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ライゾマ齋藤精一が訴える「東京にはボブ・マーリーが必要だ」

ライゾマ齋藤精一が訴える「東京にはボブ・マーリーが必要だ」

『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:前田立 編集:久野剛士、野村由芽

国としては、「遊休資産をどれだけ有効活用していくか?」というのが大きな課題なんです。

—それこそ今回の「新宿御苑 OPEN PARK プロジェクト」のひとつとしてライゾマティクス・アーキテクチャーとカルチャー・ヴィジョン・ジャパンが主催するイベント『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』は、さまざまな分野の人たちをつなげる場にもなるし、市民へのデモンストレーションにもなりますよね?

齋藤:そうですね。まず今回の『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』というのが、そもそも開いていなかった夜の新宿御苑(以下、御苑)を無料で開放するというもので。通常は昼間だけ有料で入れるところを、「自由に使って良い」と。

そういった機会を『東京五輪』に向けた調査事業としていただけたのは、国としても「遊休資産をどれだけ有効活用していくか?」というのが大きな課題だからなんですね。僕もそれは絶対にやったほうが良いと思っていましたし、2020年につなげる「ハレ」のデモンストレーションになれば良いなと思っています。

『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』イメージ画像
『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』イメージ画像

—どんなコンセプトにしようと思っていますか?

齋藤:「運動機会の創出」にしたいですね。『ロンドンオリンピック』のときに市長が目的として挙げていたのが、ロンドン市民の運動機会向上だったんです。要は「みんなで健康になろう」と。それって素晴らしいなと僕は思っていて。

ただ、最初にも話したように日本では「夜は音を出してはいけない」「公園でボール遊びをしてはいけない」となるわけです。せっかく2020年が来るなら、運動機会を公園であげたいと思っていて。そのタイミングに御苑のお話をいただいたんですよ。

ものすごく広い場所なので、せっかくならインスタレーションの中を歩いてもらおうと計画しています。いままで運動なんて興味もなかった人まで歩きたくなるようなエンターテイメントを作るのが今回のミッション。そのために、御苑近くにある新宿西口の摩天楼が望める素晴らしいランドスケープを演出しようと思っています。

『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』では、園内の一部で若手アーティストの作品が展示される。本作は、後藤映則による作品。
『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』では、園内の一部で若手アーティストの作品が展示される。本作は、後藤映則による作品。

—具体的にはどんなことを考えていますか?

齋藤:夜なので光を使うんですけど、僕がいま考えているのは「ライトの中を通る」「ライトと並走する」「ライトに向かって歩く」の3つ。あと、せっかく森があるので、森の中にレーザーで演出をしたり、指向性の高いムービングライトで「光の束」の演出をしたり。深い森なのでミストを炊いて、朝靄のような幻想的な雰囲気を作ったり、ブラックライトだけの空間を作ったりしようと考えています。

—楽しそうですね!

齋藤:やってみて、みなさんの反応を知りたいですね。これで走ってみたくなったり、「歩くって気持ち良いな」って思ってもらえたりするものを作りたいんです。

『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』では、園内の一部で若手アーティストの作品が展示される。本作は、藤元翔平による作品。
『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』では、園内の一部で若手アーティストの作品が展示される。本作は、藤元翔平による作品。

—私たちとしても、ライゾマさんの演出を「鑑賞」することはあっても、その中に「埋没」するという体験はないから、とてもエキサイティングだなって思います。なにかインタラクティブな演出もありますか?

齋藤:一部あるのですが、それはお楽しみということで(笑)。一つひとつを切り取ると、そんなに難しいことはやってないんです。でも、これだけの真っ暗な、だだっ広い都会のど真ん中の空間を演出する機会はなかなかないので、そこがとても魅力的なんですよね。

—これまでに、このようなイベントはやったことありましたか?

齋藤:2003年の『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』では、光る風船を道路に3000個ぐらい灯籠流しのように置いた作品があったんですけど、こんな風にいろんな種類のライトを使って演出するのはやったことがないですね。そこはチャレンジングですし、うまくいけば「あ、こういうことも都心でできそうだな」とか、「郊外に出てウルトラマラソンのようなイベントも演出できそうだな」とか、さまざまな可能性が開ける気がします。

『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』メインビジュアル
『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』メインビジュアル(サイトを見る
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イベント情報

『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』
『GYOEN NIGHT ART WALK 新宿御苑 夜歩』

2018年10月12日(金)
会場:東京都 新宿御苑
主催:新宿御苑・OPEN PARKプロジェクト実行委員会
(一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン/株式会社ライゾマティクス)
特別協力:新宿御苑管理事務所
夜の新宿御苑を歩きながら、光と音によるさまざまなインスタレーションを体験できるイベント

プロフィール

齋藤精一(さいとう せいいち)

1975年神奈川生まれ。Rhizomatiks Architecture主宰。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からNYで活動を開始。その後ArnellGroupにてクリエティブとして活動し、2003年の越後妻有トリエンナーレでアーティストに選出されたのをきっかけに帰国。その後フリーランスのクリエイティブとして活躍後、2006年にライゾマティクスを設立。建築で培ったロジカルな思考を基に、アート・コマーシャルの領域で立体・インタラクティブの作品を多数作り続けている。2009年-2014年国内外の広告賞にて多数受賞。現在、株式会社ライゾマティクス代表取締役、東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師。2013年D&AD Digital Design部門審査員、2014年カンヌ国際広告賞Branded Content and Entertainment部門審査員。2015年ミラノエキスポ日本館シアターコンテンツディレクター、六本木アートナイトにてメディアアートディレクター。

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