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トップハムハット狂が半生を語る “Princess♂”のバズを経た胸中

トップハムハット狂が半生を語る “Princess♂”のバズを経た胸中

トップハムハット狂『Jewelry Fish』
インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:木村篤史 編集:タナカヒロシ、矢澤拓

「自分で自分をラッパーと言っていいのかも迷ってるんですよ。ラッパーの本質とは全然違うところにいると思うので」

―AOさんのラップは聞き取るのが難しいほど言葉の量が多いですよね。リリックを書くときには何を重視しているんですか?

THHK:メロディーと響きですね。自分が口に出して気持ちいいと感じるフレーズを作りたいんです。曲のテーマが決まれば言いたいことがバーッと出てくるので、自分の口が言いやすいフレーズをはめたり、書いてから崩していくこともあるんですけど、どちらにしても響きを重視してますね。

トップハムハット狂

―気持ちいいフレーズがあった上で、歌詞の内容についてはいかがですか?

THHK:僕自身は心にグサッと響くようなことを書ける人間ではないと思っていて。“Princess♂”のように自分の経験をファンタジーにしたり、何かクッションを挟んだりして届けるのが好きですね。だから自分で自分をラッパーと言っていいのかも迷ってるんですよ。それに、リアル真っ向勝負の人には勝てないというか、そういうリアルを求めている人には、僕の音楽は刺さらないと思います。僕はラッパーの本質とは全然違うところにいると思うので。

―社会的に何かを訴えるのではなく、ファンタジーとして楽しんでもらいたい気持ちが強い?

THHK:そうですね。ただ、自分がリスナーになるときは、ゴリゴリのヒップホップをよく聴きます。最近だと舐達麻さんとか。死ぬほどかっこいいなと思います。僕とは生きてきた環境がまったく違う方たちのラップは、想像しながら聴ける余地があるじゃないですか。だから聴いてると脳が喜ぶんですよね。でも、好きで聴いているラッパーから「お前がラッパー名乗ってるんじゃねーぞ」って言われたら、「いやいや! 違います! ラッパーじゃないです!」って否定しちゃうと思います(笑)。

トップハムハット狂

「ちゃんとありがとうっていう気持ちを伝えていれば、リアルで会ってなくても心の距離感は近づくんじゃないかな」

―YouTubeではMVの配信だけでなくライブ配信もされてますよね。コロナ禍では現実でのライブがなかなかできない状況ですが、ライブ配信をどう捉えていますか?

THHK:そもそも人前でのライブは、あんまり得意ではなくて(笑)。始まったらもちろん楽しいんですけど、それまでは「あー、できるかな、大丈夫かな」って、与えられた役目をちゃんとこなせるか不安があるというか。配信でも見られてはいるんですけど、目の前にはいないので、好きにやれてますね。お客さんがいないと嫌だという人もいると思いますけど、ネット上で活動をしてきた僕には合ってるなと思います。

自宅からのライブ配信の様子

トップハムハット狂
トップハムハット狂

THHK:それに、応援してくれる人と、コミュニケーションをとる場を設けることは特に今必要だなと思います。やっぱり反応があったほうがうれしいと“Princess♂”を通して気づいたので。自分のペースを守りつつ、もっといろんな人に聴いてもらえるようにこれからも動いていきたいですね。ライブで会えない、インターネット上でしか交流できないご時世だから、ちゃんとありがとうっていう気持ちを伝えたり、リスナーの要望にはできるだけ応えたりしていれば、リアルで会ってなくても心の距離感は近づくんじゃないかなと思います。

でも、お客さんとリアルに接するライブも、やっぱり楽しいんですよ。生で音を聴くほうが気持ちいいですし。だからコロナが収束したら、またライブはやりたいですね。

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リリース情報

『Jewelry Fish』(CD)
トップハムハット狂
『Jewelry Fish』(CD)

2020年9月2日(水)発売
価格:1,980円(税込)
BCSW-1

1. Frisky Flowery Friday
2. Mister Jewel Box
3. Stress Fish
4. La Di Danimal
5. YOSORO SODA
6. Lofi Hanabi

プロフィール

トップハムハット狂(とっぷはむはっときょう)

1988年12月24日生まれ、宮城県仙台市出身。現在は東京を拠点に活動するMC、トラックメーカー。ソロとしてインターネットを中心に活動後、FAKE TYPE.、RainyBlueBell、魂音泉などのユニットでも活躍。2018年のアルバム『BLUE NOTE』から再びソロでの活動を中心に行ない、以降3枚のEPを発表。2019年11月発表の『Watery Autumoon』に収録された“Princess♂”のMVは、YouTubeで1300万回以上の再生数を記録し、海外からも大きく評価される。2020年9月2日に最新EP『Jewelry Fish』をリリースした。

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