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新星・Chapman、混沌とした社会の中で思考停止した脳を揺さぶる

新星・Chapman、混沌とした社会の中で思考停止した脳を揺さぶる

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2020/05/01

逃避ではなく、ファッションでもなく、メッセージとして音楽を鳴らすバンドである。4月15日に1st EP『CREDO』をリリースした5ピースバンド、Chapman。

新型コロナウイルスの影響で世界中が混迷のなかにある今、最初の作品が世に出るということは、新人バンドとしては決して恵まれた状況ではないのかもしれない。しかし、彼らの音楽が持つ凛とした強さと、その奥にある確固とした信念と思想は、この混乱のなかでも薄れたり汚されたりすることなく、鮮明な輝きを放っている。

ceroとの出会いをきっかけにソウルミュージックへの扉を開いたというサウンドはメロウに躍動し、バンドが特に大切にしているという歌詞には、今の社会を、日本をリアルに見据える言葉が随所に散りばめられている。この音と言葉の融和がもたらすものは、安直に消費されていい類の快楽ではない。ここに鳴っているのは、鋭い眼差しで社会を、そして私たち自身の存在を抉りながら、その先に、心からの本当の喜びを見つけるための音楽である。メインコンポーザーであるNeggyとNAKADAIのふたりに、オンライン取材で話を聞いた。

「シティポップでしょ?」って捉えられることもあるけど、自分が住んでいる都会に煌びやかさは感じない。(NAKADAI)

Chapman(ちゃっぷまん)<br>左から:DOI(Gt)、Kido(Ba)、Neggy(Vo)、NAKADAI(Key,Cho)、Tee(Dr)<br>2018年8月、中高の同級生らが軸となり結成。平均年齢25歳の5人組バンド。80s~90sのソウルやファンクを軸としながらもジャズ、ヒップホップ、ロック、近年のビートミュージックシーンからの影響をも感じさせる多彩な音楽性に、内省的かつ情緒溢れる詩を掛け合わせた楽曲が魅力。バンド結成1年で『SUMMER SONIC 2019』や、『ツタロックフェス 2019』などに出演。4月15日、1st EP『CREDO』をリリース。
Chapman(ちゃっぷまん)
左から:DOI(Gt)、Kido(Ba)、Neggy(Vo)、NAKADAI(Key,Cho)、Tee(Dr)
2018年8月、中高の同級生らが軸となり結成。平均年齢25歳の5人組バンド。80s~90sのソウルやファンクを軸としながらもジャズ、ヒップホップ、ロック、近年のビートミュージックシーンからの影響をも感じさせる多彩な音楽性に、内省的かつ情緒溢れる詩を掛け合わせた楽曲が魅力。バンド結成1年で『SUMMER SONIC 2019』や、『ツタロックフェス 2019』などに出演。4月15日、1st EP『CREDO』をリリース。

―新型コロナウイルスの影響で今は本当にみんな大変な時期ですが、こうしてオンライン取材を受けてくださりありがとうございます。人が集まるのも難しい状況ですけど、今、バンド活動はどういった感じですか?

Neggy(Vo):こういう状況になる前から、僕らの曲の作り方はスタジオに集まるというより、データのやり取りを通してやっていくことが多かったんです。だから、曲作り自体に支障は出ていないんですよね。むしろ今は、週に3~4曲くらいのペースでデモを作れたらなって思いながらやっています。

―アクティブに創作活動をされているんですね。

Neggy:そうですね。スタジオに入れないのはキツいですけど、籠って音楽を作る時間ができたので、それを上手く利用していこうっていう感じです。

―4月15日に1st EP『CREDO』がリリースされましたが、自分たちの最初の作品がこうした状況下でリリースされたことに対して、思うことはありましたか?

Neggy:『CREDO』は活動を始めて1年半で出す初めてのEPで、自分たちとしては「やっと出せた~」っていう感じの作品だったんです。なので、最初はもう、「コロナ、マジかよ……」っていう感じでした。タワレコだって休業しているし、リリースに向けてやりたかったイベントもバンバン中止になったし。

気持ちが落ちそうにはなったんですけど、最近は「これはもう宿命なのかな」と思ってます。この時期にリリースが重なったことが、後々に大きな意味を生んでいくのかもしれないなって。今後、音楽業界の動きも変わっていくだろうし、今はポジティブな気持ちに切り替えていますね。「この先、どんな音楽を自分たちは発信したいんだろう?」ということを考え始めています。

Neggy
Neggy

―NAKADAIさんはどうですか?

NAKADAI(Key,Cho):『CREDO』は、サウンドも歌詞も「ながら聴き」するようなタイプの作品ではないと思うんですよ。僕としては、もっと重たく作ったつもりで。なので、この状況でみんなが家で音楽だけに耳を傾ける時間が増えるのであれば、そのなかでちゃんと聴いてほしい作品だなと思えているんです。そういうところは、今のリリースで逆によかったのかなって思っていますね。

Neggy:本当にそうだと思う。ここ数年の日本で流行った音楽って、ちょっと気分を煽ってくれるくらいのものだったと思うんです。でも、今はそうやって流し聴きするような音楽よりも、もっと強いメッセージが求められている気がするんですよ。「こうだぜ」「こうしよう」っていう、もっと大きくて強い提示が必要とされている。僕らが作っていきたいメッセージの強さや大きさは、今の世の中にハマるんじゃないかと思うんですよね。

―たしかに、僕はこの状況のなかで『CREDO』を聴かせていただいて、まず歌詞がすごく興味深いなと思ったんです。例えば1曲目“カーニバル”には<格差>という言葉が出てきたり、5曲目“J.A.M”には<モラルは国民任せ>なんていうフレーズがあったりする。曲自体はすごく快楽性が高いんだけど、歌っていることの前提にあるのは今の日本社会を鋭く見る視線なのかなと思ったんですよね。

Chapman『CREDO』を聴く(Apple Musicはこちら

NAKADAI:そもそも僕がNeggyとバンドをやろうと思ったのも、こいつの書く歌詞が好きだからっていうのがあったんですよ。Chapmanは「シティポップでしょ?」って大きく捉えられることもあるんですけど、シティポップって歌詞の面でいうと、わりと煌びやかな都会を歌うものが昔も今も多いと思うんです。でも、僕らは幼い頃から都会で生きていて、別に自分が住んでいる場所に煌びやかさは感じないんですよね。だからこそ、Neggyの歌詞の至って現実的な部分がしっくりくるんです。Neggyは、みんなと同じ景色を見ているのは間違いないんだけど、そこに別の角度から切り込んでくれている、鋭い歌詞を書くなって思う。

左から:NAKADAI、Neggy、Tee、DOI、Kido
左から:NAKADAI、Neggy、Tee、DOI、Kido

―Neggyさんご自身は、歌詞にはどのように向き合っていますか?

Neggy:基本的には、解釈は聴き手に預けたいので抽象的な表現をしています。ただ、そのなかでも人間が思っていることの本質に突き刺せるようなメッセージが書きたいと思っていて。僕が書く歌詞のすべてに共通しているのは、「but」が前提になっていることだと思うんです。ひとつの感情や状況に対して、「でも~」っていう感覚が入っている。全部に葛藤が詰め込まれているというか。

―人間の本質を突こうと思ったとき、前提に葛藤が刻まれるのは、なぜなのでしょうか。

Neggy:僕自身が、人生のなかで両極端なコミュニティにいる機会が多かったんですよね。生活のいろんな面で両極を見てきたからこそ、気づきがあったのかなと思います。

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リリース情報

『CREDO』(CD)
Chapman
『CREDO』(CD)

2020年4月15日(水)発売
価格:1,650円(税込)
EGGS-045

1. カーニバル
2. 命脈
3. PILLAR
4. Kind man
5. J.A.M
6. Over the rain

アプリ情報

『Eggs』
『Eggs』

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料金:無料

プロフィール

Chapman
Chapman(ちゃっぷまん)

2018年8月、中高の同級生らが軸となり結成。平均年齢25歳の5人組バンド。80s~90sのソウルやファンクを軸としながらもジャズ、ヒップホップ、ロック、近年のビートミュージックシーンからの影響をも感じさせる多彩な音楽性に、内省的かつ情緒溢れる詩を掛け合わせた楽曲が魅力。バンド結成1年で『SUMMER SONIC 2019』や、『ツタロックフェス 2019』などに出演し、早耳のリスナーや業界関係者から注目を集めている。4月15日、1stEP『CREDO』をリリース。

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