもない。私はもう25年もCharaをやってる「Charaプロ」ではあるけど(笑)、「Charaはこうじゃないといけない」とは考えたことはないのね。

ただ、ライブには、それぞれのイメージやいろんな想いを持ってお客さんは会いに来てくれるわけじゃない? そこには、一人ひとりの想いがあるから、私もそれに応えたいって思うんです。一緒に気づきたいというか、そういう信頼関係はあると思う。不思議だよね、よく知らない人なのに。

―それこそ、歌を通して通じ合うシンパシーのひとつですよね。

Chara:そういうことを何回も繰り返していると、役割がわかってくるんです。私は、みんなのフィーリングを受け取って歌を歌う役割。そうやってみんなと共鳴し合うんですけど、私も生きているから自分の体との共鳴も日によって違うのね。毎日、同じ言葉を発していても、気がつくこととか気になることが違うじゃない? 音も聴こえ方もその日によって違うし。

―会場のお客さんとは、言葉の意味よりも音を伝えて共鳴している感覚ですか?

Chara:意味もあるんだけど、意味も含まれた音だと思う。意味も音と一体化していて、それ自体がもう共鳴してるわけ。洋楽で、言葉の意味もわからないけど、なんかグッとくることってあるでしょ? あとたとえば、赤ちゃんの声を聞いて、なんかわかんないけどお母さんは「あ、呼ばれてる。お乳出てきたわ」みたいなこともあるし。

今のはわかりやすい例だけど、音っていうのは「呼び合う何か」を含んでる。音楽とか歌を歌うことってそういうことだと思う。最近は「話すように歌いたい」って思ってるんだけど、そういうことをつなげていくと、「言葉の意味を含んだ音で共鳴し合いたい」っていうことなのかな。私の音楽の……理想ってあんまり、日常で口にするのは好きじゃないけど、そういうことを素晴らしいなって思うことが理想だと思う。

Chara

―言葉や意味と音が融け合ってひとつになったものが音楽というか。

Chara:うん。あとは見た目も大事。心のなかで考えてることや発言が卑劣だったり醜い人って、顔とか体に出てくるじゃない? だから日頃から、美しいものに気づいたり、「いいこと言ったね」って感じることを大切にしていて。特に私は、シンガーソングライターだからそういうことにすごく敏感になりたいって思ってる。

普通の人だったら傷ついたり疲れたりすることだけど、心のなかや身の回りの物事をどんどん掘って、美しいものとか、自分でも気づいていない気持ちを見つけていく。シンガーソングライターってそういうことが好きな仕事なの。「代わりに見つけたよ!」みたいな。それをメロディーや楽器の音と一緒にして表現するのが音楽。音楽って薬みたいなものだし。前から「Music Magic Medic」ってよく言ってるんだけど、そういう姿勢で音楽を作るのがやっぱり好きなんだと思う。

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リリース情報

Chara『Sympathy』
Chara
『Sympathy』(2CD)初回限定盤

2017年7月19日(水)発売
価格:3,780円(税込)
KSCL-2924/5

[CD1]
1. Tiny Dancer
2. Stars☆☆☆
3. Sympathy
4. Mellow pink
5. Funk
6. Love pop
7. Herbie
8. Symphony feat.mabanua
9. Intimacy
10. Darling Tree
11. KILIG
12. Sweet Sunshine
13. 小さなお家
[CD2]
1. 世界
2. Break These Chain
3. 大切をきずくもの
4. 月と甘い涙
5. あたしなんで抱きしめたいんだろう?
6. やさしい気持ち
7. Happy Toy
8. メンバー紹介

Chara『Sympathy』
Chara
『Sympathy』通常盤(CD)

2017年7月19日(水)発売
価格:3,240円(税込)
KSCL-2926

1. Tiny Dancer
2. Stars☆☆☆
3. Sympathy
4. Mellow pink
5. Funk
6. Love pop
7. Herbie
8. Symphony feat.mabanua
9. Intimacy
10. Darling Tree
11. KILIG
12. Sweet Sunshine
13. 小さなお家

ライブ情報

『Chara Live Tour 2017 “Sympathy”』

2017年9月1日(金)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

2017年9月3日(日)
会場:福岡県 DRUM LOGOS

2017年9月8日(金)
会場:愛知県 Zepp Nagoya

2017年9月17日(日)
会場:大阪府 Zepp Namba

2017年9月24日(日)
会場:東京都 昭和女子大学人見記念講堂

プロフィール

Chara
Chara(ちゃら)

1991年9月21日にシングル『Heaven』でデビュー。オリジナリティ溢れる楽曲と独特な存在感で人気を得る。1997年のアルバム『Junior Sweet』は100万枚を超えるセールスを記録し、ライフスタイルをも含めた「新しい女性像」としての支持も獲得。一貫して「愛」をテーマに曲を創り、歌い続け、2016年デビュー25周年を迎えた。2017年7月19日、『Sympathy』をリリースする。

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ただシャムキャッツの四人がフラットに存在して、音楽を鳴らしている。過剰な演出を排し、平熱の映像で、淡々とバンドの姿を切り取ったPVにとにかく痺れる。撮影は写真家の伊丹豪。友情や愛情のような「時が経っても色褪せない想い」を歌ったこの曲に、この映像というのはなんともニクい。(山元)