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カネコアヤノが語る、怒涛の2年の全て 本当のはじまりはここから

カネコアヤノが語る、怒涛の2年の全て 本当のはじまりはここから

カネコアヤノ『祝祭』
インタビュー・テキスト
北沢夏音
撮影:木村和平(ライブ写真のみ:木村泰之) 編集:山元翔一

大学時代よりカネコを支え続けるベース・本村の存在

現在のメンバーのなかで最初にカネコと合流したのは、ベースの本村だった。カネコとは18歳の頃からの知り合いで、大学2年のあるとき、カネコいわく「歌も楽器も全部がヘロヘロ、音も意味なくスカスカだった」ライブを観て、「曲がとにかく素晴らしくて感銘を受けた、これが本当のバンドだと思った」と声をかけてきたそうだ。当時カネコのバンドセットにはベースが不在で、「それなら自分がベースをやりたい」と加入して以来の付き合いになる。

カネコアヤノ(バンドセット)
Photo by Yasuyuki Kimura

前の所属事務所を辞めて粟生田と出会い、バンドを再編しようとしたとき、気になっているギタリストはいないかと訊かれたカネコは、「林くんしか思い浮かばないです」と答えた。そのとき林はカネコと面識もなかったが、カネコの音楽を聴いてバンドへの参加を快諾。

踊ってばかりの国に在籍していたときから、ギタリストとしての林の才能は際立っていた。ギターのみならずバンジョーやマンドリン、ラップスティールギターなど多彩な弦楽器を操り、真摯にアメリカーナを探究する姿勢など、その全てが今のカネコの音楽に欠くことのできない要素となっている。

2018年3月28日リリースの7インチシングル『Home Alone』および『祝祭』収録曲

しかし、林の加入後に『さよーならあなた』『ひかれあい』と2枚のEPを作り、ライブを重ねるなかで、「本当に好きにやってくれていいから」と何度も伝えたというカネコから見て、林が本当にバンドの一員として馴染んだと思えたのは、『ひかれあい』の制作に入ってから。そこに至るまでには林とタイトな信頼関係を築いた本村の役割が大きかった。

カネコ:本村くんは、私がバンドをやりたいという気持ちを本当に理解してずっとついて来てくれて、その意思を林くんや、その後に加わったドラムのBobにも引き継いでくれたすごく重要な存在ですね。私にはできないところを男の子として補ってくれたと感じます。

音楽家としてのカネコを大きく前進させた、ひとつの別れ

『祝祭』の制作を前に、もうひとつ大きな転機が訪れる。バンドの初期からのドラマーであり、レコーディングエンジニアを務め、アレンジにおけるキーマンでもあった濱野泰政がドラムの座を離れ、新たなドラマーとしてBobが加入したのだ(濱野は『祝祭』でもレコーディングエンジニアを務めている)。

カネコ:アレンジに関しては、私もヤスさん(濱野泰政)にすごく依存していたから、まずそこを抜け出さないといけないし、純粋にバンドをもう少し若々しくしたいという話になって、アルバムの制作に向けて新たなドラマーを探そうと決心したんです。

それで本村くんと林くんに相談したら、(HAPPYのドラムの)Bobがいいんじゃないかと。一度スタジオに入って音を合わせてみたら、本当に相性がよくて。特に『祝祭』のレコーディングを経て、すごい速さでバンドメンバーになっていったと感じる。それもあって最近のライブは一体感のあるものにできているのかな、と思いますね。

カネコアヤノ(バンドセット)
Photo by Yasuyuki Kimura

カネコ:ヤスさんがいないとアレンジ面など不安はすごくありましたし、私が一歩先に行くためには大きなハードルになっていたことも事実で。でもヤスさんがチームを抜けるわけではないし、ヤスさんにも力を貸してほしかったら、その都度相談すればいいなと。変わっていくことを受け入れないとダメだと思い切りました。脱皮ですね、これは大きかった。

—メンバーチェンジしてから、楽曲のアレンジをカネコさんとバンド全員で行うようになったんですか?

カネコ:前からみんなで作ってはいたんです。でも、私はスタジオに一応いるけど何も言えないことが多くて……。弾き語りのデモを渡したり、スタジオで「新しい曲作ってきた」って弾き語ると、メンバーが勝手に合わせてくれて、そこから広げていく感じだったんですけど、「こういうイメージがあって、こういうふうにしてほしい」程度のことさえ以前は言えなかった。林くんが入ってきた辺りから、それがやっと言えるようになりましたね。

—言えなかったというのは、遠慮していたということ?

カネコ:「間違えたらこわいな」みたいな。何が間違いなのかもよくわからないんですけど。

—自分の音楽的な語彙にあまり自信がなかった?

カネコ:今もそんなにないです。弾き語りのときは、逆にそんな感情もないですけど。バンドアレンジに関しては、メンバーの存在は大きいです。

カネコアヤノ

「バンドのときは、とにかく楽しくやる」(カネコ)

表現者としてのカネコの最大の魅力のひとつは、弾き語りとバンドセットでの歌の表情の違いだろう。この2つの違いについて、本人はどう感じているのだろうか。

カネコ:……自分のなかでは明確にあって、でも今まではうまく説明できなかったんですね。7インチをリリースしてくださった本秀康さんの作品展(「クリエイションギャラリー G8」にて、2018年2月27日~3月29日の期間で開催された『ロックとマンガ』)のトークショーのオープニングで歌わせていただいたんですけど、そのとき本さんが、漫画とイラストレーションの違いについて話していて。

漫画の場合は、絵は適当でよい、とにかくストーリーを伝えていって楽しいものにすると。イラストレーションは自分と向き合う作業で、絵もできるだけ丁寧に描くことを大事にしている、と言っていて、「あっ! 私もこれだ」と思ったんです。

カネコ:バンドのときは、とにかく楽しくやる。歌も別にマイクから外れたところで自分がウワーッとなっても周りの3人がいるし、その空気感みたいなものがすごく重要だけど、弾き語りでは歌詞を一つひとつ読み上げるような気持ちで丁寧に歌ってる。客席のみんなのことをしっかり見て、目を合わせたりすることを大切にしていて。

それに、アコギのほうが体にフィットしてるし、ギターもバンドのときよりちゃんと弾くようにしてます。だから本さんの考え方がすごいしっくりきて、「すごく楽しくやるか、すごく自分と向き合って丁寧にやるかのどっちかだな」って、はっきりしました。

自作曲だけがあってデビューが決まった場合、優秀なプロデューサーが付いて、全ての音作りを担うケースも多い。しかしカネコの場合、その選択をとらず、時間がかかってもこうして一歩一歩自分たちで模索する道を選んだことが功を奏しているのではないか。

カネコ:アレンジの段階から誰かに全部作られても、どうせムカつくんですよ、私は(笑)。音のことはよくわからないけど、イメージはあるんです。それは音じゃなくても伝えられる。

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リリース情報

カネコアヤノ『祝祭』
カネコアヤノ
『祝祭』(CD)

2018年4月25日(水)発売
価格:2,600円(税込)
WRCA-18

1. Home Alone
2. 恋しい日々
3. エメラルド
4. ごあいさつ
5. ジェットコースター
6. 序章
7. ロマンス宣言
8. ゆくえ
9. サマーバケーション
10. カーステレオから
11. グレープフルーツ
12. アーケード
13. 祝日

イベント情報

『カネコアヤノ TOUR 2018“祝祭”』

2018年5月4日(金・祝)
会場:神奈川県 横浜 日ノ出町試聴室 その3(SOLD OUT)
出演:
カネコアヤノ
柴田聡子

2018年5月6日(日)
会場:群馬県 高崎 WOAL(SOLD OUT)
出演:カネコアヤノ

2018年5月11日(金)
会場:広島県 4.14
出演:
カネコアヤノ(バンドセット)
シャムキャッツ
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

2018年5月13日(日)
会場:京都府 Livehouse nano(SOLD OUT)
出演:カネコアヤノ(バンドセット)

2018年5月27日(日)
会場:石川県 ハルモニー金沢
出演:
カネコアヤノ
折坂悠太
noid
料金:前売2,800円 当日3,300円 学生1,800円(共にドリンク別)

2018年6月2日(土)
会場:岡山県 禁酒会館(SOLD OUT)
出演:カネコアヤノ

2018年6月3日(日)
会場:福岡県 LIV LABO
出演:カネコアヤノ

2018年6月8日(金)
会場:北海道 札幌 Sound Lab mole
出演:
カネコアヤノ(バンドセット)
シャムキャッツ
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

2018年6月9日(土)
会場:北海道 札幌 キノカフェ
出演:
カネコアヤノ
その他の短編ズ
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

2018年6月15日(金)
会場:宮城県 SENDAI KOFFEE CO.
料金:前売3,000円(ドリンク別)

2018年6月16日(土)
会場:秋田県 大仙 matou(SOLD OUT)
出演:
カネコアヤノ
王舟
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

2018年6月23日(土)
会場:東京都 渋谷 WWW(SOLD OUT)
出演:カネコアヤノ(バンドセット)

2018年6月29日(金)
会場:大阪府 心斎橋 Pangea(SOLD OUT)
出演:カネコアヤノ(バンドセット)

2018年6月30日(土)
会場:愛知県 名古屋 TOKUZO(SOLD OUT)
出演:カネコアヤノ(バンドセット)

インストアライブ情報

『「祝祭」リリース記念 インストアライブ』

『東京編~バンドセット~』(ミニライブ&サイン会)
2018年4月30日(月・祝)
場所:タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
※観覧自由

『東京編~弾き語り~』(ミニライブ&サイン会)
2018年5月1日(火)
場所:ココナッツディスク吉祥寺店
※ご来場者多数の場合、入場を制限させて頂く場合もございます

『大阪編~弾き語り~』(ミニライブ&サイン会)
 2018年5月14日(月)
場所:タワーレコード梅田NU茶屋町店イベントスペース
※観覧自由

『名古屋編~弾き語り~』(ミニライブ&サイン会))
2018年5月20日(日)
場所:名古屋PARCO 西館1Fエントランス・スペース
※観覧自由

プロフィール

カネコアヤノ
カネコアヤノ

シンガーソングライター。これまでミニアルバム1枚、フルルバム2枚をリリース。弾き語りとバンド形態でライブ活動も展開中。2016年4月には初の弾き語りアルバム『hug』、さらに11月にEP『さよーならあなた』を発表。2017年4月に2ndEP『ひかれあい』、2017年9月には初のアナログレコード『群れたち』をリリース。2018年4月25日、3枚目となるフルアルバム『祝祭』を全国一斉発売する。

関連チケット情報

2020年11月5日(木)
GREENS presents “芍薬”
会場:オリックス劇場(大阪府)

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