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和田唱が明かす、TRICERATOPS結成時の劣等感やソロ開始の理由

和田唱が明かす、TRICERATOPS結成時の劣等感やソロ開始の理由

KORG
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子

昨年メジャーデビュー20周年を迎えたTRICERATOPS。そのボーカリストでありメインコンポーザーの和田唱さんが、10月24日に、満を持しての1stソロアルバム『地球 宇宙 僕の部屋』をリリースしました。3ピースによるロックンロールサウンドが特徴のTRICERATOPSとは一味違うメロウでアコースティックなサウンド、彼がフェイバリットに挙げるポール・マッカートニーやマイケル・ジャクソン辺りを彷彿とさせる美しいメロディー、そして42歳の等身大を歌った歌詞の世界が心にしみます。

ソロ活動を始めたのは、一体どのような想いからだったのでしょうか。ギターを始めたきっかけにも、TRICERATOPS結成の裏にも、深いコンプレックスがあったという彼が、これまでの40年間を赤裸々に振り返ってくれました。

5歳の和田唱がアルバムジャケットに。撮影者は篠山紀信

1stソロアルバム『地球 東京 僕の家』のジャケットに使用されているのはなんと、5歳の和田唱さんご自身のポートレイト。しかも撮影したのは、かの篠山紀信さん。和田さんは、当時どんな少年で、これは一体どのような経緯で撮影されたものだったのでしょうか。

和田唱『地球 東京 僕の家』ジャケット
和田唱『地球 東京 僕の家』ジャケット(Amazonで見る

和田:実は、篠山さんは僕の父(イラストレーターの和田誠さん)の後輩にあたるんです。後に独立することになるのですが、2人とも「ライトパブリシティ」という広告制作会社に勤めていたんですよ。僕が生まれたばかりのときや、折に触れ記念写真やスナップ写真をプライベートで撮ってくれていたんです。

この写真もそのうちの1枚で、大きめに現像してくれていたものがずっと実家にあって。ちょうどソロアルバムのジャケットをどんなふうにしようか考えていたときにこれを見て、「あ、これかも!」って。

僕が持っているこの「くるくるてれび」はよく覚えていますね。覗くと『仮面ライダー』や『ウルトラマン』の短いフィルム動画が見られるおもちゃで、1980年代頭の頃まで売っていたんですよ。僕はそれが大好きだったんですよね。

和田唱
和田唱

1975年生まれの和田さんは、物心がついた頃から音楽が大好きでした。当時、大流行していたピンク・レディーがテレビに出て歌っていたり、戦隊ヒーローものの主題歌やエンディングテーマが流れたりすると、いつも一緒に歌っていたそうです。戦隊ヒーローものはとにかく大好きで、『太陽戦隊サンバルカン』など新番組がスタートすると、父親と下北沢のレコードショップへ行ってレコードを買ってもらうのが恒例になっていました。

和田:最初に習った楽器はピアノでした。特に弾きたくもなかったんだけど、母親に無理やり習わされて(笑)。小学生の頃は本当に忙しかったんですよ、ピアノやスイミングスクール……他にもなんだか色々と習い事をさせられていました(笑)。

なかでもピアノはつらかったですね。譜面を見ながら演奏するのが大の苦手で、練習曲を繰り返し弾かされるのは苦痛でしかなかった。よく居残りさせられていましたよ(笑)。ただ、高校生になってThe Beatlesに夢中になり、“Hey Jude”や“Lady Madonna”などをピアノでコピーしようと思ったときに、あの頃の経験が役に立ったから、今思えばやっておいてよかったなと思いますね。

KORG「SV-1」を演奏する和田唱
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初めて行ったコンサートは、マイケル・ジャクソンの来日公演

そんな和田さんが、マイケル・ジャクソンと出会ったのは小学5年生の頃。彼のニューアルバム『Bad』(1987年)がリリースされる直前で、遡ること4年半前のアルバム『Thriller』(1982年)が未だに世界中でロングヒットを記録し続け、日本でもテレビをつければマイケルのミュージックビデオがしょっちゅう流れていたときです。それを目にした和田少年は、マイケルに夢中になります。ビデオ『Making Michael Jackson's Thriller』(1983年)を繰り返し鑑賞し、マイケル主演のアトラクション「キャプテンEO」を観に東京ディズニーランドにも行きました。そして1987年、横浜スタジアムで開催されたマイケルの来日公演を目撃します。

和田:あまりの爆音にびっくりしちゃって。ああいったコンサートへ行くのも生まれて初めてだったし、しかもスタジアム公演だったわけですから。重低音が体に振動するじゃないですか。「え、こんなに音が大きくて大丈夫?」と思って怖くなりました(笑)。あと、椅子が用意されているのに場内が暗転した瞬間、みんな総立ちになって。「椅子の意味ないじゃん!」って思ったのを覚えています(笑)。とにかく、すべてがショッキングだったんですけど、ステージに立ってコンサートをやることへの憧れは、あのときに固まった気がします。

和田唱

それからは「マイケル・ジャクソン一筋」になった和田さん。中学に入ってThe Beatlesに夢中になったのも、もともとはマイケルがきっかけでした。彼が主演、原案、製作総指揮を務めるミュージカル映画『Moonwalker』(1988年)を父親と観に行ったとき、「マイケル博士」だった和田少年の知らない楽曲が最後に流れました。あとから父親に聞いて、それがThe Beatles “Come Together”だと知ります。「あのマイケルがカバーするThe Beatlesってどんなバンドなんだ?」と俄然興味を持ち、The Beatlesの魅力にハマっていくことに。

和田:The Beatlesすげえ! って大興奮しましたね(笑)。ただ、ギターを始めたのはThe Beatlesが直接の原因ではなかったんですよ。むしろ、最初は「ケッ、ギターなんて……」と思っていました。

というのも、当時バンドとかをやっていたのはクラスの「イケてる連中」で。サッカー部に入ってて、ギターまで弾いて、女の子にキャーキャー言われていて……っていう。当時、背も低く、子どもっぽかったことをコンプレックスに感じていた僕としては、まったくもって気に食わないわけです。でも、「ギター楽しそうだな」という気持ちには抗えなくて。「ギターが弾けるようになったら俺も、あいつらみたいにモテるんじゃないか?」という気持ちもあったんでしょうね。気づけばギターをこっそり買い、家で練習するようになっていました(笑)。

 
 

当時、The BeatlesとTHE ROLLING STONESに夢中だった和田さん。またもや絶好のタイミングで、ポール・マッカートニーとTHE ROLLING STONESの来日公演が開催されました。1990年、和田さんが15歳になる年です。当然、ギターのお手本はThe BeatlesとTHE ROLLING STONESに。相変わらず譜面を見るのが苦手だった彼は、耳コピでレパートリーを増やしていきました。TRICERATOPSのヒネくれたコード進行はThe Beatlesの、印象的なギターリフはTHE ROLLING STONESの影響にあるのは、このときの経験があったからではないでしょうか。

和田:まさにそうです。それと、ギターリフで言えばマイケルの影響も当然ありますね。彼の曲ってかっこいいリフの宝庫なんですよ、“Thriller”や“Beat It”しかり、“Bad”しかり……そこに、僕の等身大の歌詞を乗せることで、等身大のロックンロールを鳴らす。それがTRICERATOPSのコンセプトです。

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機材リスト

鍵盤

ギター
Martin「000-18(1955年製)」
Fender「STRATOCASTER(1959年製)」

エフェクター

DV MARK「DVM Compressore」
BOSS「Chromatic Tuner TU-3W」
BOSS「Loop Station RC-300」
L.R.BAGGS「Para Acoustic D.I.」

ベース
Fender「Mustang Bass(1972年製)」

アンプ
Zinky「Blue Velvet 25W Combo」

リリース情報

和田唱『地球 東京 僕の部屋』
和田唱
『地球 東京 僕の部屋』(CD)

2018年10月24日(水)発売
価格:3,000円(税込)
TTLC-1011

1. 大きなマンション
2. 1975
3. 矛盾
4. Moonwalk Moonwalk
5. Harajuku-Crossroads
6. 地球 東京 僕の部屋
7. アクマノスミカ
8. 夜の雲
9. Vision Man
10. クリスマスの朝
11. Home
※初回限定デジパック仕様

イベント情報

『和田唱 1st SOLO LIVE TOUR 2018 "一人宇宙旅行”』

2018年11月2日(金)
会場:北海道 札幌 cubegarden

2018年11月4日(日)
会場:東京都 日本橋三井ホール

2018年11月17日(土)
会場:金沢県 GOLD CREEK

2018年11月23日(金)
会場:静岡県 浜松 窓枠

2018年12月1日(土)
会場:宮城県 仙台 レンサ

2018年12月9日(日)
会場:福岡県 イムズホール

2018年12月15日(土)
会場:愛知県 名古屋 BOTTOM LINE

2018年12月16日(日)
会場:大阪府 BIGCAT

2018年12月30日(日)
会場:東京都 マイナビBLITZ赤坂

プロフィール

和田唱
和田唱(わだ しょう)

1975年東京生まれ。TRICERATOPSのボーカル、ギター、作詞作曲も担当。ポジティブなリリックとリフを基調とした楽曲、良質なメロディセンスとライブで培った圧倒的な演奏力が、幅広い層から大きな評価を集める。アーティストからのリスペクトも多数。SMAP、藤井フミヤ、松たか子、Kis-My-Ft2、SCANDALなどへの作品提供も多い。2018年はソロ活動を開始。10月24日には1stアルバム『地球 東京 僕の部屋』をリリース、11月から全国ソロツアーをスタートする。

関連チケット情報

2019年8月30日(金)〜9月1日(日)
Slow LIVE ’19 in 池上本門寺
会場:東京池上本門寺野外特設ステージ(東京都)

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