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イラストレーターmameが打ち明ける、いま「あの頃」を描く理由

イラストレーターmameが打ち明ける、いま「あの頃」を描く理由

あなたのブラザーでいたい。 思い出を描き変えよう
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
編集:宮原朋之(CINRA.NET編集部)

20歳で味わったプロとしての挫折と、30代で最後の再起

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年は楽しみにしていたイベントも軒並み中止。スマホの画像フォルダをたぐってみても、思い出に残るような写真がほとんど残っていない。2020年を振り返ると、ほぼすべての人がそんな状況だったのではないだろうか。

本当なら残っていたはずの家族や恋人、友人たちとの「思い出」を人気イラストレーターが描き下ろし、そのイラストをプリントしたトートバッグをプレゼントするキャンペーン『思い出を描き変えよう』が、家庭用ミシンでお馴染みのブラザー社により実施された。

思い出を描き変えよう「#思い出アプデ」キャンペーン第2弾が開催中。募集期間:2020年12月10日~12月25日 / 不完全燃焼だった思い出の写真、エピソードを募集中。それをもとに5名のイラストレーターが理想的なかたちに描き変える。描き下ろしたイラストはブラザーがトートバッグにプリントしてプレゼント。応募するにはハッシュタグ「#思い出アプデ」をつけて、描き変えてほしい写真とコメントを添えてSNSに投稿。
思い出を描き変えよう「#思い出アプデ」キャンペーン第2弾が開催中。募集期間:2020年12月10日~12月25日 / 不完全燃焼だった思い出の写真、エピソードを募集中。それをもとに5名のイラストレーターが理想的なかたちに描き変える。描き下ろしたイラストはブラザーがトートバッグにプリントしてプレゼント。応募するにはハッシュタグ「#思い出アプデ」をつけて、描き変えてほしい写真とコメントを添えてSNSに投稿。(キャンペーン詳細を見る

本キャンペーンの参加イラストレーターの中から今回紹介するmameは、レトロとモダンを組み合わせた「ありそうでない世界」と、そこで暮らすキュートなカップルや女の子を描いて人気上昇中のイラストレーターだ。

mameの作品に出てくるキャラクターたちは、髪型やメイク、ファッションなどどこか1980~90年代初期を思わせる。そうした作風は、mame自身が1980年代生まれであることが大きな影響を及ぼしているようだ。

mame:自分の幼少期の記憶、例えば「こういうトレーナーを着ていたな」とか、「家の間取りはこんな感じだったな」とか色々思い出しながら描いています。あとは、インターネットなどで当時の画像を探すこともありますね。

その際、キャラの設定も細かく考えています。絵の中に反映されなくても、この子はこういう趣味があって、こういう色味が好きで、こんな仕事をしていて、みたいな。そうすることで、1枚の絵の中にストーリーを感じさせることができるんです。

鮮やかに切り取られたある物語のワンシーンに、1~2言で書かれたセリフが実に想像力をかき立てられる。モノが散らかる六畳一間の和室や、ちょっと窮屈そうな居酒屋、自販機が雑然と並ぶ路地裏など、どこか下町っぽい風景からは、「懐かしさ」と「親しみやすさ」の感情が同時に湧き起こる。

mame:私は東京生まれの東京育ちなのですが、ごちゃごちゃっとした場所が好きなんですよね。京王線沿いに住んでいたので、千歳烏山のような雰囲気がとても好きですし、下北沢や谷根千もよく散歩していました。

そんなとき、「この場面を使って絵を描きたいな」と思うんです。そうしたら、まずはざっくりとしたストーリーを頭の中で組み立ててから絵に描き起こしていきます。

mameの作品がユニークなのは、そんなノスタルジックな画面の中に「モダンなツール」も忍ばせていることだ。例えば、『ロマンチックになれないふたり』に登場するキャラクターたちが手に持っているのはスマートフォン。ゴミに出そうとしている段ボール箱には「Amazon」のロゴが入っていたりする。

mame『ロマンチックになれないふたり』(2018年、KADOKAWA)
mame『ロマンチックになれないふたり』(2018年、KADOKAWA)

そうした現代的な要素が単なる懐古主義とは一線を画している。レトロとモダンを組み合わせた世界観は、奇しくも昨今の1980~90年代リバイバルの流れとも見事にシンクロした。

mame:たまたま自分が好きで描きたかったものと、現代の若者たちの感覚が重なり合ったというか。本当に自分はラッキーだったと思っています。描き始めた当初は全く意識していなかったことなんですけどね。

現在30代のmameは、実は20歳の頃に少女漫画家としてプロデビューを経験している。ただ、当時世に出た作品はどれも鳴かず飛ばず。読み切りくらいしか描かせてもらえず早々に挫折し、しばらくは絵を描くことからも遠ざかった。

mame :幼少の頃から絵を描くのは大好きで、唯一の趣味だったのですけど、「プロとしては通用しない」という現実を突きつけられたことがショックで。数年間は描くことだけじゃなくて、漫画を読むことすらできなくなってしまいました。

でも30代になって、このまま絵を描かないで終わる人生でいいのだろうか? と突然思ったんです。漫画家を諦めた後は会社員として働いていたのですが、いまここで始めなかったら、おそらく一生描くことはないだろうって。

会社の同僚が、趣味で描いた自作のイラストをInstagramに上げていると聞き、「自分もやってみよう」と思い立つ。インスタのアカウントを作り、まずは絵を描くリハビリのつもりで投稿をスタートした。

mame:それがなぜか、割と早い段階で注目されるようになったんです。きっかけが自分でもよく分からなかったのですが、いろんな方に拡散していただいて、フォロワーさんも増えて。仕事にするつもりは正直全くなかったのですが、気づけばイラストで食べていけるようになっていました。

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キャンペーン情報

思い出を描き変えよう「#思い出アプデ」キャンペーン第2弾

不完全燃焼だった思い出の写真、エピソードを募集し、それをもとに5名のイラストレーターが理想的なかたちに描き変えます。描き下ろしたイラストはブラザーがトートバッグにプリントしてプレゼント。

募集期間:2020年12月10日~12月25日
応募方法:ハッシュタグ「#思い出アプデ」をつけて、描き変えてほしい写真とコメントを添えてSNSに投稿ください。

プロフィール

mame(まめ)

生活と非現実との狭間を描くイラストレーター。どこかレトロで温かいタッチで繊細な感情を描き、独特な世界観が見る人を引き込みます。2018年、『ロマンチックになれないふたり』発売。個展『ランデブー』(2019年)、『ここだけの話』(2020年)開催。

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