特集 PR

ASOBOiSMはラップする キラキラじゃなくても人生一度きりだから

ASOBOiSMはラップする キラキラじゃなくても人生一度きりだから

ASOBOiSM『OOTD』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:小田部伶 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2020/11/24

やっぱり、自分のことは自分で語らなければいけない――そんなことを、ラッパー・ASOBOiSM初のフルアルバム『OOTD』を聴くと感じる。「OOTD」とは「Outfit of the Day」の略で、「今日のコーデ」という意味だという。鋭く突き刺すような怒り、理知的なユーモア、脆く繊細な感傷、そして、甘くしたたるような愛情……日々のなかから生まれる様々な感情が刻まれたリリックは曲ごとに生々しく、コロコロと表情を変えていくが、アルバム全体を貫くトーンは、とても柔らかくメロディアス。聴き手の生活にそっと寄り添いながら、生活の細部に宿る感情のグラデーションを力強く肯定するような、そんなアルバムに本作は仕上がっている。小さな独り言も、吐き捨てられた愚痴も、このアルバムのなかでは宝石のように輝いている。

ASOBOiSMは、2015年に「たなま」という名義でギター弾き語りを軸としたシンガーソングライターとしてデビュー。その後、2017年に現在の「ASOBOiSM」へと名前を変え、表現の軸をヒップホップへとシフトチェンジ。そして、OLとして働きながら音楽活動を続けてきたという異色の経歴の持ち主だ。そんな、彼女にしか生きることのできない人生の、その一回性に実直に向き合った末に生まれた音楽には、ASOBOiSMという「個」のリアルが克明に刻まれている。valknee、田島ハルコ、なみちえ、Marukido、あっこゴリラと結成した「Zoomgals」での活動でも注目を集める彼女。その表現の根底にある意志に、単独インタビューで迫った。

ASOBOiSM(あそぼいずむ)<br>1994年生まれ、横浜市戸塚区育ちのソングライター / シンガー / ラッパー。飾り気ないOLライフを遊び心あふれる歌&ラップで描いたガールシティポップで、2018年より怒涛の配信シングルを発表。なみちえやサイプレス上野らラッパーとのコラボも注目を集めたほか、『ねこねこ日本史』(NHK Eテレ)やアイドル・神宿などへのジャンルを超えた楽曲提供で作家としても高く評価されている。
ASOBOiSM(あそぼいずむ)
1994年生まれ、横浜市戸塚区育ちのソングライター / シンガー / ラッパー。飾り気ないOLライフを遊び心あふれる歌&ラップで描いたガールシティポップで、2018年より怒涛の配信シングルを発表。なみちえやサイプレス上野らラッパーとのコラボも注目を集めたほか、『ねこねこ日本史』(NHK Eテレ)やアイドル・神宿などへのジャンルを超えた楽曲提供で作家としても高く評価されている。

内に秘めたものを、心が揺れ動く瞬間を言葉に。ASOBOiSMが語る、自らのラップスタイル

―初のフルアルバム『OOTD』がリリースされましたが、このアルバムを改めてご自分で俯瞰してみると、どんなことを感じますか?

ASOBOiSM:ブレてないな、と思います。アルバムに入っているのはこの2年間くらいで作ってきた曲たちなんですけど、音楽をはじめた19歳の頃は、ここまで自分に正直になれてはいなかったと思うんですよ。でも、ASOBOiSMになってからは、自分の感情に素直に曲を書いてきたなと思います。

―ASOBOiSMさんは、もともと「たなま」という名義で、ギターの弾き語りを軸に活動されていたんですよね。そこから表現方法の軸がヒップホップになり、ASOBOiSMとしての活動していくなかで、曲に素直さが生まれてきたということでしょうか。

ASOBOiSM:そうですね、たとえば“HAPPOUBIZIN”とか、“PRIDE”とか、こういう自分の愚痴がそのまま出ているようなタイプの曲は、たなまの頃は書かなかったと思います。

ASOBOiSM“HAPPOUBIZIN feat. なみちえ”を聴く(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

ASOBOiSM:弾き語りをしていた頃は、誰かに褒めてもらうために曲を書いていたなと思うんですよね。遊びがなかったというか、尖ったところがなさ過ぎて、周りに溶けていくような感じがあって。あまりにも普通というか……「普通」がなにかもわからないんですけど。

―今のASOBOiSMさんにとって、曲を作るということは、自分の感情を曝け出すようなことでもある?

ASOBOiSM:日記というほどではないですけど、愚痴っぽいことも含めて、自分の心が揺れ動いた瞬間に、携帯のメモにそれをバーッと書きなぐるというか、打ちなぐって(笑)、そこから私は曲を作っていくんです。きっと、私は感情の起伏が激しいほうなんだろうと思うんですよね。仕事でも私生活でも、人間関係が上手くいかないこともあるし、もちろん女性だから生理だってあるし。

―なるほど。

ASOBOiSM:最近、中高生に曲作りを教える「GAKU」というプロジェクトに講師として参加したんですけど、そこで私が教えていた高校生の女の子が、自分のノートを見せるのをすごく恥ずかしがっていて。書いたものを「見せて」と言うと、全部消しゴムで消しちゃったんです。感情を大っぴらにするのって、ここまで勇気がいることだったんだって、改めて気づきました。私はそれが当たり前だと思ってやってきたから。今の私は、大胆にというか、素直に、直感的に、曲を書いているなと思います。

―心が揺れ動く瞬間をメモに書くというのは、昔からずっと続けていることなんですか?

ASOBOiSM:昔からたまに日記は書いていました。小学生の頃に書いた日記が出てきたことがあったんですけど、赤いペンで「○○(名前)、うぜー!」とか、「あいつを見返してやる」とか書いてあって(笑)。

―ははは(笑)。

ASOBOiSM:ヤベエやつだなと思うんですけど、今と全然変わってないなとも思います(笑)。負けず嫌いだし、内に秘めるものは大きいというか。ぼんやり生きているタイプではないので、感情が壁にぶち当たることは多いです。

ASOBOiSM
Page 1
次へ

リリース情報

ASOBOiSM『OOTD』
ASOBOiSM
『OOTD』

2020年10月16日(金)配信

1. PRIDE
2. あまのじゃく(feat. 関口シンゴ)
3. YOU
4. TOTSUKA(feat. サイプレス上野)
5. HAPPOUBIZIN(feat. なみちえ)
6. UCHOTEN(feat. TACK)
7. スクランブルメンタル
8. Uwagaki
9. ROOM205(feat. 森心言)
10. Whateva♡(feat. issei)
11. ナイーブ
12. Wasabi

プロフィール

ASOBOiSM(あそぼいずむ)

1994年生まれ、横浜市戸塚区育ちのソングライター / シンガー / ラッパー。飾り気ないOLライフを遊び心あふれる歌&ラップで描いたガールシティポップで、2018年より怒涛の配信シングルを発表。なみちえやサイプレス上野らラッパーとのコラボも注目を集めたほか、『ねこねこ日本史』(NHK Eテレ)やアイドル・神宿などへのジャンルを超えた楽曲提供で「作家」としても高く評価されている。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

『角舘健悟 × 青葉市子 Live at Waseda Scotthall』

2020年、全4回にわたって行われてきた対談連載企画『角舘健悟の未知との遭遇』。青葉市子と遭遇し、教会に迷い込んだ2人の秘密のセッションの様子が公開された。本連載の趣旨でもあり、2人を繋いだYogee New Wavesの”Summer of Love”と、青葉市子の”みなしごの雨”を披露。クリスマスの夜にどうぞ。(川浦)

  1. KID FRESINOが示す良好なバランス。多層的な創作者としての姿勢 1

    KID FRESINOが示す良好なバランス。多層的な創作者としての姿勢

  2. 木村拓哉がスーツ姿で仲野太賀、塚地武雅と共演 マクドナルド新CM 2

    木村拓哉がスーツ姿で仲野太賀、塚地武雅と共演 マクドナルド新CM

  3. Gotchが歌う「生の肯定」 現代社会のほころびを見つめ直して語る 3

    Gotchが歌う「生の肯定」 現代社会のほころびを見つめ直して語る

  4. 山田孝之主演のNetflix『全裸監督』シーズン2 新ヒロインに恒松祐里 4

    山田孝之主演のNetflix『全裸監督』シーズン2 新ヒロインに恒松祐里

  5. 綾野剛が白昼の商店街を疾走、映画『ヤクザと家族 The Family』本編映像 5

    綾野剛が白昼の商店街を疾走、映画『ヤクザと家族 The Family』本編映像

  6. キンプリ平野紫耀と杉咲花がウサギになりきってぴょんぴょんするHulu新CM 6

    キンプリ平野紫耀と杉咲花がウサギになりきってぴょんぴょんするHulu新CM

  7. 『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎の日輪刀を再現 「うまい!」などセリフ音声収録 7

    『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎の日輪刀を再現 「うまい!」などセリフ音声収録

  8. 吉高由里子、知念侑李、神宮寺勇太が「アレグラFX」新広告キャラクターに 8

    吉高由里子、知念侑李、神宮寺勇太が「アレグラFX」新広告キャラクターに

  9. 緊急事態宣言下における「ライブイベント公演の開催」に関する共同声明発表 9

    緊急事態宣言下における「ライブイベント公演の開催」に関する共同声明発表

  10. ermhoiの「声」を輝かせている生い立ち、思想、知識、機材を取材 10

    ermhoiの「声」を輝かせている生い立ち、思想、知識、機材を取材