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放浪の音楽家Caravanが語る、ステレオタイプな音楽活動への疑問

放浪の音楽家Caravanが語る、ステレオタイプな音楽活動への疑問

Caravan "The Harvest Time" TOUR 2018
インタビュー・テキスト
兵庫慎司
撮影:馬込将充 編集:山元翔一
2018/01/11

ライブに行くって結構な労力じゃないですか?

—DIYのミュージシャンは他にもいますけども、JASRACも通さない、インディー流通も一切使わない、ダウンロード販売もやらない、というところまで徹底している人はごく少数派ですよね(参考記事:サニーデイ×LOSTAGEが腹を割って話す、音楽家兼経営者の胸中)。

Caravan:ああ。自分は、よくも悪くもメジャーでそんなに売れてなかったですからね(笑)。だからむしろ、メジャーのモデルケースが自分には向いてないんじゃないかなっていう気がしていて。既存のルートから出す以上、流通にも、販売にもお金がかかるじゃないですか? そういうコストがなければ、ジャケットや音源作りにもっと予算をかけられるし、そのほうが作品として濃くなるのであれば、そこを通す必要はないんじゃないかと思ったんです。

Caravan

—勝算みたいなものはあったんですか?

Caravan:全然なかったけども、賛同してくれる人が出てくるんじゃないかっていう、漠然とした希望はありました。実際、やっているうちに、ヴィレッジヴァンガードが全国で販売してくれたり、「go slow caravan」っていうアパレルブランドが取り扱ってくれたり。いわゆる街の個人商店だけじゃなく、グループ企業も少しずつ賛同してくれるようになったのは嬉しかったです。そういう人たちも理解してくれる範疇の活動だったんだな、っていう確信にもつながりましたしね。

—そうやってはじめた頃って、Apple MusicやSpotifyみたいな月額払って聴き放題の定額制音楽配信サービス、もうありましたっけ?

Caravan:ちょうど出てきた頃で、いろんなところから話はあったんですけど、参加すると活動に矛盾が生じちゃうなと思って。「豆腐屋が豆腐を売るようにやっていきたいんです」って言っときながら、Spotifyとかに曲が出てたら聴いてくれる人も疑問に思うだろうし。やっぱり、「物」としてCDがほしくなるような音楽をちゃんと作りたいんです。

そもそも自分が、ほしいレコードを通販で買ったり、旅先のレコード屋で掘ったりするタイプだというのもあるし、聴き放題っていうサービスにあんまり魅力を感じてなくて。自分みたいな人も、すげえ少数派かもしれないけどいるんじゃないかなと思うんです。そんな少数派の人が、たとえば3%くらいしかいなかったとしても、100万人いたら3万人になるじゃん、みたいな発想で。今はまずその人たちを喜ばせたいんですよね。

—やっぱり、どういう人たちに、どうやって届けるかということがすごく明確にあるんですね。

Caravan:単純にCDを広く売りたいのであれば、そういう聴き放題とかもやったほうがいいかもしれないですけどね。結局俺としては、ライブに来てくれる人を増やしたいというのが一番大事で。ライブに行くって結構な労力じゃないですか? チケット取って、予定を空けて、開場前から並んで、とか。そういう面倒なことをわざわざしてくれるのは、相当なエネルギーを持って音楽を聴きに来てくれている人たちだから。そういう、自分の音楽に濃く向き合ってくれている人たちを徐々に増やしたいって思っているんです。

2014年に開催された日比谷野外大音楽堂公演より

Caravan:テレビとかに出てばんばん宣伝するようなミュージシャンは、流通も、配信サービスも使った方がいいと思いますよ。だけど、ライブ主体で活動していて、それこそ20人くらいの小屋から150人ぐらい、広くても2000〜3000人っていうクラスの俺らは、あんまりその恩恵を感じないですから。俺の場合、選択肢がひとつしかないことが一番の疑問で。電力会社は選びたい、っていうのと同じで活動方法を選びたかったんです。

「そろそろアルバム作りたいよね」っていうのが、いいかげんうちらの間でもあって。

—で、先ほどおっしゃっていましたが、まだ曲もできていないのに先にリリースのスケジュールが決まっていたりするのはおかしいと。

Caravan:はい。

—独立した結果どうなったかというと、11月15日から販売開始になったアルバム『The Harvest Time』、フルアルバムとしては何年ぶりでしたっけ?

Caravan:4年半ぶりです(笑)。ミニアルバム(2015年発表の『Homesick travelers』)があったり、『ノマドの窓』(2016年)っていう撮り下ろしの映像作品を作ったりしていたから、自分としては4年半も経ってる感じはなくて。地道ですけど、前のアルバムはいまだにセールスが伸びていたりするので、ムダな4年半ではなかったと思うんです。

Caravan『The Harvest Time』ジャケット
Caravan『The Harvest Time』ジャケット(HARVEST ONLINE SHOPを見る

—どういうふうに『The Harvest Time』を作ろう、というモードになっていったんでしょうか。

Caravan:「そろそろアルバム作りたいよね」っていうのが、いいかげんうちらの間でもあって。「そういえば今年『HARVEST』(Caravanとスタッフ二人によるマネージメント事務所)、立ち上げて10周年だよね。じゃあ今年出そう」と。それで曲を、茅ヶ崎のスタジオ(Caravanのプライベートスタジオ)で、少しずつ録りはじめました。

—じゃあほとんど制作モードに入ってから作った曲なんですか?

Caravan:そうです。あ、“モアイ”という曲だけは、人に提供した曲だけど。

—そうだ、昔SMAPに書いた曲ですよね。

Caravan:解散したじゃないですか。もう誰も歌わない曲になるのかって思うと、生みの親がかわいがってやらないとってことで。自分のアルバムに入れたいっていう話を先方にして、許諾を取りました。実は前にセルフカバーベストを作ったとき(2010年発表の『The Planet Songs Vol.1』)、入れようと思ったんですけど、そのときはNGが出て。今回はクリアしましたね。

Caravan

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リリース情報

Caravan『The Harvest Time』
Caravan
『The Harvest Time』(CD)

2017年11月15日(水)発売
価格:3,240円(税込)
SFMC-005

1. Astral Train (Instrumental)
2. Retro
3. Heiwa
4. Travelin’ Light
5. Rainbow Girl
6. モアイ
7. Chantin’ The Moon
8. Yardbirds Swingin’ (Instrumental)
9. Maybe I’m a Fool
10. Stay With Me
11. Future Boy
12. おやすみストレンジャー
13. 夜明け前
14. In The Harvest Time

イベント情報

『Caravan "The Harvest Time" TOUR 2018 Release Party』

2018年1月28日(日)
会場:神奈川県 CLUB CITTA'
出演:
Caravan(Vo,Gt)
宮下広輔(Ps,Gt)
高桑 圭/ Curly Giraffe(Ba)
椎野恭一(Dr)
堀江博久(Key)
料金:前売5,000円(ドリンク別)
※振舞い酒あり(サッポロ生ビール黒ラベル)

『Caravan "The Harvest Time" TOUR 2018』

2018年2月3日(土)
会場:茨城県 古河Cafe Lounge BEEP

2018年2月9日(金)
会場:奈良県 奈良カナカナ

2018年2月11日(日)
会場:高知県 蛸蔵

2018年2月12日(月・祝)
会場:香川県 高松umie

2018年2月14日(水)
会場:鹿児島県 Duckbill

2018年2月16日(金)
会場:長崎県 長崎県美術館

2018年2月18日(日)
会場:広島県 HIROSHIMA 4.14

2018年2月20日(火)
会場:兵庫県 姫路AMP.

2018年2月22日(木)
会場:三重県 松阪M’AXA

2018年2月23日(金)
会場:岐阜県 中津川Majolica-Bamboo

2018年2月25日(日)
会場:静岡県 秘在寺

2018年3月16日(金)
会場:東京都 二子玉川SOUL TREE

2018年3月18日(日)
会場:静岡県 三島 cafe&bar日家

2018年3月21日(水・祝)
会場:新潟県 りゅーとぴあ能楽堂

2018年3月22日(木)
会場:群馬県 高崎SLOW TIME

2018年3月24日(土)
会場:福島県 喜多方 大和川酒造 昭和蔵

2018年3月25日(日)
会場:宮城県 塩竈市杉村 惇美術館

プロフィール

Caravan(きゃらばん)

1974年10月9日生まれ。幼少時代を南米ベネズエラの首都カラカスで育ち、その後、転々と放浪生活。高校時代にバンドを結成、ギタリストとして活動。2001年よりソロに転身。全国を旅しながらライブを重ね、活動の幅を広げてゆく。2004年4月インディーズデビュー。2枚のアルバムを発表。2005年メジャーへ移籍。2007年マネージメントオフィス「HARVEST」設立。2011年までの間、年に一枚のペースでアルバムを発表してきた。一台のバスで北海道から種子島までを回る全国ツアーや、数々の野外フェスに参加するなど、独自のスタンスで場所や形態に囚われない自由でインディペンデントな活動が話題を呼ぶ。2011年には自身のアトリエ「Studio Byrd」を完成させ、2012年プライベートレーベル「Slow Flow Music」を立ち上げた。Caravanも含めたった3人でマネージメントとレーベルを運営しインディーズ流通すら使わず、メディアにもほとんど露出しないその独自なスタンスも注目を集めている。独自の目線で日常を描く、リアルな言葉。聞く者を旅へと誘う、美しく切ないメロディー。様々なボーダーを越え、一体感溢れるピースフルなライブ。世代や性別、ジャンルを越えて幅広い層からの支持を集めている。

関連チケット情報

2018年8月17日(金)
Caravan/NakamuraEmi
会場:渋谷CLUB QUATTRO(東京都)
2018年9月15日(土)〜9月16日(日)
New Acoustic Camp 2018
会場:水上高原リゾート200(群馬県)
2018年9月22日(土)〜9月23日(日)
山人音楽祭 2018
会場:ヤマダグリーンドーム前橋(群馬県)
2018年10月6日(土)
HARVEST 11th Anniversary
会場:めぐろパーシモンホール 大ホール(東京都)

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