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WEG×あら恋×DÉ DÉ MOUSE 激変するシーンをどう生き延びた?

WEG×あら恋×DÉ DÉ MOUSE 激変するシーンをどう生き延びた?

world's end girlfriend『LAST WALTZ IN TOKYO』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:伊藤惇 編集:山元翔一

WEGは僕の師匠というか(笑)。(池永)

—あら恋は2013年に「KI-NO Sound」をスタートさせていますね。

池永:きっかけは前のレーベルがあまりよくない状況になったことで、それなら「自分でやってみよう」ってことでスタートさせました。やっぱり自分で「めっちゃいいの作ってん!」っていうほうが人に伝わりやすいし、「自分でやってみたい」っていう気持ちはずっとあったので。

で、WEGが先にレーベルやってたから、当時はいろいろ相談させてもらってたんですよ。だから、WEGは僕の師匠というか(笑)、いつも自分より先を歩いていて、「やりたいようにやってるなぁ」っていうふうに見てたんです。

池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)

—デデさんは2012年に「not records」をスタートさせています。

DÉ DÉ:僕はデビューから1年後にavexに移籍して、最初は好きにやらせてもらってたんですけど、さらにセールスも動員も伸ばしていかなきゃいけなくなり始めて、純粋に自分のやりたい表現にもう一度向き合いたいって思うようになって、とりあえず会社を抜けて……それが間違いの始まりだったんですけど(笑)。

—いやいや(笑)。

DÉ DÉ:まあ、やめてなかったらコンプレックスを抱えながら活動することになってたかもしれないし、結果これでよかったのかなって思います。not recordsは、「自分の作品を好きなときに出したい」っていう、ただそれだけでやっています。

DÉ DÉ MOUSE

WEGってすごいアーティストであると同時に、優秀なビジネスマンでもあって。(DÉ DÉ)

DÉ DÉ:僕、Virgin Babylonすごいなって思うのが、ガンガンCD出してるところで。やっぱり、エレクトロニカとかポストロックをごちゃまぜにしながら、日本でサッドビューティーな音を確立したのはWEGだと思うんですね。で、WEGはVirgin Babylonに世界観や価値観、個の核を共有できるアーティストを全部集めたから、必然的にレーベルオーナー=ボスになったんじゃないかと(笑)。

WEG:やっぱ、あまりにもフォロワーでそのままなアーティストには声はかけないね。表面的に似たような音を集めるのはわかりやすいけど、面白くはないしダメだなって思うところ(笑)。

俺の場合、単純に「自分がいいと思う音楽を出したい」っていう気持ちが根本にあって。その上だったら、多少赤字だろうが賢くやれば回していけるから、じゃあ、出せるものはどんどん出していこうっていう、シンプルな感じ。

Virgin Babylon 所属のsione(a.k.a. 湯川潮音)

DÉ DÉ:回していけてるのがすごいですよ。僕のなかで、WEGってすごいアーティストであると同時に、優秀なビジネスマンでもあって、「WEG(株)」の製品を作るのがめちゃくちゃ上手い。

ブランドの作り方と守り方とか、自分をカリスマのような存在に見せるために何をすべきかって、ちゃんと考えてるんだろうなって。僕はまだ自社だけで完結できる状態じゃなくて、下請け業者がいないと自社製品が作れないんですけど(笑)。

WEG:作品を作ったあとに、「この作品をどの角度で誰に見せるのか、どうみせたいのか」っていうのは、作曲とはまったく別の脳で俯瞰で見るんです。自分の作品なんだから、それが一番よくわかるのも本当は自分のはずなんだけど、そのあたりのことをあまりやらなかったり人任せにしてしまう人が多いなっていうのは昔から思ってて。「この人のこの作品は、こうやって見せたほうがもっといいんじゃないかな」って思うことはよくあります。

左から:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ) 、world's end girlfriend、DÉ DÉ MOUSE

過去を見つめることで未来どうするかを考えるもんやろ。(池永)

—今年、あら恋は20周年、デデさんは10周年を迎えて、WEGは「時代が一周したような感じがする」ということをおっしゃっていましたね。

WEG:いろんな作品や試行錯誤を巡ってきて、また自分が本当に好きだった音楽に戻っているようなタイミングというか。これまでの経験も踏まえて、また自分が一番好きだった音楽を作れる状況になったというかね。少なくとも、俺はそうだし、デデくんやあら恋もなんとなくそうなんじゃないかなって思う。

池永:そんなふうには思ってなかったけど、話を聞いてて、「ホンマやな」って(笑)。ずっと会わんかった友達でも、10年くらい経ってバッタリ会うと、すげえハモったりすることってあるから、その感じはよくわかります。

池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)

—池永さんはあら恋の20周年記念サイトのインタビューで、「次へ次への時代やからこそ、一回振り返ることが逆に未来につながるんじゃないか」というお話をされていましたね。

池永:今って「次」の話ばっかりじゃないですか? 情報が溢れていて、次はどうするこうする、未来はどうなんやって……でもその未来って、過去なんちゃうかなって思うんです。知識の積み重ねが過去にあるわけで、過去を見つめることで未来どうするかを考えるもんやろって。

だからあら恋の20周年も、そういう考えのもとでの「。」をつけることというか。「。」をつけることで、また次のお話が始まるわけじゃないですか? なので、またこれから書きだそうとするときは別の本に書き始めるんじゃなくて、同じ本の続きの文章になるんですよね。そこもずっと続いてる感覚で。

DÉ DÉ:2000年代って、大きなリバイバルがなかった時代だと思うんですよ。1990年代は渋谷系で1960年代を再評価したみたいに、必ず過去のリバイバルがあったけど、2000年代はそれがなかった。だからその反動で、今の10代とか20代は、1980年代とか1990年代に対する憧れをすごく感じるみたいなんです。それは日本だけじゃなくて、世界的にもそうで。

だから池永くんが言った、「次へ次へ」じゃなくて、「過去にも大事なものがある」っていうのは、時代の空気だと思うんです。シティポップにしても、アーリー90sのハウスが流行ってるのもそういうことで。今の若い子たちを見てると、「ここには自分たちの知らなかった未開の地がある」ってマインドで過去を捉えているのかなって。

DÉ DÉ:だから今年は、そういう時代的な流れと、自分たちのキャリアが偶然交わった年なんじゃないかなって感じてて。自分のパーソナルとしてもそうだし、周りを見ても、美しかった過去に対しての表現を求めてるというか、そういう時代なのかなと。

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リリース情報

world's end girlfriend『LAST WALTZ REMIX』
world's end girlfriend
『LAST WALTZ REMIX』(CD)

2017年12月22日(金)発売
価格:2,160円(税込)
VBR-045

1. matryoshka REMIX / Plein Soleil
2. Kazuki Koga REMIX / Crystal Chrysalis
3. Satanicpornocultshop REMIX / Flowers of Romance
4. arai tasuku REMIX / LAST WALTZ
5. CRZKNY REMIX / LAST WALTZ
6. SPEAK LAW REMIX / Plein Soleil
7. FilFla REMIX / LAST BLINK
8. Serph REMIX / Angel Ache
9. KASHIWA Daisuke REMIX / Radioactive Spell Wave
10. Go-qualia REMIX / Girl
11. Vampillia REMIX / Girl
12. 2994898 REMIX / Plein Soleil

イベント情報

world's end girlfriend
『LAST WALTZ IN TOKYO』

2018年1月19日(金)
会場:東京都 恵比寿LIQUIDROOM
開場 19:00 / 開演 20:00
料金:前売3,900円(ドリンク別)

プロフィール

world's end girlfriend(わーるず えんど がーるふれんど)

1975年11月1日かつて多くの隠れキリシタン達が潜伏した長崎県の「五島列島」に生まれ10歳の時に聴いたベートーヴェンに衝撃を受け音楽/作曲をはじめる。2000年デビュー。アジア、EU、USツアーなどを行い『ATP』『Sonar』など各国フェスにも出演。映画『空気人形』の音楽を担当し2009年『カンヌ映画祭』や世界中で公開された。2010年「Virgin Babylon Records」を設立し『SEVEN IDIOTS』をワールドワイドリリース。圧倒的世界観を提示しつづけている。

あらかじめ決められた恋人たちへ(あらかじめきめられたこいびとたちへ)

2017年、活動20周年を迎えた叙情派シネマティック・バンド。通称“あら恋”。DUB~ベース・ミュージックを通過した踊れるバンドサウンドと、鍵盤ハーモニカ&テルミンによるセンチメンタルなメロディを融合した映像的なサウンドが特徴。リーダー・池永正二(鍵盤ハーモニカ、Track)のソロとしてスタートし、現在はバンド編成。各メンバーは別バンドでの活動やプロデュース業にも携わる異能集団である。バンマス池永が映画『武曲MUKOKU』(監督:熊切和嘉/出演:綾野剛、村上虹郎)『モヒカン故郷に帰る』(監督・沖田修一/出演:松田龍平・前田敦子)、『味園ユニバース』(監督:山下敦弘/出演:渋谷すばる、二階堂ふみ)の劇伴を担当する等、活動の幅はさらに広がっている。これまでに『FUJI ROCK FESTIVAL』『朝霧JAM』『ap bank fes』『BAYCAMP』など幾多の野外フェスに登場。“泣きながら踊れる”と称されるダイナミックなパフォーマンスで聴衆を魅了した。2017年、リアレンジ・新録音したベスト盤『20th BEST』をリリース。リキッドルームにて20周年記念特別企画興行を開催。池永が劇伴を担当した映画『ピンカートンに会いに行く』が1月より公開。

DÉ DÉ MOUSE(ででまうす)

遠藤大介によるソロプロジェクト。作曲家、編曲家、プロデューサー、キーボーディスト、DJ。また、自身の曲のプログラミングやミックス、映像もこなす。ライブスタイルの振れ幅も広く、ツインドラムでリズムの高揚感を体現するDE DE MOUSE + Drumrollsや、縦横無尽に飛び回るDJスタイル、即興とセッションで繰り広げるDE DE MOUSE + his drummer名義に、映像を喚起させるDE DE MOUSE + Soundandvisions名義など、多種多様のステージングを展開。国内だけでなく、イギリスやフランス、ドイツなど海外遠征も盛んに行っている。2012年にnot recordsを始動。今年活動10周年を迎え、アルバムとなる『dream you up』、12月には配信シングル『thanks tracks』をリリース。

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