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角舘健悟の『未知との遭遇』青葉市子編

角舘健悟の『未知との遭遇』青葉市子編

角舘健悟の『未知との遭遇』
テキスト・編集
金子厚武
撮影:小林光大 編集:川浦慧、今井大介(CINRA.NET編集部)

「地に足がつき過ぎているよりは、プラプラして風に乗ってる方がいい景色が見れそう」(青葉)

角舘:最近忙しかったから、市子さんのペースはいいですね。結構スローペース。はっきり言ってしまうけど。

青葉:うふふ。ゆっくりしてますね。

角舘:いいですよ、本当。コロナ期ってみんなバグり散らかしてるからさ(笑)。でも俺はそんなに嫌いじゃなかった。なんでかっていうと、自分のことを考えられたから。

青葉:おんなじです、本当に。

角舘:やっぱり誰かと会うと、その人のこと考えてしまうじゃないですか。どこかで。

角舘健悟

青葉:健悟さん、そういうとことっても繊細ですね。

角舘:そうですね。なんか役職柄というか、繊細じゃなく見られる瞬間もきっとあると思うんですけど、めちゃくちゃ繊細なんだよな。優しくしてって思いますね(笑)。

青葉:それだけ「側」が柔らかいからこそ、世界のこともちゃんと見えるんじゃないかなって思う。殻が硬いとさ、なかのことしかわかんなかったりするけど、ちょっとふやけてたり、隙間があったり、破れてたりするからこそ、外のことを取り入れられるし。それはね、とくに歌うたいだととても傷ついたり、さらに孤独に感じてしまうことかもしれないけど、特権だとも思ってて、引き換えに歌を授けてもらってる。

角舘:本当にそうですね。どこかで閉じてもいいのかなって思う日もありましたけど、ひとまず……作るっきゃない、みたいなね(笑)。

青葉:作るっきゃない。本当それです。

青葉市子

角舘:市子さんアルバム何枚出しました?

青葉:オリジナルアルバムは7枚。

角舘:すごい。

青葉:でも、6枚は歌とギターだけだし。日々作ったのを、デモをちゃんと録ったくらいの感じで出せるから、私の場合は早いんですよね。

角舘:例えば、1日3曲録るとするじゃない? その前の1週間が大事になりません? マインドというか、食べるものとか、考え方とか。

青葉:そうかも。でもソロアルバムね、1日で全曲録っちゃうの。

角舘:すごすぎ。

青葉:かかるときも2日で8曲とか10曲とか。全部マイク1個でいいから、そこでライブをすればいいと思っていて、派手に間違わなければ、もういいやと思ってて。『アダンの風』は全然違う作り方をしているから。

角舘:そうだよね。今回はいわゆるレコーディングだったじゃないですか? 多重録音で。

青葉:いままでだったら2日でできてたアルバムが、今回は1年かけて作るみたいな(笑)。

角舘:あはははは。

青葉:どっちか。間がないんです。

角舘:でもやっぱり、想い入れイコールかけた時間ではないじゃないですか。そこでめくれた自分の皮の厚さというか、そういうものになってくるんだろうなと思ってるんですけど。10分でできた曲でも、5年かかった曲でも、どっちも素敵な曲になったりするじゃない?

青葉:うんうん、わかる。

角舘:アレって、すごい不思議な性質だなって思うんですよ。時間をかければいいものになるわけではないっていうか。

青葉:そうですね。その歌にとってこの時間が必要だったってだけで、価値は変わらないから、一緒ですね。

角舘:昨日行ったカレー屋でタトゥーが2つ入ってる男の子がいて、「23歳でプラプラして」って言われてたけどさ、まだ完成してないだけじゃない。その時間をかければいいってもんじゃないしさ、早ければいいってわけでもない。人それぞれだなって思いますよ。

青葉:全然プラプラしていいと思います。地に足がつき過ぎているよりは、プラプラして風に乗ってる方がいい景色が見れそう。

角舘:たしかにね。いままではもっとセオリー、セオリーでさ、男は大学を出たら就職して、何年間のうちに奥さん作って、子供作ってみたいなのがセオリー的にあったけど、そんなことよりいまの風が気持ちいいかどうかっていうのがすごくポイントになってくるなって思いますね。

青葉:本当にそう。


(お店を出て、花屋へ移動。お店の人と会話をしながら)


青葉:じゃあ、カサブランカを。

角舘:花瓶も買った方がいいよね。

青葉:下だけお店で包んでもらって、立てかけておけばいいんじゃない?

角舘:それもいいですね、ナイスアイデア。

青葉:カサブランカと……ヤマツツジみたいなのもきれい。

角舘:ヤマツツジきれいだよね。

青葉:ゆりにまとめますかね?

角舘:いいですよ。


(花、購入中)


青葉:歩いてるときに花が見えた方がいいから、紙とってもらおうか。

角舘:そこまで見えてるの? すごいなあ。

青葉:見えてないよ。遅かったもん。紙が無駄になる前に言わなきゃ。

角舘:いやいやいや、いいね。

角舘健悟



(移動。スコットホールに到着)


青葉:あー、久しぶりだなあ。4年ぶりに来た。

角舘:ここにあるだなんて知らなかった、地元なのに。

青葉:とっても懐かしい。健悟さん、これ(録音)もう止めていい?

角舘:うん。

青葉:止めまーす。

角舘:お疲れ様でした。

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プロジェクト情報

連載:角舘健悟の『未知との遭遇』

「Yogee New Waves」のボーカルとして活躍する角舘健悟が「未知との遭遇」をテーマに、様々な世界の未知なるアーティストと出会い、ものづくりや表現について対話し、「FUSION」することで、新しい創作物を生み出します。その過程をドキュメントし、カルチャーを愛する皆さんと一緒に応援し、楽しんでいく連載企画です。

プロフィール

青葉市子(あおば いちこ)

音楽家。1990年1月28日生まれ。2010年にファーストアルバム『剃刀乙女』を発表以降、これまでに6枚のソロアルバムをリリース。うたとクラシックギターをたずさえ、日本各地、世界各国で音楽を奏でる。弾き語りの傍ら、ナレーションやCM、舞台音楽の制作、芸術祭でのインスタレーション作品発表など、さまざまなフィールドで創作を行う。活動10周年を迎えた2020年、自主レーベル「hermine」(エルミン)を設立。体温の宿った幻想世界を描き続けている。12月2日、“架空の映画のためのサウンドトラック”として、最新作『アダンの風』を発表する。

角舘健悟(かくだて けんご)

1991年生、東京出身。2013年にバンド、Yogee New Wavesを結成、ボーカルを担当。2014年4月にデビューe.p.『CLIMAX NIGHT e.p.』でデビュー。昨年、3rdアルバム『BLUEHARLEM』、12月に『to the MOON e.p.』をリリース。最新作は今年7月にシングル『White Lily Light』を発表。全国各地の野外フェスの出演やアジアを中心に海外公演を重ねる。バンド活動の傍ら、テレビ番組・TVCMのナレーションなど活動の場を拡げる。音楽、ファッションの両面で厚く支持されている。

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