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YOOKsインタビュー シティポップブームの次を継ぐ新世代の台頭

YOOKsインタビュー シティポップブームの次を継ぐ新世代の台頭

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子
2017/08/18
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京都を拠点に活動するポップバンド、YOOKs。年齢は22~23歳。現在大学院に通っているという彼らは、「ニュータウンポップ」という、一風変わったキャッチフレーズを掲げている。

そもそも「ニュータウン」とは主に、郊外に開発整備された住宅地のことを指す。そして今この言葉は、「ニュー」という響きの持つ新鮮さとは裏腹に、どこかレトロで寂しげな響きを持っていることも事実だ。

ではなぜ、京都という日本の音楽シーンにおいても特殊な磁場を持ち続けている場所から現れたこの若きバンドは、自らを「ニュータウンポップ」と名乗るのだろうか? 今回インタビューをしてわかったのは、今、彼らにとって「ニュータウン」とは、その意味を再定義すべき言葉であるということ。そして、そこには今を生きる若者たちだからこそ持ち得る、音楽と人との新しい生き方を模索する理想主義があるということだった。

cero、Suchmos、Yogee New Waves――俗に「シティポップ」と呼ばれるアーティストたちが次々とネクストとステージへ駆け上がっていくなか、その下の世代となるYOOKsが鳴らす音楽は、過去と未来への狭間のモラトリアムをさまよいながらも懸命に、確かな新しい景色を追い求めているようだ。8月20日に日比谷野外音楽堂で開催されるCINRA主催イベント『exPoP!!!!! Vol.100』への出演も決まっているYOOKs。正規メンバーとなる清水、松井、福家の三人に話を聞いた。

「ここで描かれている世界に自分はいない」って、シティポップを聴いていると思うんです。(清水)

―YOOKsが掲げている「ニュータウンポップ」という言葉は、どのようにして生まれたんですか?

清水(Ba):根源の話をすると、「シティポップ」のイメージが、悪い言い方をするとイキった感じに思うときがあって。僕らはもっと身近にあるような、どんな時間にも聴ける、「生活が見える」音楽をやりたい。だからこそ、「シティ」とはまた違う言葉を探したというのが、1つ目の理由です。

左から:福家佑輔、清水佑、松井規広
左から:福家佑輔、清水佑、松井規広

清水:2つ目は、僕らは京都で活動しているんですけど、東京のような都会に対しての「郊外」から出てきた音楽だっていう部分を押したかった、ということ。

3つ目は、tofubeatsさんがTwitterに、「ニュータウンポップとは、友達がいない、物悲しい音楽」みたいなことを書いてたんですけど、それを見たときに「それ、俺らのことだ」って思ったこと(笑)。そういったところから、「ニュータウンポップ」という言葉をつけました。

―確かに、tofubeatsさんは神戸のニュータウンで生まれ育ち、「dj newtown」という名義でも活動していたりして、「ニュータウン」という言葉と密接な繋がりがありますよね。

松井(Dr):あと、相対性理論からイメージしている部分もあるよね?

清水:そうそう、“たまたまニュータウン”ね。あの曲が入っている、相対性理論の『TOWN AGE』っていうアルバムのアナログ盤が、ギリシャ文字の「ν(ニュー)」を使って、『ν TOWN AGE』って言うんですよ。

―それって、YOOKsが今年出した自主制作盤のタイトル『Newtownage』と見事に繋がりますね。

清水:僕ら、『ν TOWN AGE』のことをあとから知ったので、ちょっと冷や汗かきましたけど(笑)、「いやでも、相対性理論と対バンすることなんてないだろう」と思っていたら……。

―まさかの『exPoP!!!!! Vol.100』で対バンという(笑)。

清水:ご本人に会えたら伝えようと思います(笑)。

2017年8月20日開催、入場無料イベント『exPoP!!!!! Vol.100』
2017年8月20日開催、入場無料イベント『exPoP!!!!! Vol.100』(詳細を見る

―改めて、「シティポップ」と呼ばれる音楽に対する距離感について、もう少し具体的に教えてもらってもいいですか?

松井:距離感というよりは、影響も受けているし、いいところは取り入れつつ、でも、まったく同じものではないなっていう感覚ですね。

清水:そもそも、音楽的な源泉も違うと思うんですよ。僕らはオルタナティブロックもフォークロックも好きだし、インディーポップも好きだし、エレクトロニカも好きだし、いろんな音楽から影響を受けている。

松井:僕らは、1980年代、90年代のリバイバルではないもんね。

清水:そうそう。それに、ミュージックビデオを見てると、あんまり生活と繋がるものがないんですよね。「ここで描かれている世界に自分はいない」って、シティポップを聴いていると思うんです。だからこそ、自分たちは生活と密着できる音楽を作りたいっていうのがあって。

―確かにシティポップには、「理想の街の姿を描こうとする音楽」というニュアンスもあるかと思います。

清水:自分たちにとって、音楽は「生活の基盤」なんです。それにシーン的にも、東京を中心として出てきたシティポップ系のアーティストたちって、最近はメジャーレベルになってきている人たちが多いですよね。今の東京のインディーズ界隈ではむしろ、ライブが映えるオルタナ系のバンドがキテる。その点、自分たちを含めて地方では今、シティポップの流れを汲んだ音楽が生まれてきているんじゃないかと思うんですよ。

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イベント情報

『exPoP!!!!! vol.100』

2017年8月20日(日)
会場:東京都 日比谷野外音楽堂
出演:
相対性理論
クリス・コーエン
シャムキャッツ
Yogee New Waves
YOOKs
料金:無料(2ドリンク別)

リリース情報

YOOKs『Newtownage』
YOOKs
『Newtownage』(CD)

価格:1,000円(税込)
ライブ会場、タワーレコード渋谷店、HMV新宿ALTA店、HMVコピス吉祥寺店、HOLIDAY! RECORDS FLAKE RECORDSにて販売

1. sunday tripper
2. above the horizon
3. hanashi
4. leaving summer
5. ride

YOOKs『iiwake』
YOOKs
『iiwake』(CD)

価格:500円(税込)
ライブ会場にて発売

1. 言い訳
2. hanashi(koizu remix)

プロフィール

YOOKs
YOOKs(よーくす)

京都発ニュータウンポップ。メンバーは、福家佑輔(Vo,Gt)、清水佑(Ba)、松井規広(Dr)。2015年3月大学の同級生により前身バンド「雨の降る街」を結成。フォークロックやインディーポップ、ポストロックやシティポップ等様々な音楽から影響を受けた「ニュータウンポップ」を掲げ、京都を中心に活動中。

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ただシャムキャッツの四人がフラットに存在して、音楽を鳴らしている。過剰な演出を排し、平熱の映像で、淡々とバンドの姿を切り取ったPVにとにかく痺れる。撮影は写真家の伊丹豪。友情や愛情のような「時が経っても色褪せない想い」を歌ったこの曲に、この映像というのはなんともニクい。(山元)