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edda、物語を紡ぐ音楽家として。創作の根幹は、空想を愛でること

edda、物語を紡ぐ音楽家として。創作の根幹は、空想を愛でること

edda『いつかの夢のゆくところ』
インタビュー・テキスト
天野史彬
編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2020/02/19

「思い出す」というのは、とても人間的な行為だ。「記録する」ことは機械のほうが精密にできるだろうが、「思い出す」ことは、きっとこの先も人間の仕事だろう。甘い初恋の記憶だろうが、苦手な人間と対峙したときの嫌にざわつく記憶だろうが、美味しいご飯を食べた、そんな素朴な記憶だろうが、時間が経つにつれて思い出は色づいていく。その心のなかの色彩を絵具にして使うことができるのは自分自身だけだ。それはきっと、機械には生み出せない色だ。

シンガーソングライターのeddaが、新作となる2ndアルバム『いつか夢のゆくところ』を2月19日にリリースした。本作のテーマについてeddaは、「夢とは記憶であり、記憶こそが人間をその人たらしめる」ということを、このインタビューでは語っている。

記憶と、それを「思い出す」という行為について。eddaは、この作品でそこに真っ向から向かい合ったのではないだろうか。だからこそ、この『いつか夢のゆくところ』というアルバムは、ファンタジックな音楽とストーリーテリングで聴き手を幻想的な物語の内部に誘いながら、その実、とても人間的な温もりを聴き手に与えるのではないか。本作について、本人にじっくりと話を聞いた。

「忘れない限り、夢も決して架空のものではない」。夢そのものに思いを巡らせ、創作の糸を紡ぐedda

―新作『いつか夢のゆくところ』は、eddaさんの物語的な世界観をこれまで以上に濃密に感じさせる作品だなと思いました。まず去年の段階でアルバムから4曲の短編アニメーションが公開されたことが、このアルバムの導入になっていますよね?

edda:そうですね。私、NHKでやっている『ニャッキ!』みたいな『プチプチ・アニメ』というのが大好きで。ああいう5分くらいで終わるアニメーションって、意味はわからないけど、すごく記憶に残ったりするじゃないですか。

私自身、2~3歳くらいの頃に見たアニメを、大人になってから調べたりするんだけど、結局、意味はわからないものが結構あるんですよね。きっと「わからない」からこそ、本人が描く筋が強烈に残るんだろうなって思うんですけど、そういう子どものトラウマになるような(笑)、記憶にいたく刻まれるようなアニメーションがあることは、すごくedda的だなと思ったんですよね。

―アルバムタイトルや歌詞などを読むと、恐らく新作の全体的なモチーフになっているのは「夢」だと思うのですが、ご自身として、今作のテーマはどのようにして作られていったんですか?

edda:そもそも「夢」というものがすごく好きで、ずっと、夢日記もつけているんです。夢って、要するに、記憶じゃないですか。私たちが現実の生活で経験してきたことも、記憶として私たちの体に残るわけで。だとしたら、夢と現実って、覚えている限りは、あまり変わらないところにあるんじゃないかと思うんです。

忘れない限り、夢も決して架空のものではない。そういうふうに夢に自我を与えながら、いろんな形の夢を集めたら面白いんじゃないかと思って。それが、「夢の館」という軸となるモチーフにつながっていきました。「夢の館」という場所に、忘れられた夢や、いろんな形の夢が集まってきている……そんなテーマをもとに、楽曲を作っていったんです。

edda(えっだ)<br>1992年生まれ。福岡県出身。音楽塾ヴォイスにて軸となる音楽性を形成。音楽による表現だけに留まらず、イラストやジオラマなどを創作することで、独自の世界観を追求するアーティスト。2020年2月19日に2ndアルバム『いつかの夢のゆくところ』をリリースした。
edda(えっだ)
1992年生まれ。福岡県出身。音楽塾ヴォイスにて軸となる音楽性を形成。音楽による表現だけに留まらず、イラストやジオラマなどを創作することで、独自の世界観を追求するアーティスト。2020年2月19日に2ndアルバム『いつかの夢のゆくところ』をリリースした。

―eddaさんはなぜ、夢日記をつけるようになったんですか?

edda:夢日記って、ずっと書いていると頭がおかしくなるっていう話があるじゃないですか。忘れていい記憶を無理に保持した状態にしてしまうから、「これってリアルだっけ? 夢だっけ?」って、グチャグチャになってしまうのかなって思うんですけど。じゃあ、本当に頭がおかしくなるかどうか試してみようと思って、2012年くらいからつけ続けていて(笑)。

―(笑)。

edda:結局、頭がおかしくはならなかったんですけど(笑)。

―ははは(笑)。夢日記って、持続可能なものなんですか? 僕はまったく想像がつかないんですけど。

edda:私も最初は全然、夢を覚えていられなかったんですけど、「お母さんがいた」とか「赤い信号が見えた」とか、断片的なものでもいいから覚えていたことだけを記録するようにしていたんです。そうしたらだんだんと、景色や色、その夢のなかでどういう気持ちだったのかっていうことも、リアルに覚えることができるようになってきて。今では、メモしなくても忘れないくらいにはなりました。

だからどうなったっていうことでもないんですけど(笑)。……でも、不思議な感覚なんですよね、夢日記って。廃墟を見に行ったときのような気分というか。行ったけど行っていない、みたいな。本当に、現実と夢の中間のような感覚になります。

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リリース情報

edda『いつかの夢のゆくところ』初回限定盤
edda
『いつかの夢のゆくところ』初回限定盤(CD+DVD)

2020年2月19日(水)発売
価格:3,960円(税込)
VIZL-1709

[CD]
1. こもりうた
2. 夢日記
3. ポルターガイスト
4. 時をかけ飽きた少女
5. Alice in...
6. イマジナリーフレンド
7. ルンペル
8. 戯曲
9. 雨の街
10. リブート
11. バク

[DVD]
【Short Movies】
・「雨の街」 Animation Director:しばたたかひろ
・「ポルターガイスト」 Animation Director:ギブミ~!トモタカ
・「イマジナリーフレンド」 Illustration:イケガミヨリユキ / Animation Director:田中涼子
【Music Video】
・「バク」 Animation Dircctor:若林萌

edda『いつかの夢のゆくところ』通常盤
edda
『いつかの夢のゆくところ』通常盤(CD)

2020年2月19日(水)発売
価格:3,300円(税込)
VICL-65311

1. こもりうた
2. 夢日記
3. ポルターガイスト
4. 時をかけ飽きた少女
5. Alice in...
6. イマジナリーフレンド
7. ルンペル
8. 戯曲
9. 雨の街
10. リブート
11. バク

イベント情報

『edda 作品展 “いつかの夢のゆくところ”』
『edda 作品展 “いつかの夢のゆくところ”』

2020年2月19日(水)~2月24日(月・祝)
会場:東京都 LUCKAND -Gallery Cafe&Bar-

展示者:
edda

参加クリエイター:
イケガミヨリユキ
ギブミ~!トモタカ
しばたたかひろ
若林萌

プロフィール

edda
edda(えっだ)

1992年生まれ。福岡県出身。音楽塾ヴォイスにて軸となる音楽性を形成。音楽による表現だけに留まらず、イラストやジオラマなどを創作することで、独自の世界観を追求するアーティスト。2017年5月31日に地元である福岡限定シングル『半魚人』を自主レーベル・Erzähler RECORDSよりリリース。売り切れ店が続出したのを受けて、7月19日に初の全国流通盤となるミニアルバム『さんかく扉のむこうがわ』を同レーベルよりリリース。同年10月11日、ビクターカラフルレコーズよりシングル『チクタク』(日本テレビほかアニメ『Infini-T Force』エンディングテーマ)でデビュー。2018年5月には、Coccoからの提供曲やササノマリイとの共作曲などを収録したEP『ねごとの森のキマイラ』を、続いて8月22日に読売テレビ・日本テレビ系新ドラマ『探偵が早すぎる』主題歌の『フラワーステップ』、そして、11月に1stアルバム『からくり時計とタングの街』をリリース。2019年には、新進クリエイターとのコラボ企画で3か月連続配信リリースを行い、2020年2月19日に2ndアルバム『いつかの夢のゆくところ』をリリースした。

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