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デビューから10年を迎えるシャムキャッツ 目指すは争いなき場作り

デビューから10年を迎えるシャムキャッツ 目指すは争いなき場作り

『Park Live』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:エレナ・トゥタッチコワ 編集:石澤萌(CINRA.NET編集部)

「偶発的な出会い」をコンセプトに、東京・銀座にある「Ginza Sony Park」で開催されているライブプログラム『Park Live』。前回、CINRA.NETでは15歳のトラックメイカー・SASUKEが登場した回をインタビュー&レポートしたが(参考記事:「15歳のSASUKEが抱く夢。時代を明るく、音楽はもっと楽しく」)、今回取材したのは、去る1月27日に、この『Park Live』に登場したシャムキャッツ。

今回のライブは、当日の午前中にSNSで発表されるというシークレットイベントながら大盛況。自主イベントの開催や、近年はアジアツアーも積極的に行うシャムキャッツの面々に、終演後、この日の演奏の手応えから、彼らの理想とする「場所作り」とはどんなものなのか、話を聞いた。

「なるべく闘わないでいたいよね?」っていう気持ちで、場所やライブを作らなきゃいけないのかなって思いますね。(夏目)

—今日のライブはいかがでしたか? 「Ginza Sony Park」はいわゆるライブハウスやクラブとも趣の違った場所なので、普段のライブと違った感触もあったのではないかと思うのですが。

夏目(Vo,Gt):楽しかったですよ。当日告知なのに、あんなにたくさんの人が来てくれて。

大塚(Ba):シャムキャッツは、ライブハウスじゃなくても、どんな場所でもやりたい人たちだからね。

藤村(Dr):うん、こういうオルタナティブな空間は好きだよね。

左から:夏目知幸、藤村頼正、大塚智之、菅原慎一
左から:夏目知幸、藤村頼正、大塚智之、菅原慎一

—シャムキャッツは場所や空間を作ることに意識的なバンド、というイメージもあります。昨年11月の『Virgin Graffiti』リリース時には、原宿でポップアップショップを開いていましたよね。

大塚:場所作り的なことはやってきたバンドではあるんですよね。『EASY』っていう、自分たち主催のイベントをやったり。自分たちがお客さんとして行ったとしても、楽しめるような場所になればいいなと思っていますね。

2014年10月開催『EASY』のキービジュアル。『EASY』はその後も複数回開催され、D.A.N.やnever young beachなども参加した
2014年10月開催『EASY』のキービジュアル。『EASY』はその後も複数回開催され、D.A.N.やnever young beachなども参加した

藤村:理想としては老若男女に来てほしいし、いろんなタイプの人に見てもらうことが、シャムキャッツにとって一番の幸せだと思います。でも、そういう場所を作ろうと思うと、ライブハウスでは物足りなくなるときもあって。もうちょっと風通しのいい場所を作りたいっていう意識は、この4人の中に潜在的にあるのかもしれないです。

夏目:それはありそうだね。イギリスへ旅行したときにライブハウスに行ったんですけど、「ライブを観に来る場所」というよりは、「楽しみに来る場所」っていう感覚の方が強かったりするんですよね。俺個人としては、バンドを組んでライブをやり始めたときから、「何でライブはライブハウスでしかできないんだろう?」って思っていたし。

夏目知幸
夏目知幸

—藤村さんが仰る「いろんな人が集まれる場所」って、いま本当に必要とされているような気もするんですけど、でも、どうすれば理想的な形で、そうした「場」が生まれるのかって考えると、難しいですよね。

夏目:なるべく、争いを避けるっていうことじゃないですかね。できる限り、怒らないようにするっていう(笑)。

—単純なことだけど、大事なことですよね。

夏目:どれだけ「人に優しくしよう」と思っている人が集まっていても、どうしたって至らないところがあったり、誰かが不快に感じることは起きると思うんです。でも、多少のことでは怒らないようにする。ツンケンしなくていい場所が、もっと欲しいですよね。

—たしかに、「怒り」にどうやって対処していくのかは、とても問われている時代のような気もします。

夏目:やっぱり、完璧な人はいないですからね。そのつもりはなくても、無知でいると、人は人を傷つけると思う。俺自身、いつか大きなミスをしてしまう日は来るような気もするんです。気づけていないことがいっぱいあるなと、日々感じているから。

でも、そういう人が隣にいたとしても、「お互いに成長していくしかないよね」っていう感覚を持てばいいのかな。もちろん、闘わなきゃいけない場面はある。でも、「なるべく闘わないでいたいよね?」っていう気持ちで、いま、場所やライブを作っていくのが自分たちの役割かなと思ってます。

 
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イベント情報

『Park Live』

2019年1月27日(日)
会場:Ginza Sony Park 地下4階

ライブハウスともクラブとも一味違う、音楽と触れ合う新たな場となる"Park Live"。音楽との偶発的な出会いを演出します。
開催日:毎週 金曜日20:00 - 、不定期

リリース情報

シャムキャッツ『Virgin Graffiti』
シャムキャッツ
『Virgin Graffiti』(アナログ盤)

2019年3月6日(水)発売
価格:3,000円(税込)
TETRA-1013

[SIDE-A]
1. 逃亡前夜
2. もういいよ
3. 完熟宣言
4. She's Gone
5. おしえない!
6. Stuffed Baby
[SIDE-B]
1. カリフラワー
2. BIG CAR
3. 俺がヒーローに今からなるさ
4. あなたの髪をなびかせる
5. まあだだよ

プロフィール

シャムキャッツ
シャムキャッツ

メンバー全員が高校三年生時に浦安にて結成。2009年のデビュー以降、常に挑戦的に音楽性を変えながらも、あくまで日本語によるオルタナティブロックの探求とインディペンデントなバンド運営を主軸において活動してきたギターポップバンド。サウンドはリアルでグルーヴィー。ブルーなメロディと日常を切り取った詞世界が特徴。2016年からは3年在籍したP-VINEを離れて自主レーベルTETRA RECORDSを設立。より積極的なリリースとアジア圏に及ぶツアーを敢行、活動の場を広げる。代表作にアルバム『AFTER HOURS』『Friends Again』、EP『TAKE CARE』『君の町にも雨は降るのかい?』など。2018年、『FUJI ROCK FESTIVAL ’18』に出演。そして2018年11月21日、5枚目となるフルアルバム『Virgin Graffiti』を発売した。

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一聴・一見すると繊細に織られたアンサンブルに柔和な印象を抱く。が、極太のベースがリズムとメロディの両方を引っ張っていく様は超アグレッシヴでもある。観客も含めて会場に漂う空気は一貫して緩やかなものでありながら、なによりも3音の鋭い合気道を存分に楽しめるライブ映像だ。ビルドアップした低音に歌心を置くスタイルはまさに今だし、音の余白も心地いい。ポップとエッジィの両極をあくまで愛嬌たっぷりに鳴らす台湾出身の3ピースバンド、その魅力を1カット1カットが十二分に伝えている。(矢島大地)

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