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勝井祐二と山本精一が語る 踊るという文化とROVOが瀕する転換点

勝井祐二と山本精一が語る 踊るという文化とROVOが瀕する転換点

ROVO『ROVO』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:池野詩織 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

ROVOの4年ぶりのニューアルバムは、12枚目にして初のセルフタイトル作。新型コロナウイルスの感染拡大という前代未聞の状況に際して、一度自らのあり方をリセットし、新たな世界へと歩みを進めるーーそんな最新型のROVOがここにある。

そもそもROVOというバンドは、イギリスでレイヴカルチャーに触発された勝井祐二がダンスミュージックを生演奏するバンドとしてスタートさせ、その熱狂的なライブが日本における野外フェスの興隆ともリンクすることによって、歴史を作ってきた。その象徴が毎年5月に日比谷野外大音楽堂で実施されてきた『MDT Festival』だったわけだが、今年の開催は中止。「場所」を奪われたことは、ROVOにとって大きな損失だった。

だからこそ、7月に西多摩(あきる野市)にあるキャンプ場で『ROVO LIVE FOREST 2020』を開催し、いち早く有観客での野外ライブを行ったことは、バンドの哲学を改めて表明する重要な一歩だった。そして、その場で勝井が言った「新しいフェーズ、新しいクオリティ」に向けた最初の作品が、『ROVO』というアルバムだとも言える。難波ベアーズの店長として、ライブハウスの実情を日々見つめる山本精一にもリモートで参加してもらい、勝井とともに話を聞いた。

ROVO(ろぼ)<br>「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」と、勝井祐二と山本精一を中心に結成。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンの先駆者として、シーンを牽引してきた。国内外で幅広い音楽ファンから絶大な信頼と熱狂的な人気を集める、唯一無二のダンスミュージックバンド。2020年9月9日、12枚作目となる新作『ROVO』をリリースした。
ROVO(ろぼ)
「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」と、勝井祐二と山本精一を中心に結成。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンの先駆者として、シーンを牽引してきた。国内外で幅広い音楽ファンから絶大な信頼と熱狂的な人気を集める、唯一無二のダンスミュージックバンド。2020年9月9日、12枚作目となる新作『ROVO』をリリースした。

年に一度の「祭り」の中止を受け、いち早く有観客ライブを実施したROVO。その実験的試みを通じて直面したこと

―新型コロナウイルスの影響で今年は恒例となっている日比谷野音での『MDT Festival』が開催できなかったわけですが、その後、7月に西多摩のキャンプ場で『ROVO LIVE FOREST 2020』が実施されました。その経緯を教えてください。

勝井:野音が中止になった代わりに去年の『MDT Festival』の映像を配信したわけですけど、その先で、今自分たちが置かれてる状況のなか「何ができて何ができないのか」をいろんな人と相談しながら考えていたとき、『LIVE FOREST』を共同主催してくれた『earth garden』(ウェブマガジンも運営する野外フェスの制作オフィス)の鈴木幸一さんから連絡をもらったのが大きくて。

彼は僕と同じ多摩地区の郊外に住んでいるんですけど、5月の配信前後くらいに、「うちの近所のキャンプ場でいいところがあるんですけど、見に行きませんか?」って言われて、出かけていったのがはじまりです。

―『earth garden』はあの会場を使ってライブの可能性を模索していますよね。

勝井:最初は配信だけ、次に何人か友人たちを招待して、6月には50人くらいお客さんを入れて……というふうに、どうやったらソーシャルディスタンスを作れるのかを試していくなかで、「ここでROVOのライブやれないかな?」と思って、7月の実現に繋がりました。

『ROVO LIVE FOREST 2020』より。なお、ROVOは『earth garden』が主催する『ハイライフ八ヶ岳』への出演も決定している(詳細を見る

―野外フェスが軒並み中止になるなか、かなり早いタイミングでの有観客ライブでしたよね。

勝井:まだほとんど誰もやってなかったと思います。

山本:屋外野外に関わらず、ライブが全然やれない状況のなかで、ああいうことを一発目にやるのは……結構プレッシャーありました。大きく考えると、これからのフェスのあり方にも関わってくる試みだったと思うので、責任があったし、やるなら失敗できなかったんですよね。それに注目もされてたしね。「ことあらば、何か言ってやろう」みたいなやつもいたし。

勝井:『LIVE FOREST』の1週間後くらいに、鈴木慶一さんに会ったんですよ。「ROVO、武蔵五日市の山のなかでライブやったんだって?」って言われましたからね。やっぱり、注目はされていたと思います。コロナが来て、バタバタとライブができなくなって以降のフェスのあり方の、ゼロ号回みたいなものにはなったのかなと思っています。

山本:でも実際、若干残念な部分もあったりして。

勝井:とはいえ、あれによって見えてきたこともあるというか。

山本:とりあえずはじめてみないとね。だから、あれは実験でした。

―「若干残念な部分もあった」というのは、何があったのでしょか?

勝井:今まで僕らが17年間やってきた日比谷野音のフェスティバルって、全席自由で、お酒も含め持ち込み自由で、規制をできるだけなくして、「『フジロック』を都会に持ってくる」みたいなイメージでやってきたんですね。

それがフェス好きや、ROVOの音楽が好きな人たちにハマって、知らない人同士でも乾杯し合って、一緒に踊って、楽しく騒ぐことができる場になっていった。で、今年はそれができなくなって、7月に『LIVE FOREST』をやることになったとき、「これまでのとは違うんですよ」って事前にもっと大きく打ち出しておけばよかったかなとは思ったんです。

勝井祐二(かつい ゆうじ)<br>音楽家、バイオリニスト。ROVO、KOMA、DRAMATICS、勝井祐二×U-zhaanなどのバンドやユニットと、ソロや様々な音楽家との即興演奏で、エレクトリックバイオリンの表現の可能性を追求し続ける第一人者。
勝井祐二(かつい ゆうじ)
音楽家、バイオリニスト。ROVO、KOMA、DRAMATICS、勝井祐二×U-zhaanなどのバンドやユニットと、ソロや様々な音楽家との即興演奏で、エレクトリックバイオリンの表現の可能性を追求し続ける第一人者。
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リリース情報

ROVO『ROVO』
ROVO
『ROVO』(CD)

2020年9月9日(水)発売
価格:2,970円(税込)
WGMPCI-071

1. SINO RHIZOME
2. KAMARA
3. ARCA
4. AXETO
5. NOVOS
6. SAI

イベント情報

『ROVOニューアルバム『ROVO』発売記念LIVE』

2020年10月23日(金)
会場:愛知県 名古屋TOKUZO
開場 19:00 / 開演 19:30(2部制:換気休憩あり)
自由席:限定50席
前売:4,000円(ドリンク別)

2020年10月25日(日)
会場:東京都 渋谷TSUTAYA O-EAST
開場 18:00 / 開演18:30(2部制:換気休憩あり)
指定席:限定300席
前売:4,300円(ドリンク別) / 当日:5,000円(ドリンク別)

プロフィール

ROVO
ROVO(ろぼ)

「何か宇宙っぽい、でっかい音楽をやろう」と、勝井祐二と山本精一を中心に結成。バンドサウンドによるダンスミュージックシーンの先駆者として、シーンを牽引してきた。驚異のツインドラムから叩き出される強靱なグルーヴを核に、6人の鬼神が創り出す音宇宙。音と光、時間と空間が溶け合った異次元時空のなか、どこまでも昇りつめていく非日常ライブは、ROVOでしか体験できない。国内外で幅広い音楽ファンから絶大な信頼と熱狂的な人気を集める、唯一無二のダンスミュージックバンド。2020年9月9日、12枚作目となる新作『ROVO』をリリースした。

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