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ORESAMAに訊く、アニソンとストリーミング向きの曲は似てる?

ORESAMAに訊く、アニソンとストリーミング向きの曲は似てる?

ORESAMA『ホトハシル』
インタビュー・テキスト
金子厚武
編集:山元翔一
2018/08/23

テレビアニメのテーマソングといえば、「89秒」という尺が決まっていて、クリエイターがそのなかで様々なチャレンジを行っているということは、近年アニメファン・音楽ファン双方によく知られるようになったと言っていいだろう。そして、「短い尺に要素を凝縮する」という方法論は、ストリーミング時代の曲作りとどこかリンクする部分があるようにも思える。

4月にリリースされたアルバム『Hi-Fi POPS』で、再メジャーデビューからのファーストシーズンを終えたORESAMA。彼らはこれまでも数多くのアニメ関連楽曲を手がけてきたが、8月22日にリリースされたニューシングル『ホトハシル』もテレビアニメ『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』のエンディングテーマに起用されている。

ORESAMAの活動と並行して、DAOKOやSHE IS SUMMERらの作曲 / アレンジも手がける小島英也は、ストリーミングで音楽を聴くことが主流になりつつある今、どのような意識で楽曲制作を行っているのだろうか? 新たなはじまりを迎えた2人に現在のモードを訊くとともに、小島には改めて作曲論も語ってもらった。

イントロを聴いて、「ワクワクするな」って感覚を持ってもらいたいから、最初の10秒はすごく重要。(小島)

—CINRA.NETとしては約1年ぶりの取材となるのですが、前回取材をした際、小島くんが「一度自分をリセットしたくて、最近は全然新しい音楽を聴いてない」という話をしてくれましたよね。『Hi-Fi POPS』のリリースを経て、音楽に向かう姿勢はどのように変化しましたか?

小島(Gt):あの断捨離みたいな時間で気づいたのは、いっぱい曲を聴いたら、その分だけ曲が作れるのかというと、そうではないってことで。いかに自分に必要な栄養を取り入れるかが大事なんですよね。

毎日100曲を聴くんじゃなくて、1日1曲でいいから、自分が本当に好きな曲を見つける。そういうふうにして、改めて「自分はこういう音楽が作りたいんだ」って気づけたんです。僕はただ闇雲に曲を聴くぐらいなら、まったく何も聴かないほうが曲を作れるタイプなので、「自分が本当に好きなものを聴く」ということを心がけるようになりました。

ORESAMA
ORESAMA

—時代感的には、ストリーミングが主流になりつつあって、おすすめを次から次へと聴くことが普通になってきていますよね。もちろん、作り手とリスナーという立場の違いもあるだろうし、時期によっても違うと思うけど、今の小島くんは次々聴くというよりも、本当に自分が好きなものだけを聴くようにしていると。

小島:好きな1曲を見つけるためには、プレイリストを何十個も往復することもあるので、結果的には量もめちゃくちゃ聴いてるんですけどね(笑)。でも、そのなかで「これは好き」っていうのを見つけると、やっぱり忘れないんです。

曲を作ってる立場からすると、1曲丸々聴いてほしいから、もともとは「1コーラスだけ聴く」みたいなのは反対だったんですけど、最近はそういう聴き方も悪くないなって気づいて。だから最近はストリーミングの時代だからこその曲作りも意識するようになりました。

—具体的には、どんなことを意識するようになりましたか?

小島:やっぱりアタマの部分ですよね。曲の顔となる部分でどれだけ掴めるか。実際、今回の“ホトハシル”もイントロの10秒くらいを最初に作ってから、メロディーを作ってるんです。アタマのインパクトはすごく大事ですね。そこはすごく意識しています。

—それって、89秒のアニソンを作るときの意識とも近いと言えますか?

小島:通じるところはあるかもしれないですね。僕はイントロにその曲の表情をすべて詰め込みたいんです。イントロを聴いて、「こんな感じの曲」ってわかるものを作りたい。それはストリーミングで聴いてもらう曲作りのための意識とも一緒かもしれないです。イントロを聴いて「ワクワクするな」って感覚を持ってもらいたいから、最初の10秒はすごく重要。

—カニエ・ウェストの新作(『Ye』)は7曲入りで、2分台の曲が入ってたり、ストリーミングの時代になって、曲の尺が短くなる傾向もありますよね。

小島:ストリーミングでは、再生回数を稼ぐということも重要な要素の1つだと思います。ただ、もともと僕らの曲は比較的短いんですよね。ギュッとしてるほうが好きで、余分なものはつけたくないので、もしかしたら、これからどんどん短くなるかもしれない(笑)。

カニエ・ウェスト『Ye』(2018年)を聴く(Apple Musicはこちら

—曲の尺が短くなっていくことへの危機感のようなものは特にない?

小島:ないですね。僕自身、曲は短ければ短いほどいいと思っていて、そのなかに自分のやりたいことを凝縮できたときにすごく手応えを感じるんです。いろいろ肉づけして世界観を表現するのもアリですけど、僕にとっては少ない音数、短い尺で自分をどれだけ表現できるかが大事で、最近はちょっとずつそういうこともできるようになってきたかなと思います。

89秒で作るにしても、最初は苦労したんですけど、最近は逆に89秒以下に詰め込むことができるようになって、要素をちょっと足すことも増えたんですよ。削るのは難しいけど、足す分には楽しかったりもするので、そこは自分の成長なのかもしれないです。

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リリース情報

ORESAMA『ホトハシル』
ORESAMA
『ホトハシル』(CD)

2018年8月22日(水)発売
価格:1,296円(税込)
LACM-14792︎

1. ホトハシル
2. ようこそパーティータウン
3. ホトハシル -Instrumental-
4. ようこそパーティータウン -Instrumental-

イベント情報

『ワンダーランドへようこそ~in AKASAKA BLITZ~』

2018年9月13日(木)
会場:東京都 マイナビBLITZ赤坂

プロフィール

ORESAMA
ORESAMA(おれさま)

渋谷から発信する、ボーカル・ぽんとギター&サウンドクリエイター・小島英也の2人組ユニット。 80s'Discoをエレクトロやファンクミュージックでリメイクしたミュージックを体現。TVアニメ/CM楽曲起用や、話題のアーティスト・声優への楽曲提供、ボーカル参加等、様々な分野で発信し続ける。

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