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HEY-SMITH・猪狩の達観した人生観と、パンクバンドの社会的役割

HEY-SMITH・猪狩の達観した人生観と、パンクバンドの社会的役割

HEY-SMITH『Pure Freedom』
インタビュー・テキスト
吉羽さおり
撮影:上保昂大 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2019/12/27

「平和な国・日本」で、パンクバンドはどんな役割を果たすことができるか?

―自分の音楽に感化されて、たとえば誰かが音楽をはじめたり、何かが動くきっかけになれば、それはひとつの貢献でもあると思いますけど。物事をつなぐ役割をしたというか。

猪狩:そうですかね。社会貢献ということは考えたこともないですね。むしろ、「気に入らんことは音楽の力を使って壊したろう」って思ってますからね。

HEY-SMITH『STOP THE WAR』を聴く(Apple Musicはこちら

―音楽はそれだけ力のあるものだってことはわかっている。

猪狩:それは疑いの余地がないですからね。ちょっと話がズレてしまうんですけど、最近その音楽のパワーというのを感じたことがあって。

この間、台湾でFire EX.というバンドが主催するフェスに出たんです。そのバンドは台湾で人気のあるリアルパンクバンドなんですけど、打ち上げとかでも「台湾はセカンド香港になり得る」という話をずっとしていて。

猪狩:彼らは、「俺たちは『中国人』でなく、『台湾人』なんだ」という曲を歌うんです。その姿を見たり、何万人という人が涙ながらにその歌を大合唱しているのを見ると、音楽の力ってやばいなって思いましたよね。すごかったんですよ。

―彼らように、日本でも音楽の力で社会を動かしたりすることはできると思いますか?

猪狩:全然あると思います。でも今はそれほど高ぶるまで、日本への不満なんてないと思うんです。だってトップニュースが、「『桜を見る会』でお金使いすぎ」とかですからね。

紛争で人が殺し合ってるとか、政府が国民を武力弾圧しているとかではない。こんな平和な国ないと思いますよ。日本で、そこまでの革命的な音楽は、今は必要ではないんじゃないですかね。

猪狩秀平

―では、そういう状況でパンクミュージック、あるいはロックバンドはどういう役割を果たすべきだと考えていますか。

猪狩:リアルな部分ではもちろんあります。たとえば、原発のこととか、最近逮捕者がたくさん出ているドラッグのことについて、その是非を歌うことは直接的な役割だと思います。もう一方で、社会にとっての「必要悪」という役割もあると考えていて。

政治的な面で、「本当はこの政策を推し進めたいけど、こいつらがいるから動けないな」とか、歯止めにもなると思うんです。以前、秘密保護法案が出たときにパンクバンドはすごく反対していたし、ああいうとき本来であれば反対意見を無視して決めたりはできないわけですよね(秘密保護法に関する外部サイトを見る)。何か直接手を下すわけじゃないけど暴走するものに歯止めをかけたり、物事を精査させるようにするっていう意味での「必要悪」というか。

猪狩秀平

―特に日本は「右へ倣え」な風潮がありますけど、そういう社会でパンクバンドはカウンターを唱えたり、プレッシャーをかけたりする役割を持っている。

猪狩:そういう「必要悪」になるパンクバンドは日本にもたくさんいるし、大事だと思うんです。何かに対して反対するってことを歌ったり、姿勢を示すと、リスナーもそれを聴いたり見たりして考えるじゃないですか。

―ちゃんと立ち止まって考えるための、異物であろうと。

猪狩:そういう思想はすごくある。もちろん応援するところは応援するしね。俺もちゃんと国民のひとりやし、「人類のうちのひとり」じゃないからなって思ってます。

政治家って、たまに人類として話すときがあるじゃないですか。「いやいや、ここに国民としているからな」っていうのはちゃんと言いたいし、思っています。俺たちにもそういう曲は結構あるので、音楽を聴いて同じような気持ちになってくれたら嬉しいですね。

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リリース情報

HEY-SMITH『Pure Freedom』
HEY-SMITH
『Pure Freedom』(2DVD)

2020年1月1日(水)発売
価格:4,840円(税込)
CBR-102

[DISC1]
1. Not A TV Show
2. Soundtrack
3. Living In My Skin
4. 2nd Youth
5. California
6. Don't Try So Hard
7. Over
8. Buffalo Soldier
9. Fog And Clouds
10. Drug Free Japan
11. Judgement Day
12. Sunday Morning
13. Don't Worry My Friend
14. Skate Or Die
15. Magic Leaf
16. Summer Head
17. Love Summer
18. No Mates
19. Summer Breeze
20. Truth Inside
21. We Sing Our Song
22. Dandadan
23. I Will Follow Him
24. Goodbye To Say Hello
25. The First Love Song
26. True Yourself
27. Endless Sorrow
28. Longest Day
29. I'm In Dream
30. Let It Punk
31. Come Back My Dog

HEY-SMITH
『Pure Freedom』(Blu-ray)

2020年1月1日(水)発売
価格:5,940円(税込)
CBR-102

・Life In The Sun TOUR FINAL@Zepp Osaka Bayside
1. Not A TV Show
2. Soundtrack
3. Living In My Skin
4. 2nd Youth
5. California
6. Don't Try So Hard
7. Over
8. Buffalo Soldier
9. Fog And Clouds
10. Drug Free Japan
11. Judgement Day
12. Sunday morning
13. Don't Worry My Friend
14. Skate Or Die
15. Magic Leaf
16. Summer Head
17. Love Summer
18. No Mates
19. Summer Breeze
20. Truth Inside
21. We Sing Our Song
22. Dandadan
23. I Will Follow Him
24. Goodbye To Say Hello
25. The First Love Song
26. True Yourself
27. Endless Sorrow
28. Longest Day
29. I'm In Dream
30. Let It Punk
31. Come Back My Dog

・Life In The Sun TOUR FINAL SERIES DOCUMENTARIES
・MUSIC VIDEOS(Let It Punk、Not A TV Show、California、No Mates、Fog And Clouds)
・“謎の旅番組”

プロフィール

HEY-SMITH
HEY-SMITH(へいすみす)

2006年結成。メンバーは、猪狩秀平(Gt,Vo)、YUJI(Vo,Ba)、満(Sax)、Task-n(Dr)、かなす(Tb)、イイカワケン(Tp)。2018年11月7日、ニューアルバム『Life In The Sun』を発表。約5万人を動員した過去最大規模の全国ツアー『Life In The Sun TOUR』のファイナル、Zepp Osaka Bayside公演の映像を完全収録したDVD / Blu-ray『Pure Freedom』を2020年1月1日にリリースする。

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