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The Songbardsが尊ぶ、伝統と革新。往年のロックと新技術を結ぶ

The Songbardsが尊ぶ、伝統と革新。往年のロックと新技術を結ぶ

The Songbards『CHOOSE LIFE』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:池野詩織 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

第3部:アートディレクター・土田陽介と語る、往年のロックバンドのジャケットに宿るかっこよさをサブスク時代に生かす方法

土田陽介(つちだ ようすけ)<br>京都生まれ。DYGL、NOT WONKなどのジャケットデザイン~アートディレクションを中心にグラフィック、ウェブなど多数手がけている。また、ロックバンド「WOOMAN(ウーマン)」としても活動中。今年1月にフルアルバム『A NAME』をKiliKiliVillaよりリリースしている。
土田陽介(つちだ ようすけ)
京都生まれ。DYGL、NOT WONKなどのジャケットデザイン~アートディレクションを中心にグラフィック、ウェブなど多数手がけている。また、ロックバンド「WOOMAN(ウーマン)」としても活動中。今年1月にフルアルバム『A NAME』をKiliKiliVillaよりリリースしている。

―ここからは、ジャケットのアートディレクター・土田さんに加わっていただきます。そもそも土田さんとはどのような出会いだったのでしょうか?

岩田:YYOKKEさん(土田の愛称)が手がけたDYGLの『Say Goodbye to Memory Den』(2017年)のジャケットがかっこいいなと思って、声をかけさせてもらったんです。

『Say Goodbye to Memory Den』ジャケット(Apple Musicはこちら

岩田:最初は、“Time or Money”と“Inner Lights”のミュージックビデオの美術監督的な感じでお願いをしました。

―土田さんもバンドマンで、現在はWOOMANとしてKiliKiliVillaからリリースもしていて、お互いシンパシーはあったでしょうね。

上野:そもそもYYOKKEさんがバンドを始めた理由が、バンド関連のデザインをしたかったかららしくて。そのために自分でメンバーを集めてバンドを組んだっていうのを聞いて、びっくりすると同時に、すごい信頼できるなって。

左から:土田陽介、上野皓平、松原有志
左から:土田陽介、上野皓平、松原有志

土田:そうなんです(笑)。まだPhotoshopとかIllustratorを使いたての学生時代に、架空のバンドのフライヤーとかを勝手に作っていたんですよね。友達が全然いなかったから、架空のバンド名とか「このバンドはこういう音で」とか考えてるうちに、「このバンドを自分でやればいいのか」って(笑)。

土田陽介
土田陽介

岩田:YYOKKEさんはDJもされてて、「掘る」という面でもすごくて。

土田:The Songbardsのみんなの世代って、10代からYouTubeが普通にあったと思うけど、僕の10代はまだギリギリインターネットの普及前で、歴史を追う聴き方をしてたんです。でも、彼らはいいものだけを抽出して聴いているのがすごいなって。

例えば、僕、The Byrdsの『Turn!Turn!Turn!』(1965年)が好きなんですけど、彼らも好きって聞いて、ちょっとびっくりしたんです。あのアルバムを、Captured Tracksとか現行のインディと同じ感性で聴いてるっていう、そのミックス感が面白くて。なので、お勧めを教え合ったりしながら、今回のアートワークの制作に向かった感じですね。

―実際のアートワークの制作はどんなところからのスタートだったのでしょうか?

The Songbards『CHOOSE LIFE』ジャケット
The Songbards『CHOOSE LIFE』ジャケット(Amazonで見る

土田:ミュージックビデオのときもそうだったんですけど、まず四人の中に「こういうのがいい」というイメージがちゃんとあるので、参考のジャケットをいろいろ出し合って、進めていきました。

それこそ『Turn!Turn!Turn!』とか、Radioheadのアー写とか、サンプルをいろいろ送ってくれて、僕からはRamonesの『End of the Century』(1980年)の赤いジャケットとかを送ったりして、「こんな感じでいきましょう」というのがあった上で撮影に臨みました。

The Byrds『Turn!Turn!Turn!』ジャケット(Apple Musicはこちら

Ramones『End of the Century』ジャケット(Apple Musicはこちら

松原:メジャーからのリリースなので、これまで以上に世の中に広まることを意識したときに、自己紹介をせずに、どんなやつらかもわからずに聴いてもらおうとするのはどうなのかなと思ったんです。デザイン性が高いのもかっこいいけど、やっぱりThe Beatlesは四人の顔が出てるジャケットが多いし、Oasisもそうだし、王道のロックバンドを目指すなら、四人の顔が出てる方が潔いなって。

土田:最初にそういう話を聞いて、昨今のロックバンドでそういうジャケあったかなって考えると、あんまりないんですよね。R&Bとかヒップホップは主張の音楽だったりもするので、自分の顔を出すのが当たり前でもあるけど、日本のロックバンドは特にあんまりないなって。

でも、Oasisにしても「態度」が大事だったりするじゃないですか。今回も、The Songbardsのみんなの音楽に対する誠意とか自信が、このアートワークを見れば一発でわかるというのがポイントだったんです。その考えは素晴らしいなって思いましたね。

岩田:最近は配信が主流じゃないですか? 僕らが出したかった「責任感」みたいな部分って、小さい画面の端っこに出てるだけだと達成できないから、ドでかく顔が出るのはいいなと思ったんです。

―確かに、Oasis的な遠目の映り方だとスマホ時代はちょっと弱いかも。

柴田:“マジック”と“悪魔のささやき”が先行配信されて、サブスクのプレイリストに入ってるのとかを見ると、やっぱりインパクトあるんですよね。他はイメージ画像みたいなのが多い中で、顔がっつりで、単色でって、引きで見ても目立つし、異質な空気感があって、狙い通りだなって。

The Songbards、土田陽介
The Songbards、土田陽介

土田:このバックの布は、(岩田)栄秀くんが撮影前日に「もし使えたら」って、染めてきてくれたんですよ。

岩田:自宅のカーテンをインディゴで染めたんです。

―カーテンを! すごい!

The Songbards

土田:事前に相談して持っていってたものもあったんですけど、栄秀くんが持ってきてくれたカーテンも試して、ふたつ撮ってみたら、カーテンのしわ感とかムラの感じがよくてこっちを採用したんです。そもそも「これ使えるかわからないけど」って状態で持ってくるのが素晴らしいなとも思いました。

松原:栄秀はなにかを実現させたい、というときの集中力とか行動力がすごいんです。「妥協も必要」って思う人はいると思うし、曲作りに関しても絶対どこかで区切りはつけないといけないんですけど、でもできる限りギリギリまでやろうっていう気持ちが栄秀は特に強くて。

岩田栄秀
岩田栄秀
左から:柴田淳史、上野皓平、松原有志、岩田栄秀
左から:柴田淳史、上野皓平、松原有志、岩田栄秀

土田:みんなとは感覚的に近いものがある気がして、それってなんなんだろうと考えると、「誠実さのある音楽が好き」ということなのかなって。そこをシェアした上で一緒にもの作りができたから、行きたいところに行けただけではなくて、よりいいものになったと思ってます。

しかも、僕はポップなことをやるのが一番難しいと思うんです。ポップを引き受けるって大変なことで、でもそれをやりたいんだって断言してるのは、本当に素晴らしいと思う。このアートワークにはその意志がちゃんと表れてるんじゃないかなと思いますね。

The Songbards、土田陽介、浅田信一
The Songbards、土田陽介、浅田信一
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リリース情報

The Songbards『CHOOSE LIFE』初回限定盤
The Songbards
『CHOOSE LIFE』初回限定盤(CD+DVD)

2019年11月20日(水)発売
価格:3,630円(税込)
VIZL-1664
※3面紙ジャケット仕様

[CD]
1. ストリートアレイ
2. 悪魔のささやき
3. マジック
4. オデッセイ
5. Inner Lights
6. Life is But a Dream
7. Othello
8. グッドラック・ドリー
9. 青の旅
10. 春の香りに包まれて
11. 風の吹くままに
12. この部屋で(ボーナストラック)

[DVD]
最新ミュージックビデオ“マジック”を含む、結成以降の全MV6作品(“雨に唄えば”“太陽の憂鬱”“春の香りに包まれて”“Time or Money?”“Inner Lights”)や、メンバーインタビュー、レコーディングのメイキング映像を含むスペシャルプログラム『BARDS LIFE ~The Story of The Songbards Volume 1~』を収録

The Songbards『CHOOSE LIFE』通常盤
The Songbards
『CHOOSE LIFE』通常盤(CD)

2019年11月20日(水)発売
価格:2,970円(税抜)
VICL-65263

1. ストリートアレイ
2. 悪魔のささやき
3. マジック
4. オデッセイ
5. Inner Lights
6. Life is But a Dream
7. Othello
8. グッドラック・ドリー
9. 青の旅
10. 春の香りに包まれて
11. 風の吹くままに

イベント情報

『CHOOSE LIFE Release Tour』

2020年1月23日(木)
会場:兵庫県 神戸 VARIT.
出演:
The Songbards
KOTORI
おいしくるメロンパン

2020年1月25日(土)
会場:広島県 Back Beat
出演:
The Songbards
2
空きっ腹に酒

2020年1月26日(日)
会場:熊本県 熊本B9.V2
出演:
The Songbards
2
空きっ腹に酒

2020年1月28日(火)
会場:香川県 高松 TOONICE
出演:
The Songbards
Brian the Sun
Slimcat

2020年2月1日(土)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
出演:
The Songbards
The Cheserasera
No Buses

2020年2月2日(日)
会場:栃木県 HEAVEN'S ROCK 宇都宮2/3(VJ-4)
出演:
The Songbards
Helsinki Lambda Club
ズーカラデル

2020年2月9日(日)
会場:京都府 GROWLY
出演:
The Songbards
DENIMS
Easycome

2020年2月11日(火・祝)
会場:石川県 金沢 vanvanV4
出演:
The Songbards
DENIMS
MONO NO AWARE

『CHOOSE LIFE Release One Man Tour』

2020年3月6日(金)
会場:岡山県 MO:GLA

2020年3月7日(土)
会場:福岡県 DRUM SON

2020年3月14日(土)
会場:東京都 渋谷 CLUB QUATTRO

2020年3月20日(金・祝)
会場:愛知県 名古屋 APOLLO BASE

2020年3月28日(土)
会場:大阪府 Shangri-La

プロフィール

The Songbards
The Songbards(ざ そんぐばーず)

2017年3月より地元・神戸を中心に活動を開始。上野皓平(Vo,Gt)、松原有志(Gt,Vo)、柴田淳史(Ba,Cho)、岩田栄秀(Dr,Cho)の4人組。バンド名は、「Songbird=さえずる鳥」と「bard(吟遊詩人)」のダブルミーニング。UKロックに影響を受けたツインギター&ボーカルと、息の合ったコーラスワークが魅力。結成後間もなく、『RO JACK 2017』『出れんのサマソニ』『COMIN'KOBE17』など大型フェスオーディションを総なめにした他、4時間ぶっ続けでカバー楽曲を演奏するバーイベントを約2年間続け、リバプールなどイギリスでのライブを12本経験するなど、精力的に活動している。

浅田信一(あさだ しんいち)

1995年、バンド「SMILE」のボーカリスト兼ソングライターとして、ソニーミュージックよりメジャーデビュー。バンド解散後は、ソロアーティスト活動や作品提供の他、音楽プロデューサーとしても、新人アーティストからベテランまで幅広く手掛けている。2019年8月にはアルバムリリース、生誕50周年を記念して渋谷クラブクアトロにてライブを行うなど、2020年のデビュー25周年に向けて益々アーティスト活動に力が入る。

土田陽介(つちだ ようすけ)

京都生まれ。DYGL、NOT WONKなどのジャケットデザイン~アートディレクションを中心にグラフィック、ウェブなど多数手がけている。また、ロックバンド「WOOMAN(ウーマン)」としても活動中。今年1月にフルアルバム『A NAME』をKiliKiliVillaよりリリースしている。

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