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芸人・ミキが人気なわけ。構成作家・山田泰葉との対談から紐解く

芸人・ミキが人気なわけ。構成作家・山田泰葉との対談から紐解く

よしもとライターズアカデミーウエスト
インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:岩元崇 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

兄ちゃん教えてよ。聞きたいわ~、兄ちゃんの漫才の美学!(亜生)

左から:亜生、昴生
左から:亜生、昴生

―今度はミキの漫才について聞いていきたいんですけど、よい漫才にする秘訣ってありますか?

昴生:え、それ聞く? 難しいー。

亜生:兄ちゃん教えてよ。聞きたいわ~、兄ちゃんの漫才の美学!

昴生:おい! まぁ、最初に言ったけど、僕は漫才を作品だとは思ってないんですよ。ネタは大事ですけど、ふつうに喋れる感じがいいと思っていて。自然 / 不自然の見極めが大切なんですよね。要はミキのふたりにこの会話が似合ってるのか、がめちゃくちゃ大事なんです。

これは泰葉ともずっと話してる根本的なことなんですけど、例えばネタで「コンビニで働いてみたいから、ちょっとお客さん役やって? おれコンビニ店員やるわ」みたいなやりとりあるじゃないですか。あれ「なんでやねん!」って思うんですよ。だったらネタの最初からコンビニ店員の設定で始めればええやろ、と。

亜生:これ! 兄ちゃんがこれに引っかかるから、定番の「ちょっとやってみよ?」のやつができないんですよ、ミキは(笑)。

―あの、テレビとかでお笑い見てる僕の側からしても、そこに引っかかることはないですけど。

亜生:でしょう?

昴生:都合のいいツッコミとかネタに我慢できないんですよ。それは泰葉も同じ価値観を持っている。

泰葉:不自然さは気になりますね。

昴生:普通に出てくる会話が楽しいのであって、そこに不自然なものが挟まれると「なんかなー」ってなるんです。

亜生:兄ちゃんは昔っから頑固。ひとつ気持ち悪いところがあると「俺はこれやらん!」ってなる。でもね、ちょっとのきっかけでさらっと折れることがあるんですよ。恥ずかしいから口には出さないんだけど、「あ、今(こだわりを)飲み込んだな」というのがわかる瞬間がある。

亜生(ミキ)
亜生(ミキ)

―え、その瞬間ってかわいくないですか?

泰葉:ははは(笑)。

亜生:もう31年一緒にやってるから、かわいいもクソもないです。おもろいですけど! 昔はあんなに頑固だったのに。

昴生:いやー。人は変わっていかんとね……。そういうときにも泰葉がいてくれるのは助かる。兄弟でもお互いに言えないことってあるから、泰葉経由で伝えてもらうこともたくさんあるし。

―3人の関係がちょうどいいんですね。

昴生:そうですね。

ミキが珍しい兄弟のコンビだから売れているとは思ってない。ハングリー精神があるから売れている。(泰葉)

―泰葉さんの、ミキに惹かれるいちばんのポイントはなんですか?

昴生:うわ、そんなん聞いたことない。なんて言うんやろ。

泰葉:なんでこんなに人気出てるのか、ちょっとわからないんですよね(笑)。この間も映画の『ライオン・キング』を観てたら亜生が声優やってて「あれ、ひょっとして売れてるのか?」と思ったくらい。

山田泰葉
山田泰葉

亜生:そこで気づくの!?

泰葉:なんやろう……。この間、全国ツアーで島根に行った時に事件があって。もともとの構成では冒頭の漫才が20分の予定だったんですけど、30分すぎても終わらなくて。

昴生亜生:あああああ(頭を抱える)。

泰葉:ライブが全体で90分なんですけど、結局45分間ずっと漫才やってました。その日はちょっとウケにくい空気で、でも絶対にひとつは大きな笑いをとらないと終われない、ってことだったんやろうと思うんですけど。

亜生:45分って言ってますけど、僕の体感は120分くらいでしたよ。

昴生:あれは地獄かと思った。

泰葉:「絶対に笑いをとって帰ってくるぞ」っていうハングリーさがふたりのよいところだと思いますね。私は、ミキが珍しい兄弟のコンビだから売れているとは正直思ってないんです。そのハングリー精神があるから売れている。

特に単独だとミキは時間オーバーすることがけっこうあるんですよ。スケジュールが狂ってスタッフさんから怒られるのは構成作家の私なんで、何回も「あと8分」とかカンペを出すんですけど、本当にやめてくれない。

亜生:カンペ出されると、余計にやりたなるしね。

泰葉:それで初めて「もうやめてほしい」ってカンペを書いて出したんです。そしたら昴生さんに舞台上に引っ張り上げられて余計笑われるという。そして終わらない……。

昴生亜生:(爆笑)。

―そんなの面白いに決まってるじゃないですか!

昴生:お客さん「もっとやれ!」ってなるよ。

泰葉:うううー。

左から:昴生、山田泰葉、亜生
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サービス情報

よしもとライターズアカデミーウエスト

開講日:2019年10月(初年度は基礎コースのみ、半年間)
受験資格:学歴・年齢不問
受験内容:5枚程度のレポート提出 / 面接
入学特典:吉本運営劇場への立ち入りの許可(要申請)
在籍期間:2年制

プロフィール

ミキ

兄弟である兄の昴生・弟の亜生で、2012年に結成されたコンビ。関西を中心に活動していたが2019年4月より東京へ活動拠点を移す。

山田泰葉(やまだ やすは)

兵庫県出身。かわら長介塾15期生。卒業後、5upよしもとで先輩作家のイベントの手伝いをしながら、TVラジオ、イベントなど幅広く構成担当。

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