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瀬々敬久が、衝撃作『ヘヴンズ ストーリー』からの7年を振り返る

瀬々敬久が、衝撃作『ヘヴンズ ストーリー』からの7年を振り返る

『ヘヴンズ ストーリー』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:中村ナリコ 編集:川浦慧、矢島由佳子

次の撮影ではこう変化させようとか、撮りながら脚本を変えていったら、どんどん長くなっていったという(笑)。

―公開当時から、この映画の尺の「長さ」と内容の「濃さ」は話題になっていましたが、そもそもなぜ、そういうものを撮ろうと思ったのでしょう?

瀬々:僕はもともとピンク映画の出身で、1989年に監督になっているんですけど、それから10年ぐらいピンク映画をやって、そのあと一般映画を撮るようになって……それから5年ぐらい経った頃ですよ。この映画を作ろうと思ったのは。

―何かきっかけがあったのでしょうか?

瀬々:ピンク映画というのは、予算は無いけれど、男女のセックスシーンがあれば、あとは自由にできるみたいなところがあったわけです。だから、やっぱり一般映画とピンク映画の自由度は違うし、このままこうやってて良いんだろうかという気持ちもあった。であれば、もう一回自主映画的なものを何かひとつ作ってみようと思ったんです。

―なるほど。この作品は、実際の事件をモチーフにしていますが、それはなぜだったのでしょう?

瀬々:それまでも実際の事件をモチーフにした映画は結構やっていたし、もともとそういうところに興味はあったんですよね。で、それをこの機会にひとつの大きな物語として作れないかと思って。

大きな物語を作りたいんだから、まあ長い映画でもいいだろうと。と言っても、最初の脚本の段階では、大体3時間ぐらいの映画になるはずだったんですけど……。

―最初は、普通の映画よりも、ちょっと長いぐらいのイメージだったんですね。準備期間も時間はかかりましたか?

瀬々:この映画の企画自体は、撮影の数年前から温めていて脚本も用意していました。で、主人公のサト役を演じた寉岡萌希さんに最初に会ったのが、確か彼女が中学二年生ぐらいの頃だった。ただ、こういう映画なので、自分たちでお金を集めようとしても、なかなか集まらないわけです。で、そうやっているうちに、中二、中三、高一と、彼女はどんどん大人になっていって……だから、高二ですね。彼女が、高二の夏に、もうギリギリだと思って、ようやく撮影に入ったという。

―実際の撮影に入るまでのあいだに、そんなに準備期間があったんですね。

瀬々:彼女はもう3年ぐらい待っているわけですよ。で、この時期を取り逃したら、完全に大人の女になってしまって、この映画で描かれているような少女の純粋さが描けないと思ったので、お金も大して集まってなかったけど、撮影に突入したんです(笑)。

で、一年半あった撮影期間を5期ぐらいに分けて撮っていて、1期終えるたびに編集をしながら、次の撮影のことを考えるわけです。このままだと、ちょっと脚本に足りないところがあるから、次の撮影ではこう変化させようとか。そうやって撮りながら脚本を変えていったら、どんどん長くなっていったという(笑)。

『ヘヴンズ ストーリー』場面写真 ©2010ヘヴンズ プロジェクト
『ヘヴンズ ストーリー』場面写真 ©2010ヘヴンズ プロジェクト

『ヘヴンズ ストーリー』場面写真 ©2010ヘヴンズ プロジェクト
『ヘヴンズ ストーリー』場面写真 ©2010ヘヴンズ プロジェクト

―結果的に、4時間38分という尺になったわけですが、商業映画としては、ある意味大胆というか無謀というか……。

瀬々:まあ、そうですよね(笑)。ただ、これはあくまでも自主映画ですから。自分たちで企画して、自分たちでお金を集めて作った映画ですから、すべての責任は、自分たちにあるわけです。そういう意味で、さっきも言ったように、とにかく自由に作りたいっていう欲求があったんでしょうね。

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リリース情報

『ヘヴンズ ストーリー』
『ヘヴンズ ストーリー』(Blu-ray)

2017年12月6日(水)発売
価格:6,264円(税込)
PCXP-50532

[封入特典]
・特製アウターケース
・60Pスチル写真集ブックレット
[映像特典]
『ヘヴンズ ストーリーの10年』 (瀬々敬久 構成・演出映像作品 / 42分)

『ヘヴンズ ストーリー』
『ヘヴンズ ストーリー』(DVD)

2017年12月6日(水)発売
価格:5,184円(税込)
PCBP-53669

[封入特典]
・特製アウターケース
・60Pスチル写真集ブックレット
[映像特典]
『ヘヴンズ ストーリーの10年』
(瀬々敬久 構成・演出映像作品 / 42分)

プロフィール

瀬々敬久(ぜぜ たかひさ)

1960年生まれの映画監督。京都大学在学中に『ギャングよ 向こうは晴れているか』を自主制作し注目を浴びる。その後「ピンク映画四天王」として日本映画界で独特の存在感を放つ。以後、大規模なメジャー作から社会性を取り入れた作家性溢れるものまで幅広く手がけ、国内外で高く評価されている。『雷魚』(1997)、『HYSTERIC』(2000)、『MOON CHILD』(2003)、『感染列島』(2009)、『アントキノイノチ』(2011)などの劇場映画作品からテレビ、ビデオ作品まで様々な分野で発表。近年は『なりゆきな魂、』(2017)、『8年越しの花嫁』(17年12月16日公開)、また公開待機作に自身の企画の『菊とギロチン-女相撲とアナキスト-』(2018年夏公開)や『友罪』がある。

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