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リ・ファンデが叫ぶ、心の凹み はぐれ者が自分の色を愛せるように

リ・ファンデが叫ぶ、心の凹み はぐれ者が自分の色を愛せるように

リ・ファンデ『HIRAMEKI』
インタビュー・テキスト
ドリーミー刑事
編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

祖父母の思い出をもとに、人生の力強さや瞬間の輝きを歌にした “シャイニング”。コーラスで参加したSaToAのふたりへのQ&Aから垣間見える、リ・ファンデの人間的魅力

―先行配信されたリードトラック的存在の“シャイニング”について伺います。リさんの音楽はオーセンティックなソウルをベースにした楽曲が多いと思うのですが、この曲はいわゆるシティポップと呼んでしまいたくなるような、キラキラとした輝きのある楽曲ですね。

:これは嫁さんのおじいさんが亡くなったとき、葬儀の最後で嫁さんがぽろっと泣いたのがきっかけで作りはじめた曲です。普段は離れていても、ふと家族や故郷のことを思い出したり、懐かしくなったりするときってあるじゃないですか。それでもやっぱり自分はこの離れた場所、違う道を進んで輝いていきたいと決意を新たにする。そんな瞬間を曲にしたいと思ったんです。

―最初のインスピレーションを受けたお葬式という悲しい場面から、街へ飛び出していこうというこの疾走感へと昇華させていくところがすごいですね。

:ちょうどその頃、もう亡くなっている僕のおじいさんの話もおばあさんから聞いたんです。ものすごく怖い人だったんですけど、一回だけ旅行に連れてってくれたことがあるって話を初めて聞いて。

おじいちゃんは韓国で生まれて日本に渡ってきて、日本の教育も受けてないから漢字とかもあまり読めなくて。でも運転免許は持っていたから、地図だけを持っておばあちゃんを車に乗せて旅行に連れていってくれた、と。その道中で見た、夜の闇の中に光るたくさんの鹿の目のことをよく覚えているって話を聞いて。そこがサビの<ひかる目を見せたくて>という歌詞や“シャイニング”というタイトルに結びついてます。パッとした思いつきで地図だけを持って旅行に連れてってしまうところに、当時のおじいちゃんの輝きやパワーを感じるなって。それを楽曲に結びつけることができたと思います。

リ・ファンデ“シャイニング”を聴く(Apple Musicはこちら

―おじいさんが若かった頃のエピソードを、50年後に楽曲にしているというのはすごく時間軸の大きい話ですよね。そこがこの曲の深い感動に繋がっている気がします。そしてやっぱりその光を作り出しているひとつが、SaToAのSachikoさんとTomokoさんのコーラスですよね。パッと景色が開けてくる感じがします。おふたりにも質問をお送りしてご回答いただきました。

―“熱風の急襲”に続いてのゲスト参加となりましたが、レコーディングはどのような雰囲気でしたでしょうか?

Sachiko:コロナ禍でのレコーディングでしたが、みなさんわきあいあいと音楽作りに集中されていて、和やかな雰囲気でした。コーラス部分は私たちで考えたフレーズなどを取り入れてくださり、リさんの音楽に溶け込むことができたこと、嬉しかったです。ありがとうございました。

Tomoko:今回コーラスをさせて頂いた曲はゴージャスでロマンチックで、曲を頂いた時からレコーディングが楽しみでした。当日は他のアーティストの方々も多くいらっしゃって、とてもワクワクした現場でした。私は緊張しいなのですが、リさんがいると不思議とストンと気持ちが落ち着きます。前回よりも緊張することなく、より曲の雰囲気に寄り添いながら歌えたような気がします。

左から:Sachiko、Tomoko。『HIRAMEKI』のレコーディングより / 撮影:Daisuke Murakami
左から:Sachiko、Tomoko。『HIRAMEKI』のレコーディングより / 撮影:Daisuke Murakami

―ライブでも度々共演しているSaToAから見たリ・ファンデの魅力を教えてください。

Sachiko:リさんのいつも穏やかなところ、音楽に対するピュアでまっすぐな姿勢に魅力を感じています。私もそんな人になりたいなと憧れます。お笑い好きなところも共感が持てます。

Tomoko:リさんのライブを初めて拝見したとき、歌う姿にキラッとする瞬間を何度も感じてとても心を掴まれました。コーラス練習のために一緒にスタジオに入った時にも同じ気持ちになりました。レコーディングのときもそう感じます。リさんの歌声、歌う姿がリさんの作る曲そのものを表してると思います。

:SaToAのふたりにもこのエピソードを話してから、コーラスのアレンジを考えてもらったんですよね。音楽的なリクエストは一切せず、ふたりに全部お任せして。

―アレンジも任せたんですね。前作のシングルから数えるとかなりの曲数を一緒にやってるだけのことはありますね。

:そうですね。お互いフラットな感じで曲を作れる空気感や関係性になってきた感じがあります。NegiccoのNao☆さんに提供した楽曲もTomokoちゃんにベースを弾いてもらったし。でも、たくさんコラボを重ねたからっていいものが作れるというわけでもないんです。奇妙さんと同じように、彼女たちとの間にも名前のつけられない関係性があって、そこから生まれてくるものがあると思います。

付き合いが深くなるから慣れてくるとかじゃなくて、「この曲にSaToAの二人が入ってくれたらもっと素敵になるだろうな」というインスピレーションだけを信じてお願いして、やってもらったら実際そうなったというだけのことというか。要は僕の好意が伝わっているということだけかもしれませんけど(笑)。

左から:Sachiko、Tomoko / 撮影:Daisuke Murakami
左から:Sachiko、Tomoko / 撮影:Daisuke Murakami
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リリース情報

リ・ファンデ『HIRAMEKI』
リ・ファンデ
『HIRAMEKI』(CD)

2020年10月14日(水)発売
価格:2,200円(税込)
LEEH-002

1. シャイニング
2. Whisper(feat.奇妙礼太郎)
3. おかしなふたり(feat.Haruko Madachi)
4. すべ
5. chap! chap!
6. Believer
7. ずっと君のもの
8. Black

イベント情報

『Tears Rock Show Ueno編』

2020年10月18日(日)
会場:東京都 YUKUIDO工房
出演:リ・ファンデ / 曽我部恵一

『Tears Rock Show』

2020年11月21日(土)
会場:兵庫県 神戸 旧グッゲンハイム邸
出演:リ・ファンデ / 奇妙礼太郎

2020年11月22日(日)
会場:愛知県 名古屋 金山ブラジルコーヒー
出演:リ・ファンデ / 奇妙礼太郎

2020年11月28日(土)
会場:東京都 青山月見ル君想フ
出演:リ・ファンデ(band set)

プロフィール

リ・ファンデ
リ・ファンデ

2015年11月3日にROSE RECORDSからLee&Small Mountainsとして『Teleport City』を7inch+CDフォーマットにてリリース。2017年1月20日、デビューフルアルバム『カーテン・ナイツ』を発売。同年2月26日、下北沢THREEにて、曽我部恵一を招いて開催されたレコ発はソールドアウト。10月にはTSUTAYA O-nestで初のワンマンライブを行った。2018年は自主企画イベント『Love can move mountain!』を精力的に展開。SaToA、いーはとーゔ、The Wisely Brothers、SCOOBIE DO、奇妙礼太郎、シアターブルックなどを招き、下北沢を中心に活動。2019年夏からはリ・ファンデ名義で活動をスタート。2020年10月ソロとしてファーストアルバム『HIRAMEKI』をリリース。

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