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『テニミュ』など2.5次元舞台の成功要因を学ぶ。ネルケ・野上社長

『テニミュ』など2.5次元舞台の成功要因を学ぶ。ネルケ・野上社長

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インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子

斎藤工さんや城田優さんなど、『テニミュ』出身で活躍している人も多くなって、演劇が次につながる仕事だって気づいてもらえたんですよね。

—「2.5次元舞台」は、映像やグッズの販売、ライブビューイングなど、メディアミックス的なビジネス展開もひとつのポイントになっていますよね。

野上:「2.5次元舞台」は多様展開に向いているのではないかと思います。そもそも原作からの派生で舞台をやらせていただいているわけですけど、舞台でも必ずグッズを作りますし、DVD・Blu-ray化やライブビューイング、配信、番販もしますし、アパレルや飲食などに展開していくこともあります。もちろん、それをやりたいから演劇をやっているわけではなくて、結果としてついてきたものですけど、それをやることでお客様がより広がりますね。

でも、私はもともと小劇場で育っているので、最初はライブビューイングや配信で舞台を観ることに対して、劇場で体感できない、というところがひっかかっていました。

全国の映画館にて開催される『シャカリキ応援!テニミュ上映祭』
全国の映画館にて開催される『シャカリキ応援!テニミュ上映祭』(サイトを見る

—そこに関しても、なにか視野の広がるきっかけがあったのでしょうか?

野上:より多くの方に観てもらえる、というのがやはり魅力だなと思います。地方にいらして会場に来られない方や、未就学児がいる親御さん方などが、ライブビューイングや配信で劇場さながらのクオリティーで観られるのは技術が発達したからこそ可能になったことで、今ではすごくいいことだと思っています。

野上祥子

—「2.5次元」が話題になったことで、演劇界全体にはどんな影響があったと思いますか?

野上:演劇に興味を持つ人は増えたと思いますし、事務所さんからも「演劇って大事だよね」と思ってもらえるようになったのは大きいと思います。斎藤工さんや城田優さんなど、『テニミュ』出身で活躍している人も多くなって、演劇が次につながる仕事だって気づいてもらえたんですよね。

ただ、私はやっぱり小劇場が大好きなので、「2.5次元」しか知らない若い役者と、技を持った小劇場の役者を出会わせたいなと常々思っているんです。「2.5次元」とか「小劇場」というのはあくまで呼び名で、根本は一緒なんですよ。お互いが武器を見せ合って、1個のパーティーになって「演劇」として戦わないといけない。

—そういった役者さんの往来が、お客さんの往来にもつながるといいですよね。

野上:そうなったら最高! 『テニミュ』しか観たことないお客様が、小劇場に行ったらびっくりすると思うんです。「普段あんなにかっこいい子が、こんなことをやってる! 面白い!」みたいな。TOKYO DOME CITYや横浜アリーナも楽しいけど、客席と舞台の距離が近いザ・スズナリなど下北沢の劇場も楽しい。そうやって「演劇に夢中にな~れ!」って呪いを……じゃなくて、願いをかけているんです(笑)。

海外へ作品を持っていく際に、日本とまったく同じでいいかというと、そうではない。

—「2.5次元」は海外への展開も活発になりつつありますね。

野上:もともと海外でもやりたいとはずっと思っていたので、2014年に「NELKE CHINA」という上海支社を設立するなど拠点を作り、海外公演も増えてきています。「2020年の東京オリンピック」という素晴らしいキーワードがあるので、そこに向けてなにかできることはないかと考えていて、日本のコンテンツを広めるきっかけになればと思っています。漫画やアニメは日本が誇る素晴らしい文化で、それを通じて日本語を勉強してくださる方もたくさんいますし、「これをもっと広めずしてどうするんだ」って思うんですよね。

野上祥子

—3月から4月にかけては、中国で『ミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~』が上演されました。2020年に向けて海外進出を企んでいるエンターテイメントコンテンツはたくさんあると思うのですが、野上さんが考える海外進出においての大事なポイントとは?

野上:『陰陽師』は中国のゲーム会社のIPをお借りして、日本で作って、中国で本公演をやりました。海外へ作品を持っていく際に、日本とまったく同じでいいかというと、そうではない。自分たちのエゴでやっていてもついてきてもらえないから、ちゃんと国のことを勉強して、寄り添って、「いいエンターテイメントを提案させていただく」という感覚が大事なのではないかと思います。

その前には『ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~』を上演していました。『NARUTO-ナルト-』(岸本斉史(集英社 ジャンプ コミックス刊))はとにかく原作の人気がものすごいので、これまでマカオ、マレーシア、シンガポール、中国6都市、どこも盛況でしたね。海外で上演するのはお金的な意味でも挑戦なのですが、外に目を向けていかないといけないと思うので、まだまだこれからいろいろ仕掛けていきたいと思います。海外の方にも、心が打ち震える体験をしていただきたいんです。

深セン、上海、北京にて上演された『ミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~』メインビジュアル
深セン、上海、北京にて上演された『ミュージカル「陰陽師」~平安絵巻~』メインビジュアル

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イベント情報

『ミュージカル「テニスの王子様」15周年記念 シャカリキ応援!テニミュ上映祭』
『ミュージカル「テニスの王子様」15周年記念 シャカリキ応援!テニミュ上映祭』

2018年6月9日(土)、16日(土)、23日(土)、30日(土)
会場:全国各地の映画館
料金:2,500円(全席指定)

『ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン 全国大会 青学vs氷帝』
『ミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン 全国大会 青学vs氷帝』

2018年7月12日(木)~7月22日(日)
会場:東京都 TOKYO DOME CITY HALL

2018年8月1日(水)~8月12日(日)
会場:大阪府 メルパルクホール

2018年8月18日(土)~8月19日(日)
会場:福岡県 アルモニーサンク北九州ソレイユホール

2018年9月1日(土)~9月2日(日)
会場:岐阜県 バロー文化ホール(多治見市文化会館)大ホール

2018年9月8日(土)~9月9日(日)
会場:宮城県 多賀城市民会館 大ホール

2018年9月20日(木)~9月24日(月・祝)
会場:東京都 TOKYO DOME CITY HALL


料金:6,000円(全席指定)

プロフィール

野上祥子(のがみ しょうこ)

1999年、株式会社ネルケプランニング入社。以降、同社制作のすべての舞台、およびテレビアニメやイベントなど、多岐にわたるキャスティングを担い、幅広い作品作りに貢献。2016年7月、社長就任。2.5次元舞台を中心に、様々なジャンルで新たな作品を生み出し、海外公演も精力的に行うなど、新たなチャレンジを続けている。舞台の代表作品はミュージカル『テニスの王子様』、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』、『ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」』他。アニメの代表作品(キャスティング)はテレビアニメ『テニスの王子様』『家庭教師ヒットマンREBORN!』、劇場版アニメ『雲の向こう、約束の場所』他。

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