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Easycomeが見つけた活動の道しるべ 誰かの人生の一部になる歌を

Easycomeが見つけた活動の道しるべ 誰かの人生の一部になる歌を

Easycome『レイドバック』
インタビュー・テキスト
天野史彬
編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2020/07/27

友達同士だからこその、穏やかで親密な空気感。音楽にも色濃くにじむ幸福なバンドの姿

―話しぶりを聞く限り、ちーかまさんのなかでは、そんな自分たちのスタンスに迷いがあるんですか?

ちーかま:いや……私たちとしては、これが正解なんです。この4人は意見が一致しているし、そこに関してはポジティブなんですよ。お客さんも受け入れてくれているし。でも、インタビューで答えるぶんには正解かどうかわからないなって。きっと、こういうことを言うのはインタビューとしてはよくないですよね?(苦笑)

―いやいや、思うことを語っていただければ(笑)。でもきっと、それだけEasycomeというバンドの内部にある空気感は、居心地がよく幸福なものだということですよね。

ちーかま:仲はいいですね。私は、バンドメンバーで遊ぶのも好きなんですよ。たとえば、ライブで遠征する予定だったのに、「急な事情があって、今日はライブができません」となっても、メンバーで旅行だけでも行きたい、みたいな(笑)。この感じって、周りのバンドには驚かれるんですよね。

左から:コダマ、Dr.johnny、ちーかま、落合 / 撮影:Misa Shinshi
左から:コダマ、Dr.johnny、ちーかま、落合 / 撮影:Misa Shinshi

ちーかま:私たちは練習後にみんなでご飯に行くのが普通だし、それが楽しみでスタジオに入っているところもあったけど(笑)、それを他のバンドの人に話したら、驚愕される。「バンドメンバーでご飯なんか行ったことない!」って。

―なるほど。今言ってくださったメンバー間の空気感って、穏やかで、テンポもゆっくりとしたEasycomeの音楽性にも反映されているものだと思うんですよね。それは、明確に意識してそうなっているのか……。曲を作っている落合さん、どうですか?

落合:う~ん……わかんないっす(笑)。

―ははは(笑)。

落合:こういう感じしか作れないのかな? メロディがいいものがいいなと思うんですけど、どうなんだろう……。

Easycome『Easycome』(2019年)収録曲

ちーかま:いや、落合はいろんなタイプの曲を作れますよ! Easycomeを組む前、ベースのコダマさんとふたりでユニットを組んでいたんですけど、今と全然違う感じでしたもん。

落合:それは、そうだった。そのときは、初期のP-MODELみたいな、ポストパンク~テクノみたいなことやっていましたね(笑)。その頃は「こういうものを作りたい」っていう明確な意識があったんですけど、今はそんなに明確な意思はないんですよね。でも、Easycomeのほうが真剣にやっているとは思います。

―「明確な意思はないけど、真剣」というのは面白いですね。

落合:もしかしたら、「Easycomeのメンバーで鳴らすならこういう曲だな」と無意識にでも感じているのかもしれないし、もし自分で歌うとなれば、違うタイプの曲になるのかもしれないし……。やっぱり、わかんないっすけど(笑)。

Easycome

「生活に馴染む音楽がしたいなって気持ちが強かった」

―じっくりいきましょう(笑)。おふたりの音楽遍歴を伺いたいんですけど、まず、ちーかまさんはどういった経緯で音楽をはじめたんですか?

ちーかま:そもそも小学3年生のときに、ばあちゃんが全国の子どもたちを集めてやるミュージカルのオーディションを私に受けさせたんです。それに受かってしまって、しかも、歌が上手い人がもらう役をもらってしまって。そのときから、「私、歌が得意なんかな」と思いはじめました。

だからといって、すぐにバンドに興味を持つわけでもなく、大学でも最初は水泳部のマネージャーをしていたんですよ。でも、落合がいた音楽サークルのライブに一度出させてもらって、そのとき、そこにいた人に「一緒にバンドやろう」と誘ってもらったんです。それがきっかけで音楽をはじめたんですけど。

ちーかま(Easycome) / 撮影:Misa Shinshi
ちーかま(Easycome) / 撮影:Misa Shinshi

―じゃあ、バンドに強烈に惹かれてはじめた、というわけでもないんですね。

ちーかま:そうですね。ずっと誰かに手を引かれるままに音楽をやっていたんですけど、初めて自分から「音楽の趣味が合いそうだな」と思った人たちに声をかけたのが、Easycomeの前身のコピーバンドだったんです。

そのコピバンをはじめるまで、私が誘われるバンドで求められるのは、どちらかというとソウルフルに歌いあげる感じが多くて、「歌が上手い人=歌いあげる人」って勝手に思い込んでいたんですよ。でも普段、自分が聴く音楽は囁くように歌ったり、派手さはないけどグッとくる歌が多かったんですよね。なので、「もっと、自分がやりたい音楽をやりたいな」と思って、落合や、ベースのコダマさんを誘ったんです。

―「囁くような歌」というのは、どんな音楽がお好きだったんですか?

ちーかま:中学高校で一番聴いたのは、スピッツですね。あとはユーミンも好きですし、ちょうどEasycomeを組んだときは東京のインディーズバンドが好きで、ミツメやシャムキャッツを聴いていました。その頃は、東京のインディーズ界隈に憧れていたのもあって、生活に馴染む音楽がしたいなって気持ちが強かったですね。

Easycome“crispy crispy”を聴く(Apple Musicはこちら

―シャムキャッツ、解散してしまいましたね(関連記事:シャムキャッツが10年で作り上げた景色。気まぐれな旅路の途中で)。

ちーかま:そうなんですよね……。ちょっともう、言葉にできないくらいショックです。私は、シャムキャッツが初めてバンドとして好きになった存在だったので、憧れはすごく大きかったんです。

落合:僕も、シャムキャッツめっちゃ好きなんですよね。僕もまだ、シャムキャッツについては喋れないくらいの感じです。

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リリース情報

Easycome『レイドバック』
Easycome
『レイドバック』(CD)

2020年7月15日(水)発売
価格:1,595円(税込)
NCS-10239

1. スピーチ
2. タペストリー
3. pass you by
4. 描いた果実
5. crispy crispy

プロフィール

Easycome
Easycome(いーじーかむ)

2015年8月、大学のサークル仲間と組んだバンドからメンバーチェンジ、改名を経て「Easycome」を結成。大阪・南堀江knaveで初ライブ開催。2016年9月、1stミニアルバム『風の便りをおしえて』を会場限定販売と一部の店舗での販売開始。2017年8月、2ndミニアルバム『お天気でした』をリリース。2018年12月、サポートドラマーとして参加していたDr.johnnyが正式メンバーとして加入。2019年7月、1stアルバム『Easycome』をリリースし「タワレコメン」にも選出される。2020年7月15日、1st EP『レイドバック』をリリースした。

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