特集 PR

あぶらこぶが歌う理由 iPhoneとYouTubeに命を与えられた「声」

あぶらこぶが歌う理由 iPhoneとYouTubeに命を与えられた「声」

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:大瀧卓弥 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

奈良県在住の現役高校生、「あぶらこぶ」が、ミニアルバム『navel』をリリースした。既に日本テレビ系『バズリズム02』の「今年コレがバズるぞ!BEST10」にランクインするなど徐々に認知を高めているあぶらこぶは、iPhoneの音楽制作アプリ「GarageBand」で楽曲制作を行っている。音源発表はSNSやYouTubeを通して行ってきたという、とても現代的なシンガーソングライターだ。しかし、そうした佇まいの新鮮さだけで、この才能を色眼鏡で見てしまうことはもったいない。

彼女の作る音楽には、人間の感情のひだにふれるような繊細な柔らかさと、悲しさや寂しさの奥の奥にある優しさと安寧を捉えようとするような、とても穏やかで普遍的な美しさが宿っている。なめらかでメロディアスなトラックと、叫びと記憶が不思議な色彩と香りを纏う、独白的な歌詞世界。そこには、決して瞬間的でインスタントな欲望の発露ではない、もっと本質的で切実な表現への希求を感じるのだ。

Zoomでのリモート取材を通じて、高校生らしい素朴な語り口で我々の質問に答えてくれたあぶらこぶ。その言葉の端々に光る可能性を感じてほしい。

あぶらこぶ<br>奈良県在住、現役高校生。主にYouTubeや音楽配信サイトEggsにて精力的に楽曲を発表している。iPhoneアプリ「GarageBand」で制作された楽曲はクオリティが高く、独自性かつ共感性の高い歌詞でSNSを中心に同世代のリスナーから支持を得ている。2021年3月17日、初の全国流通盤『navel』をリリースした。
あぶらこぶ
奈良県在住、現役高校生。主にYouTubeや音楽配信サイトEggsにて精力的に楽曲を発表している。iPhoneアプリ「GarageBand」で制作された楽曲はクオリティが高く、独自性かつ共感性の高い歌詞でSNSを中心に同世代のリスナーから支持を得ている。2021年3月17日、初の全国流通盤『navel』をリリースした。

iPhoneで楽曲制作をする現役高校生がCDデビューに至る背景

―あぶらこぶさんはGarageBandで曲作りをされているそうですが、曲作りを始めたのはいつ頃ですか?

あぶらこぶ:GarageBandで曲作りを始めたのは中学2年生のときです。それまでは、うまく弾けないピアノを使って音楽を作ろうとしていて。でも、中2のときにスマホを買ってもらってGarageBandに出会って。ピアノはあまり弾けなかったのでできることが限られてるけど、GarageBandに出会ってからは、自分がやりたいと思っていることを自由にできるようになった感じがします。

2019年8月に初めてYouTubeで発表された楽曲

―ピアノが家にあったのは、ご家族が弾かれたりしていたんですか?

あぶらこぶ:4歳の頃から2年間だけピアノを習っていたんです。でも、先生が辞めちゃって。縁がなかったのかなって思います。

―ピアノを弾けないながら曲作りを始めたのは、なぜだったんですか?

あぶらこぶ:めっちゃ音楽が大好きで。でも中1のときに、なにを聴いてもときめかなくなってしまって、「自分がハマる音楽を自分で作れたらいいのに」と思ったんです。それから、歌詞を書いたりして、自分で曲を作ろうと思いました。小さい頃から、自分で何かを考えて作ることが好きだったんです。絵を描いてみたり、オリジナルのキャラクターを作ってみたり、いろんなことをしていて。初めて人に「いいね」と言われたのが音楽だったんですけど。

―「作る」ということが好きだったんですね。

あぶらこぶ:自分だけのものを作りたいってめちゃ思っていて。「オリジナルであること」をずっと大事にしてきました。

―「自分でありたい」というような感覚ですかね?

あぶらこぶ:「人と違うこと」をしたいって思います、いつも。

あぶらこぶ
あぶらこぶ“アスター”を聴く(Eggsで聴く

―初めて、自分にとって「これはオリジナルだ」と思えるものを作れたのは、いつでしたか?

あぶらこぶ:幼稚園か小学校低学年くらいの頃なんですけど、弟が産まれたんです。その弟のテーマソングを作ったときですね(笑)。

―いいですね(笑)。でも、中1のときに音楽にときめかなくなったのは、なぜだったんでしょうね?

あぶらこぶ:同じジャンルばっかり聴いていたからかな……。好きな音楽に出会える時期じゃなかったんだと思います。

Page 1
次へ

リリース情報

あぶらこぶ『navel』
あぶらこぶ
『navel』(CD)

2021年3月17日(水)発売
価格:1,650円(税込)
EGGS-056

1. 花になる
2. 春眠
3. Think over
4. 宇宙船
5. 儚砂
6. あお

プロフィール

あぶらこぶ
あぶらこぶ

奈良県在住、現役高校生「がれーじばんだー」。主にYouTubeや音楽配信サイトEggsにて精力的に楽曲を発表している。iPhoneアプリ「GarageBand」で制作された楽曲はクオリティが高く、独自性かつ共感性の高い歌詞でSNSを中心に同世代のリスナーから支持を得ている。2021年3月17日、初の全国流通盤『navel』をリリース。2021年ネクストブレークが期待されるアーティストのひとり。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

あらかじめ決められた恋人たちへ“日々feat.アフロ”

何かを我慢することに慣れすぎて忘れてしまいそうになっている「感情」を、たった10分でこじ開けてしまう魔法のようなミュージックビデオ。現在地を確かめながらも、徐々に感情を回転させていくアフロの言葉とあら恋の音。人を傷つけるのではなく、慈しみ輝かせるためのエモーションが天井知らずの勢いで駆け上がっていった先に待ち構えている景色が、普段とは違ったものに見える。これが芸術の力だと言わんばかりに、潔く堂々と振り切っていて気持ちがいい。柴田剛監督のもと、タイコウクニヨシの写真と佐伯龍蔵の映像にも注目。(柏井)

  1. 広告に冷めた時代のアプローチ。Hondaは「フラット」を提示する 1

    広告に冷めた時代のアプローチ。Hondaは「フラット」を提示する

  2. BTS“Film out”PV公開 back numberとコラボした『劇場版シグナル』主題歌 2

    BTS“Film out”PV公開 back numberとコラボした『劇場版シグナル』主題歌

  3. 大森元貴のソロデビューの意味。2人の視点から『French』を紐解く 3

    大森元貴のソロデビューの意味。2人の視点から『French』を紐解く

  4. 内田有紀、シシド・カフカらが東京の美術スポット巡る 『新美の巨人たち』 4

    内田有紀、シシド・カフカらが東京の美術スポット巡る 『新美の巨人たち』

  5. Perfume Closetファッショントラックの移動店舗がラフォーレ原宿から開始 5

    Perfume Closetファッショントラックの移動店舗がラフォーレ原宿から開始

  6. 『ノマドランド』が映すアメリカの姿。過酷な状況とノマドの精神 6

    『ノマドランド』が映すアメリカの姿。過酷な状況とノマドの精神

  7. いとうせいこう、角舘健悟らが「私の大滝詠一プレイリスト」公開 7

    いとうせいこう、角舘健悟らが「私の大滝詠一プレイリスト」公開

  8. NiziUがNHK『SONGS』リニューアル初回に登場 特技披露&ファン動画企画も 8

    NiziUがNHK『SONGS』リニューアル初回に登場 特技披露&ファン動画企画も

  9. No Busesの「未完成」を楽しむバンド美学 作る喜びが救いだった 9

    No Busesの「未完成」を楽しむバンド美学 作る喜びが救いだった

  10. 内山拓也監督が語る、Uru、平井堅、King Gnuの話題MVの裏側 10

    内山拓也監督が語る、Uru、平井堅、King Gnuの話題MVの裏側